2020年7月3日、第1回超談話室を開催いたしました。
今回は、オーガニックコットンを専門とする前田剛さんにゲストとして登場していただきました。
エシカルな活動を聞くだけでなく、直接ゲストの方に質問したり、参加者同士で「おしゃべり」したり...。
あっという間の充実した2時間を談話室を開くことができました。
第1回のレポートになりますので、ぜひご覧ください。
コットンはアオイ科の植物で、オクラと花が似ています。
通常の栽培には、虫が寄ってこないようにするための農薬や枯らすための落葉剤などが大量に使われています。野菜や果物にはみんな関心がありますが、コットンのこの現状に多くの人は関心がありません...
答えはNOです。
実は綿の7割は種で、その種は絞られて綿実油になり植物油として使われています。また、搾りかすは家畜のえさにもなっています。私たちは、コットンのふわふわした部分を食べることはありませんが、気づかぬうちに大量の化学農薬が使用されたものを摂取しています。
3年以上有害な化学農薬を使わない畑、有機農業で育てられたコットンのことです。第三者認証を受けています。
フェアトレード、エシカルファッションの代表です。
今回は「人生のきっかけ先生」として、メイドインアースの前田剛さんをお招きしました。
メイドインアースと聞いて、Made on Earth ではないか?と思われた方もいると思います。それもそのはず、地球(Earth)の前置詞は in ではなく on だからです。
メイドインアースという言葉には「Made in Japan」「Made in America」と同じように「地球製」という意味を込められたそうです。
有害な化学物質は使用せず、天然コットンそのままや天然染めをしたり、糸やタグもすべてにオーガニックコットンを100%使用したり、さらには消費電力の全てを再生可能エネルギーにしています。
前半の最後には、運営の島崎さんときっかけ先生である前田さんによるトークショーを行いました。
運営メンバーが事前に用意した質問だけでなく、参加して新たに浮かんだ疑問にも直接答えていただきました。今までの経験・体験や様々な想いを聞くことができ、とても貴重な時間となりました。
以下、実際にした質問をタップすると、折りたたまれた回答を見ることができます。(抜粋となります。)
“このような活動を始めたきっかけは?”
もともとは、広告の企画制作会社でキャンペーンの企画運営などをしていた。
オーガニックコットンを日本に広めようとしていた人と「子供が好き」という言葉で繋がったことがきっかけ。
その後、栽培時に大量の農薬、加工過程で有害な化学薬品が使われていることを知り、衝撃を受けた!!!
そして、啓蒙活動を始めた。
“やりがいを感じるときや楽しかったことは?”
オーガニックの優しい製品が大好きで、好きでやっている。
イベントやフェスでのサステナブルやフェアトレードなどの共有、空気感、人とのつながりが楽しい。
“どのような挫折や壁があったか。また、それにどう立ち向かったか?”
始めた25年前は挫折や壁だらけだった。
「食べ物じゃないのに、なぜオーガニックが必要なの?」と言われ、言われるたびに社員が説明して回った。
今ではアースカラーもかっこいいけれど、生成色や元来の色が地味だと思われていた。さらに、原価・もの作りが高く、儲からなかった。
デリケートな方や繊細な方からの「メイドインアースの製品だから、安心して身につけられる」などという声が励みになり、頑張れた。
自分たちが始めたけど、支えてくれている人の思いや声が大きく、やめられなかった。
「継続は力」という言葉通り、継続することで挫折や壁を乗り越えてきた。
“SDGsをどう考えているか?”
オーガニックコットンは17個のゴール全てに関わっていると言われていて、今までやってきた活動を整理してくれるツール。
ゴールに向かうのは大切だけれど、SDGsウォッシュにならないように。
参加者同士でいろいろな感想、意見などが飛び交いました。
一部抜粋して紹介します。
・普段の友達にエシカル消費などの「意識高い系」は話しづらい。
・ファストファッションのデザイン性が、エシカルファッションにもあればいいなぁ。
・参加したきっかけ、SDGsを知ったきっかけ。
・私たちと前田さんはSDGsの捉え方が違うことに気づいた!
・同世代や人とのつながりは大切。
・私たちがファーストペンギンになる。
・消費者から企業への言葉は大事だと感じた。
・小さなことでもできる
・大きな行動ではなく、日々の行動の中に「意識」が生まれるといいな。
・学校、教育で消費に対する価値観をより学べたら。
・これからは素材を見て買おう。
・アースデイがきっかけ。
・SDGsにつながる活動って難しいのかな?
オーガニックコットンは「肌にも優しい」というイメージを持ってる人は多いと思います。
ここで注意しなければならないのは、オーガニックコットンを使っているから、全ての製品が肌に優しいわけではないということです。どんなものづくりをしているかが重要です。
また、コットン製品の課題に、撥水性や速乾性がないことが挙げられます。しかし、全てストイックにするのは違うと考えているそうです。機能性商品は科学の力に頼り、文明を借りることも必要です。
最後にレポート作成者より、今回のイベントで学んだこと・感じたことを書かせていただきます。
まずはゲストの前田さん、そして参加してくださったみなさん、ありがとうございました。初回となる今回の談話室は、運営含め、参加者全員で作れた時間と場所だったように感じています。
私が今回、学べたことは大きく二つ挙げられます。
まず一つ目は、オーガニックコットン関してです。間接的にコットンを食べていることを知り、より強くオーガニックコットンの必要性を感じました。また、オーガニックコットン製が必ずしも肌に優しい製品ばかりではないということは特に覚えておきたいと思いました。
そして二つ目は、様々な活動をどのようにしていくかです。個人的に、前田さんの人生のお話やおしゃべりタイムは、特に刺激的な時間でした。「できることから行動していく、継続は力になる」という言葉を大切にしたいです。
今回のイベントで未来のイメージがふと湧きました。一人一人が行動することで、小さな社会が変わり、大きな社会が変わり、さらには世界が変わる。改めて、これが素晴らしいことだと実感し、素敵なことだと感じています。
第2回の超談話室の開催も予定していますので、今後もよろしくお願いします。