乳児保育を中心とした、保育実践研究をしています。
保育に携わりながら記録した、わたし自身の保育の記録や、他の保育者の方の保育記録を分析し、子どもと保育者との豊かで愛情深い関係を構築するのための実践知の理論化をめざしています。
乳児保育の観察研究における知をどう捉えるか
-方法論の検討を通して-
研究方法の検討を通して乳児保育の観察研究における知のあり方を再考し、乳児保育の観察研究の展望を描きたいという目的のもと、自主シンポジウムを開催しました。早朝からにも関わらず、約30名の先生方にご参加いただき、感謝の気持ちでいっぱいです。
言葉を拾うことや行動の意味が理解しにくいといった乳幼児期特有の難しさがある一方、他者関係に開かれた時期だからこそ、とともに過ごすことで子どもから感じ取られることを研究の俎上に載せることができるという良さもあることをお伝えし、そのための方法論として伊藤美保子先生 長野未来先生にも話題提供していただきました。私からもエピソード記述、TAE、現象学的質的分析に関する方法論を紹介しました。指定討論の西隆太朗先生からは、子どもとの実践が研究の妥当性とも関連するというお話を伺い、改めて実践と研究との深いつながりを感じました。また、司会の濱名潔先生の進行のもと進められた議論の時間には、参加者の先生から、「保育実践をしてきた「私」というものがどのように研究に影響を与えているのか」といったご質問をいただき、実践者としての研究という切り口で考えてみることも必要だと感じました。
今回は、研究者の主観を排除しない観察研究のあり方を提起しましたが、今回にとどまらず、今後もこうしたシンポジウムを開催していきたいと考えています。保育実践者からの研究発信に寄与できるよう、今後も研究を深めてまいりたいと思います。
これまでの研究発表・論文を掲載しています
子ども園や保育園、子育て支援センターなどでのわらべうた実践の記録です
保育記録に関する共同研究の様子です