TYPE-V Nature Architects project

TYPE-V Nature Architects project
A-POC ABLE ISSEY MIYAKE, Nature Architects 2023

TYPE-Ⅴ Nature Architects projectは、Nature Architectsによる最新のデザイン・ソリューションとA-POC ABLE ISSEY MIYAKEのものづくりのシステムを掛け合わせたプロトタイプから、一枚の布がもつ新たな可能性を探求していくプロジェクトです。 Nature ArchitectsはDFM (Direct Functional Modeling™) と呼ばれる、メタマテリアルを用いた、新しい設計アルゴリズムの研究・開発を行っています。従来とは根本的に異なる製品設計が可能になるDFMによるフレームワークを応用し、A-POC独自の技術「Steam Stretch」の設計プロセスを自動化・効率化することを可能にしました。 切り出した複数のパーツを縫製することで衣服が完成する、従来の服づくりのプロセスに比べ、A-POCのシステムにメタマテリアルを組み込むことで、これまで実現できなかった、より複雑で多様なプリーツ表現が実現しました。高温の蒸気をあてるとたちまち立体的なフォルムが立ち上がり、最小限の縫製でジャケットが生まれます。 本プロジェクトで提示する一枚の布の可能性は、衣服の枠に留まりません。家具や照明、建築などのさまざまな分野へと今後発展していきます。— A-POC ABLE ISSEY MIYAKE

熱を加えることで自己折りする織布の技術「Steam Stretch」はA-POC ABLE ISSEY MIYAKEによって2014年に発表されました。熱収縮の糸の織りパターンをプログラムすることで、さまざまな折り目パターンを施したプロダクトが実現されてきました。2023年のNature Architectsとのプロジェクトでは、任意の立体形状を折紙化(オリガマイズ)する計算技術がこの自己折り技術と掛け合わされて、自在な立体形状を計算したった一枚の平面から製造するという製造プロセスが実現しました。A-POC ABLEの宮前義之は、2013年に訪れた東京大学駒場博物館「計算折紙のかたち」展に言及し「ストレッチ素材にしか見えませんでした」と述べています[WIRED 2023.06.16]。科学・芸術を横断する折紙にプロダクトの視点を掛け合わせることで発想され、計算の力によって可能となった分野協働のプロジェクトです。— 舘知宏

Satoshi Taguchi (2023) BEYOND THE SHAPE:「一枚の布」とメタマテリアルが可能にする未来, WIRED https://wired.jp/branded/2023/06/16/a-poc-able-issey-miyake/

photo:Choku KIMURA 

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