文学研究科プレFDプログラムは、2023年度より、京都大学大学院 文学研究科が部局内部で実施している、OD・OBを対象としたOJT(On-the-Job Training)型のプレFDプログラムです。
本プログラムは、授業実践と参加者同士の相互研修、実際に担当する授業のデザインや振り返りを通じた自己分析をプログラムの核とした、文学研究科独自のプログラムであると同時に、外部と連携して高等教育の専門家の知見にも触れることができるプログラムです。
文学研究科では、2009年度から京都大学高等教育研究開発推進センターの支援のもと、プレFDを実施してきました。しかし、2022年9月をもってセンターが廃止となるに伴い、2022年前期をもって一旦終了しました。2023年度からは、新しく文学研究科が自部局内で独自にプレFDプログラムを提供しています。
※ 2009年〜2022年度まで、京都大学高等教育研究開発推進センターと文学研究科との連携のもとに行われていた文学研究科プレFDプロジェクトについては こちら をご覧ください。
文学研究科プレFDプログラムは、文学研究科に所属する6つの系(東洋文化学系、西洋文化学系、哲学基礎文化学系、歴史基礎文化学系、行動・環境文化学系、基礎現代文化学系)が実施しているリレー講義「系ゼミナール」を授業実践の場としたOJT型プレFDプログラムです。
プログラム参加者は非常勤講師として、文学研究科が開講する系ゼミナールの授業を1コマ以上担当し、その授業を他の参加者に公開します。担当授業の前後に授業デザインと振り返りワークを行い、授業の直後には参観者と共に行う授業後ミーティングで授業の実施方法について等を検討する場を設けています。
全ての授業が終了した時点で事後研修会を行い、自身の教育活動を振り返り、教授法や教育について議論し合う作業を行います。所定のプログラムを全て修了した参加者には、文学研究科長より修了証が授与されます。
小林敬・藤貫裕・田口真奈「授業実践と自己分析を核とする自主運営型プレFDプログラムの開発」『日本教育工学会研究報告集』2023 年2023 巻 3 号 より
① 事前ミーティング
・初回授業開始前(4月)に、参加者の顔合わせの場として事前ミーティングを設け、プログラムの概要やワークシートの使い方等の説明を行います。
② 担当授業のデザイン、分析・反省
・担当授業前に授業デザインを、授業後に振り返りをワークシートを用いて行います。
・授業当日は、授業後に参観者らとミーティングを行い、授業の実施方法等について検討します。
・また、スタッフが授業の録画を行いますので、後から視聴し、自分の教え方を客観的に見直す作業を行います。受講生によるアンケートも振り返りのために参照します。
③ 参観と授業後ミーティングへの参加
・他の参加者の授業を参観し、授業後のミーティングで意見交換・情報交換を行います。
④ 事後研修会
・年度末にプレFD参加者が一堂に会して、プログラムを通して気づいた点や反省点などを共有し、議論を行います。
上記のプログラムを修了した参加者には、事後研修会にて、京都大学文学研究科長より修了証が授与されます。
※2025年度からの修了要件は以下の3点です。
(1)1回以上、実際の授業を担当し、授業実践を行うこと
(2)他の参加者の授業を参観し、自身の授業分を含めて4回以上の授業後ミーティングに参加すること
(3)事後研修会に参加すること
文学研究科が提供する上記のプログラムに加えて、京都大学 大学院教育支援機構が開講する「教育能力向上コース」が提供するオンデマンド講座を受講することができます。
〈提供講義〉
・「教育デザイン基礎講座」よりオンデマンド講義(「大学教育の概要について」「教育法・教授法について」「評価について」)
・「大学教員になる人のための学生支援論」よりオンデマンド講義
※ 大学院教育支援機構のホームページ(教育能力向上コースのページ)は こちら
田口真奈・出口康夫・京都大学高等教育研究開発推進センター編著、勁草書房、2013年