総合的な放課後対策の再検討
多様なステイクホルダーがかかわって実践する放課後支援の可能性
【趣旨】
学会創設第2期の研究促進委員会では、3年間の共通テーマとして「子どものための放課後支援は、子どもの成長・発達をどのように促すのか ―方法・効果・倫理の現状・課題と未来 ―」を掲げ、理論的・実践的検討を進めている。その初年度に位置づけられる第3回研究大会では、2000年前後に始まった「全児童対策」と「放課後児童健全育成事業」の連携・一体化の動向(特に、2010年代後半以降の状況)を手がかりに、今日の「総合的な放課後対策」を再検討することを目的とする。とりわけ、自治体間で多様化が進む放課後支援の方法と実践の広がりを、具体的事例を通して検証したい。
まず、研究促進委員である佐藤彩会員より、これまでの研究成果を踏まえつつ、横浜市における総合的な放課後対策の展開について報告をいただく。つづいて、世田谷区の新BOP事業について、世田谷区粕谷児童館長の宮本啓史氏より、区の放課後施策の制度変容を踏まえて、地域における放課後対策として区主導での連携推進と保育の質向上にどのように取り組まれているのか、共に活動する民設民営放課後児童クラブの施設長である宮下愛氏とともに報告をいただく。さらに、研究促進委員であり、世田谷区において民設民営放課後クラブを運営するベネッセスタイルケアの学童事業部長でもある田端会員から、多様化する放課後支援の方法と実践の現状について報告を受ける。ベネッセスタイルケアは複数自治体と連携し、放課後児童クラブと放課後子供教室の双方の委託を受けている点で、民間事業者として特有の視点を提供する。
これら三つの報告を踏まえつつ、韓国における放課後支援の現状とも比較しながら、本学会副代表理事の中山勇魚会員に論点整理をしていただく。フロアからの質疑も踏まえながら、子どもの発達段階やニーズに応じた支援のあり方、さらにそれを担う支援者の専門性・役割・連携体制について、多角的な検討を行い、これからの総合的な放課後対策がいかなる方向性をめざすべきかについて、議論を深めたい。
報告者:
佐藤彩(神奈川大学) 横浜の放課後対策の事例から
宮本啓史(世田谷区粕谷児童館) 世田谷区の放課後対策の事例から
宮下愛(ベネッセ 学童クラブ芦花公園)
田端江津子(株式会社ベネッセスタイルケア) 民間事業者の視点から
指定討論者:
中山勇魚(特定非営利活動法人Chance For All)
司会:
鈴木瞬(金沢大学)