1期生(2022年3月修了)
入学したきっかけは、看護部長からの提案でした。進学に迷いはなく、自分の成長のためと考え、家族と職場の協力を得ながら学習と研修を必死で乗り越えた学生生活でした。小学生の二人の子供には迷惑をかけたと思いますが、私の意志を伝え、理解してくれた家族には本当に感謝しています。
研究テーマは「肝切除術高齢患者へのせん妄予防を焦点とした周術期看護の効果」です。内容は、特定看護師である手術室看護師が、特定行為および研修で修得した知識を活用して周術期における肝切除術の高齢患者へのせん妄予防を行ったものです。手術室の経験しかない私にとって、この研究では、術前から術後まで患者と関わることができ、周術期看護の楽しさに気づきました。また、せん妄予防と疼痛の関係に深く興味を持ち、やがて、術後痛の慢性化、慢性疼痛へと関心が湧きはじめ、新たに学習を深めています。
学生生活で得られたこととして、修了後の臨床で気づいたことですが、人を全人的に捉えるように自身の意識が変化していたことです。これは、今後の看護師人生を歩むうえで、一番の宝です。看護の楽しさに気付くことができたこと、慢性疼痛看護という新たな道を築くきっかけをくれたこの研究室の院生と常に支えてくださった先生方に感謝の気持ちでいっぱいです。
研究心を片隅におきながら、今後も看護の楽しさを追求し、患者が安心できる看護師を目標に日々努力していきたいと思っています。
2期生(2023年3月修了)
私は皮膚排泄ケア認定看護師としての実践と看護師長としての看護管理の経験を重ねてきました。その上で、特定看護師として活動を始めて5年が経過し、大学院の受験を目指しました。特定行為研修を受ける前から、医師を含めた他職種との協働の中で、特定行為を組み入れられたら、機会を逃さないケアの実践や患者の侵襲を最小限にしつつも、より効果的な治療に繋げられる、個別性を踏まえた創傷治癒促進が可能になると確信をもった願いを持っていました。
先行文献では、慢性創傷とウェルビーイングの関連があると言われていました。しかし、その時代と比較し、現在、看護師は医学的視点を持った特定行為を含む看護実践が可能となり、個別性のある患者の健康アウトカム改善の為に出来ることが大きく変化していることを研究で看護の言語化に取り組むプロセスで改めて実感しました。
大学院では看護の本質、専門職連携、高度実践看護師の役割拡大等、多くのことを学ぶことができ、自身の知識や看護観、世の中の動向における医療のあり方を深く考えました。そして大学院の仲間達との学び合いから、看護師の出来ることや役割について広い視野から俯瞰して考えることに繋がりました。
私は看護師経験30年で、大学院で学ぶ機会を得ることができ、これまでを振り返り、これからを先を見て、また新たな気持ちで看護をしていきたいと心から思っています。
2期生(2023年3月修了)
私は2019年春に特定行為研修を修了しました。その後は自身が勤める病院で修了者として活動していました。病院で修了者として活動していく中で、ただ特定行為を実践する看護師としてだけでなく、患者やその家族のためにより効果的な看護ケアを提供するにはどのように活動すれば良いのかという思いを持ち、看護部長の勧めもあって、大学院進学を決めました。私が勤める病院では身体拘束の実施割合が高かったため、大学院では特定行為を組み込んだ看護実践による身体拘束縮小をテーマに研究を行いました。大学院での授業や研究を通して私は高度実践看護師の在り方を基に修了者の看護実践について学修しました。大学院を修了した現在も勤務している病院で身体拘束縮小に取り組んでいます。
3期生(2024年3月修了)
◼︎入学のきっかけ
私は2017年に特定行為研修38行為を修了し、病院、施設で勤務してきました。在宅領域で特定行為を活用するために訪問診療と訪問看護に異動しましたが、病院や施設と違い、思うように活用することができませんでした。今後、特定行為研修修了者として活用方法を考える上で大学院で学びを深め、研究成果をまとめられるようになりたいと考え、入学を決意しました。
◼︎学生生活を振り返って
私はすでに特定行為研修を修了していたので、履修が免除になる単位があったことで仕事しながら学習することができました。
先生方も相談しやすいですし、同じ研究室の同期や先輩、後輩は仲が良く、研究のことだけでなく仕事のこと、授業のことなどたくさんの相談にのってくれたのでとても心強く、厳しい中でも大きな心の支えになりました。
◼︎研究テーマや内容、得られたこと
私は整形外科病棟で勤務していたこともあり、研究のテーマは『大腿骨近位部骨折に対する手術の影響を最小限にして、患者の回復を促進する特定行為を組み込んだ看護の効果』について研究を行いました。これまで臨床の現場では既に特定行為が患者やスタッフにとって役に立っていると認識されていましたが、実際どのような効果があったのか明確でない状態でした。研究を通して、具体的にどのような効果が患者、スタッフにあるのか示せるようになりました。
◼︎修了後の所感
大学院修了後、ケアの問題点の抽出、介入方法、評価などしっかり考えることができるようになったと思います。また、一緒に働く看護師、多職種と協働する上でケア継続させるためにどのようにアプローチするべきか考えられるようになりました。
自分の看護を説明できるよう、今後精進していきたいと思います。