雲とは,「無数の小さな水滴や氷晶の集合体が(地球上の)大気中に浮かんで見えているもの」である。つまり雲は①物理的性質と②光学的性質の二面性をもつということである。
大気中に雲が浮かぶには,雲を構成する粒子(雲粒)が落下し降水現象を起こさない程度の“小ささ”である必要がある。これは雲粒である水滴や氷晶が成長し,落下速度が大きくなるとこれらは降水(雨,雪,霰など)をもたらすため雲粒として存在できなくなってしまうからである。
雲を雲として認識されるには,雲粒が人間の目に見える光(可視光)を散乱して見えている必要がある。また,雲の中身や厚さによってその日の日射量や気温が変化する。
大気光象もある意味ではこの光学的性質によるもので,雲粒が水滴であるか氷晶であるか,またその形や大きさによってどんな現象が見えるかが変化する。
雲の分類には,まず高度による分類として上層雲,中層雲,下層雲がある。
そして形による分類として最も有名なものとして十種雲系がある。これを高度による分類と対応させると,以下のように分類できる。また,積乱雲のような厚い雲をどう分類するかについては,雲底を基準にしている。
上層雲:巻雲,巻積雲,巻層雲
中層雲:高層雲,高積雲,乱層雲
下層雲:層積雲,層雲,積雲,積乱雲
また,雲粒による分類として,水雲,氷雲/氷晶雲,混合雲/混相雲がある。