つながるかたち展03 公開ゼミ
"CONNECTING ARTIFACTS 03→04"

『つながるかたち展04』へ向けた公開ゼミを開催

9月30日(土)より開幕した『つながるかたち展03』。約2ヶ月の会期を経て閉幕する11月26日(日)に、公開ゼミを開催します。

『つながるかたち展』は東京大学教養学部で開講されている『個と群』(文理融合ゼミナール)における、美術家野老朝雄と東京大学の舘知宏、そして受講生の協働による、「かたち」をテーマにしたプロトタイピングの成果発表展が発展し、スタートしました。

2021年にはじめて開催された『つながるかたち展01』はそのタイトルの通り、毎年の活動を通じて、継続的に分野を超えた協働を続けることを目指しスタートしました。

この度閉幕する『つながるかたち展03』は、NTTインターコミュニケーション・センター ICCにて同時開催中である『つながるかたち展2.5』含めると4度目の開催となり、その出展者は研究者の枠を超え、40名以上の作家・開発者・デザイナーが参加しています。

公開ゼミでは、『つながるかたち展03』の出展作家が集まり自らの作品と研究をシェアし、2024年に開催予定の『つながるかたち展04』に向けたオープンなディスカッションを開催します。

『つながるかたち展』とは

単純なかたちが一定のルールでつながり、全体を構成するしくみは、人工物、自然現象を問わず現れる普遍的な原理です。美術家の野老朝雄はこの原理を「個と群」と呼び、多様につながる作品群を生み出しています。「個と群」の背後には高次元の幾何学や非線形の数理や対称性などが存在し、美術や音楽などの芸術、建築や宇宙構造物、アルゴリズムやデータ構造、結晶や準結晶の原子配列、タンパク質の折りや自己集合、群れのふるまいなど、さまざまな領域の学問や創造へとつながっています。 東京大学教養学部で開講されている『個と群』(文理融合ゼミナール)では、受講生が野老と東京大学の舘知宏と協働して、「個と群」の創造プロセスを実践しています。創造のプロセスは必ずしもまっすぐには進まず、つくられたもの(Artifacts)はしばしば意図しない副産物となります。このような副産物からは、芸術、科学、情報、工学、数学をまたいだ豊かな学際的研究領域が広がっています。 つくること、発見すること、問いを得ること、その問いを解くことの連鎖は、分野を超えた協働の原動力です。CONNECTING ARTIFACTS つながるかたち展では、かたちをつくることから始まる学術の連鎖を紹介します。


公開ゼミ概要

開催日程:
2023年11月26日(日)  13:00 - 16:00ごろ

開催場所:
東京大学 駒場Ⅰキャンパス 学際交流ホール
https://maps.app.goo.gl/rPdfDjJwudkrDx2o6

〒153-8902 東京都目黒区駒場3-8-1
東京大学 駒場Ⅰキャンパス アドミニストレーション棟3階

参加方法:
事前のお申し込みは不要です。直接会場にお越しください。開催中の入退出は自由です。

参加予定者

舘知宏

1982年生まれ。東京大学工学部建築学科卒業。2010年同大学院工学系研究科博士課程修了( 博士( 工学 ) )。東京大学大学院総合文化研究科助教、准教授を経て2022年より同教授。2002年より計算を用いた折紙設計を継続し、Origamizer、Freeform Origamiなどのソフトウェアを開発している。専門は、計算折紙、構造形態学、 コンピュテーショナル・ファブリケーション。共著に「コンピュテーショナル・ファブリケーション — 「折る」「詰む」のデザインとサイエンス」。東京大学の教養学部でSTEAM教育に携わっている。

野老朝雄

1969年、東京生まれ。幼少時より建築を学び、江頭慎に師事。2001年9月11日より「つなげること」をテーマに紋様の制作を始め、美術・建築・デザインなど、分野の境界を跨ぐ活動を続ける。単純な幾何学原理に基づいた定規やコンパスで再現可能な紋と紋様の制作や、同様の原理を応用した立体物の設計/制作も行なっている。主な作品に東京2020オリンピック・パラリンピックエンブレム、大名古屋ビルヂング下層部ガラスパター ン、TOKOLO PATTERN MAGNETなど。2016年より東京大学工学部非常勤講師、2018年より東京大学教養学部非常勤講師、2022年より國立臺灣師範大學(TAIPEI, TAIWAN)客座教授を務める。

安達瑛翔

1991年生まれ。京都大学総合人間学部卒業。2021年東京大学大学院総合文化研究科修了(博士(学術))。繰り返し構造を持つ折紙の形状と変形が専門。発表論文は"Cylindrical Dual Tiling Origami"(Journal for Geometry and Graphics, 2022)など。

荒牧悠

1988年、神奈川県生まれ。慶應義塾大学政策メディア研究科修了。多摩美術大学芸術学部統合デザイン学科講師。構造や仕組み、人の認知に注目した作品を制作している。作るオブジェは動いたり動かなかったり、扱う材料は様々。主な参加展覧会に「デザインの解剖展: 身近なものから世界を見る方法」(2016,21_21designsight)、個展「ストゥラクチャ」(2021,Hikarie 8/ aiiiima)、荒牧 悠 "こう (する+なる)” ― phenomenal # 02(2022,nomena gallery Asakusa)など。

小野富貴

2022年東京大学大学院修士課程修了。現在、太陽工業株式会社勤務。形と構造の関係、特に自然の中の形状生成の仕組みに興味をもっている。受賞歴に「コロキウム構造形態の解析と創生2021」 優秀発表賞、日本建築学会優秀修士論文賞(2022)。発表論文にGrowth Deformation of Surface with Constant Negative Curvature by Bending-active Scissors Structure (IASS2022)など。

上條陽斗

2000年生まれ。東京大学工学部建築学科卒、同大学院工学系研究科建築学専攻修士課程在籍。物体の弾性変形を活用した構造物の物性や幾何学を探求する研究および作品制作を行っている。2023年東京大学工学部長賞(研究最優秀)受賞。

下田悠太

建築構造エンジニア。東京大学工学部建築学科卒業。2021年同大学院修士課程修了。折紙の幾何学と構造力学を背景に、コンパクトに折りたためる構造や軽量な膜テンセグリティ構造など建築の新たな形態に関する研究・制作を行っている。コムデギャルソンnoir kei ninomiyaへのパターン提供など、建築の技術を用いた他分野とのコラボレーションも積極的に行う。受賞歴に「コロキウム構造形態の解析と創生2020」形態創生コンテスト 最優秀作品など。

常泉宏陽

2003年生まれ。東京大学教養学部(前期)理科一類在籍。『数学と音楽』の受講をきっかけに音と図形をつなげることに興味を持ち、p5.jsを利用してプロジェクト制作をしている。

十塚響

1999年生まれ。北海道大学工学部環境社会工学科建築都市コース卒業。東京大学大学院工学研究科建築学専攻修士課程在籍。専門は計算折紙と建築メディア論。切紙構造や建築批評といった物事の背後にある数理・理論の研究を通じて、分野を超えた新しいデザインの在り方を模索している。

豊岡龍弥

1996年生まれ。早稲田大学創造理工学部建築学科卒業、東京大学大学院工学系研究科修士課程修了。現同大学院博士課程在籍及び日本学術振興会特別研究員(DC2)。専門は双安定キリガミ構造。幾何学の持つ構造的合理性に興味を持ち、特に双安定構造の安定性について研究している。発表論文に "Programming surface using bistable star tiling kirigami” (2022)。

中川功大

2002年生まれ。東京大学工学部建築学科在籍。幼少期より折り紙に親しむ。『個と群』でのシャボン膜研究をきっかけに、Costa Surfaceなどの曲面の研究や新しい形の発見に興味を持っている。

鳴海紘也

2020年東京大学大学院情報理工学系研究科博士課程修了。博士(情報理工学)。2020年4月より東京大学大学院情報学環助教。2021年4月より同工学系研究科特任講師。専門はヒューマン・コンピュータ・インタラクションで、特に特殊な素材と構造を活用したコンピュテーショナル・ファブリケーション、形状変化インタフェース、ソフトロボットなどの研究に従事。

三木優彰

2007年東京大学工学部建築学科卒業。2012年東京大学大学院工学系研究科博士課程修了(博士(工学))。2015年–2019年米国Skidmore Owings and Merrill勤務。現在、東京大学大学院総合文化研究科助教。専門は建築構造物の形状決定やパラメトリックデザイン。2015年応力関数とNURBS曲面によるシェル構造の形状決定手法がSIGGRAPH Technical Paper 部門に採択。2022年応力関数とNURBS曲面によるシェル構造の形状決定手法が再びSIGGRAPH Asia Technical Paper 部門に採択。他在学中に英国Bath大学とスイスETH Zurichへ短期滞在など。

森山空良

1998年生まれ。東京理科大学工学部建築学科卒業。東京大学大学院工学研究科建築学専攻修士課程在籍。展開構造などの可変性のある機構や曲面構造など建築にかかわる形状に興味を持ち、ミウラ折りを用いた曲面形状生成及び建築スケールへの応用の研究を行っている。

仙福孝太朗

1995年生まれ。2020年東京大学大学院工学系研究科建築学専攻修士課程を修了。現在は日建設計のDDLにてコンピュテーショナルデザイナーとして勤務。

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