現代では、デンタルインプラント治療は多くの歯科医療機関で行われるようになりました。
私が歯科医師になった当初は、まだ「インプラントは危険だ」「無責任だ」といった否定的な意見も多く、医療界全体で賛否が分かれていた時代でした。
実際、私の父も歯科医師で口腔外科出身でしたが、インプラント療法には強い拒否感を持っていました。
しかし私は、インプラントという治療を正しく理解するためには、まず学ぶ必要があると考え、知識と経験を積む中で、「術前検査と術後管理をしっかり行えば、有益な治療法である」と確信するに至りました。
一方で、認知症や神経難病などによってセルフケアが困難になった場合のリスクについては、現在も慎重に考えるべき課題です。
以前勤務していた病院では、
インプラント治療後に進行性の神経難病を発症したため、ケアが困難になり摘出が必要となったケース
認知症の進行により意思疎通が困難になり、精神的なストレスが大きく摘出手術に全身麻酔を要したケース
など、治療後に全身状態が大きく変化する患者さんを複数経験しました。
インプラントは「骨と結合する構造」を持っているため、摘出手術は埋入よりも困難になることが多く、診療方針には高度な判断と全身管理が必要になります。
このような現場での経験を経て、「インプラントは本当に良い治療なのか」と、迷いが生じた時期もありました。
しかし、適切な評価・適応の判断・継続的なケアの提供が可能な医療体制がある患者さんであれば、インプラントはとても有効な治療であると今は確信しています。
実際、私自身の口腔内にもインプラントが入っています。
「外れない歯で噛むことができる」という実感は、快適であり、食事の楽しさや表情の自然さといった審美的な側面にも大きく寄与しています。
これらの経験を踏まえて、当院では患者さん一人ひとりの全身状態、生活状況、今後の見通しまでを丁寧に伺い、インプラント治療が本当にふさわしいかどうかを一緒に考えていきます。
「入れるかどうか」だけでなく、「入れたあとも責任を持って対応できるかどうか」。
それが、当院のインプラント治療における基本的なスタンスです。
もし、デンタルインプラントをご検討中であれば、ぜひ一度ご相談ください。
必要な情報と選択肢を、丁寧にお伝えさせていただきます。