本ワークショップは「Collective Predictive Coding (CPC)」という新しい学際的枠組みを、理論と実践の往復運動のなかで深く理解することを目的とする。生成 AI やエージェント研究の急速な発展によって、記号創発や社会的規範のダイナミクスを数理的に扱う必要性が増しているいま、私たちは「集合的予測符号化」仮説という視点を共有し、学生主導で研究コミュニティを醸成することが不可欠だと考える。CPC は認知科学・情報科学・人文社会学を横断するため、多くのステークホルダーとの共有言語が必要となる。そこで本企画では、オンラインでのセッションと、対面でのハンズオン実習を組み合わせたハイブリッド形式を採用し、理論を空中戦で終わらせないための実装力を涵養する。
前半のオンライン部では、CPC as Model of Science の最新論文を輪読しつつ、強化学習・世界モデル・マルチエージェントシミュレーション・VLM など先端領域との「接木」を試みる。参加者は自身の研究テーマを持ち寄り、CPC と結びつける着想を徹底的にブレインストーミングする。後半のオフライン部では、「Python で学ぶ記号創発ハンズオン」と題し、社会学系の参加者でも追随できるようにプログラミングの基礎から段階的に指導し、最終的には簡素な記号創発シミュレーションを各自で動かすことを目標とする。理論説明とコード実装を頻繁に往復させることで、抽象概念と可視的ふるまいの接続を体感的に理解してもらう設計である。
本ワークショップは 2025 年 9 月 2 日から 9 月 4 日の3日間にわたり、学生によるセッションを中心的に実施し、最終日はオフライン会場に集合してハンズオンと懇談を行う(二拠点以上を Zoom で結び、遠隔地からも参加可能とする)。対象は CPC や記号創発の研究に従事している学生を中心に、CPC に関心をもつ学部生・大学院生・若手研究者まで幅広く開き、定員は二十五名程度を想定する。参加費は無料。
言語創発/記号創発/言語進化、AIアラインメント、記号創発/認知発達ロボティクス、マルチエージェントシステム、科学発見の自動化、記号接地問題、記号論とプラグマティズム、ネオ・サイバネティクス、法/倫理/規範システム、協力行動の数理、情報の経済学、人工生命、計算論的精神医学、心の哲学、科学哲学、計算言語学
日時:9/2(火)~9/4(木)
場所:オンライン
参加費:無料
当日までに登録いただいたメールアドレスにZoomリンクを送信させていただきます.
実行委員長:堀江孝文(京都大学)
副実行委員長:片岩拓也(静岡大学)
広報・クリエイティブ:久保田はな(立命館大学)