会長挨拶

CEREALで「しりあう」


本団体は,千葉大学アカデミック・リンク・センター主催「ALPS履修証明プログラム」修了生を中心に,教育・学修支援に携わる大学教職員のネットワークと相互研鑽の場として設立いたしました。

教育を取り巻く環境はめまぐるしく変化しています。そのような環境において,大学生一人ひとりに対し,どのような支援ができるのか,また,大学の組織,あるいは高等教育をめぐる制度的な側面から,どのような問題・課題が存在し,それに対してどのような施策をとったら良いのか。ALPS履修証明プログラムでは,これらの「どのような」について,多面的かつ実践的に学ぶことができました。また,全国の多様な大学の教職員とともに,共通の悩みや新たな視点を分かち合い,意見を交わすことができました。

ここで得た多くの知識や人脈はかけがえのないものです。修了という区切りをもって終わらせてしまうのではなく,これからも繋がりを大切にし,相互に研鑽を重ね,学生や大学を取りまくステークホルダーの方々へ各々が勤務先で還元し,それぞれの教育・学修支援のあり方を模索することで,これらの価値が生まれるものだと思います。

私たちCEREALは「同窓会組織」と「教育・学修支援専門職能団体」としての活動を通じ,広く教育・学修支援の専門性を高めたい教職員にとってのハブのような存在でありたいと考えています。

「CEREALでしりあう」

この言葉には3つの大きな意味を込めています。

1.CEREALで「知り・会う」

一つ目の意味は,お互いを「知り・会う」場,人材交流としての「しりあう」です。

私たちの活動の根幹は,教育・学修支援に携わる教職員とのネットワークの形成・発展にあります。ALPS履修証明プログラムの同期生に限らず,ALPSに関わる多くの方々と交流を重ねることで,人脈が広がり,情報共有が活発になり,やがては各々の成長にもつながります。

2.CEREALで「知り合う」

二つ目の「しりあう」は「学びあう」という意味での「しりあう」です。

ALPS履修証明プログラムでは個人・グループそれぞれでテーマを設定し,研究・実践を行います。修了後も同じテーマを追求したり,あるいは様々な課題に直面し,その解決に向けた試行錯誤を行う中で,ALPSやCEREALの諸活動で得た実践知や人的ネットワークを利用しない手はありません。CEREALの主催する「アニュアルミーティング」等の研鑽の機会や各構成員相互の交流を通じ,知識の共有や発展的研究・実践につなげていくことを目指しています。

また,この活動は単に情報共有だけを意図したものではなく,将来的な構想である,教育・学修支援専門職能団体の構築という目標に繋がっています。CEREALでは同窓会としての活動だけでなく,我が国全体における教育・学修支援に携わる教職員の専門性向上を展望し,教育・学修支援専門職能団体の確立に向けた各種の取り組みを進めてまいります。

3.CEREALで「See Real」(現実を,見る)

CEREALの特長は,国公私の区分がないだけでなく,教員・職員の区分なく,様々な職務経歴を持ったメンバーで構成されていることです。ALPS履修証明プログラムやCEREALの活動を通じて得ることができる知見は,決して机上の空論ではなく,眼前で日々起こっている諸問題と密接に関わりあっています。

CEREALで「知り・会い」,勉強会や情報交換を通じて「知り合う」先に見えるものは,我が国の高等教育における教育・学修支援の現場の「ありのままの姿」といえます。様々なバックグラウンドを持つ者同士だからこそ,知恵を寄せ合い,現実の諸問題の解決に近づくことができる。それが三つ目の「しりあう」に込めた想いです。



私たちCEREALの活動は,非常に多くの可能性を秘めています。

しかし一方で眼前に広がる海は果てしなく広く,出航したばかりの船は,皆さまのお力添えなくしては,目的地へたどり着くことはできません。

これからもCEREALへの一層のご支援を,どうぞよろしくお願いいたします。

CEREAL 初代代表

伊勢崎 奈津子