はじめに:防災数学とは?
数学は「社会」や「個人」を救う最強の武器だ!
更新日時:2026年5月29日
数学は「社会」や「個人」を救う最強の武器だ!
更新日時:2026年5月29日
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高校までの数学の主題は「与えられた問いをいかに解くか」だと思います.もちろん,与えられた問いに対して,論理的にスマートに美しく答えることができるチカラはとても大切です.そのチカラを身につける意味で数学という学問を通して学ぶことができると考えています.しかし,視点を大きく引いてみてください.世の中の多くの問題は答えのない問題ばかりです.どう解決したら良いのかわからない,そもそも何を持って解決と言えるのか,そんな問いばかりです.
数学を学んでいると多くの人が「これは何の役に立つの?」「なぜ学ぶの?」という問いを抱くかもしれません.純粋に数学を学ぶことが楽しくてもっと知りたいという方はぜひその思いを大事にして突き進んでください.もし,数学を学ぶモチベーションが下がったり,苦手意識を持ってしまった方にはこのページは最適だと思います!数学の真の強みは「与えられた問いをいかに解くか」よりも「答えのない問いへの挑み方やそのヒント」を与えてくれることにあると考えています.
このページでは,数学を学んだ先に何があるのか,自分の学んでいる数式はどういう形で社会に役立っているのか,今後学ぶ数式が未来の形をしている,そんなことがイメージできて,今後の数学を学ぶモチベーションを爆上げして苦手意識は吹っ飛ぶことを期待して作成しました!
数式たちはただの記号の羅列ではない.数式たちは防災している,そして未来の形を表している!
詳細は 【 事例紹介 】 のページへ!
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「天災は忘れた頃にやってくる」︎
これは古くから語り継がれるこの警句です.しかし,現代においてその意味は変わりつつあるように思えます.近年の大規模地震や集中豪雨といった自然災害に加え,感染症の蔓延,サイバーテロ,物流問題,交通問題,さらには年金システムや貧困問題といった社会構造上のリスクに至るまで,現代社会は,「災い」が忘れる間もなく次々と押し寄せてくる時代に突入きたときっと多くの方が感じることかと思います.
「大きな災い,小さな災い,普遍性が光を照らす」︎
このような背景のもと,数学という学問は何ができるでしょうか.上記で指摘した問題たちはいずれも答えが定められていない問題ばかりで,さらに加えて解決の光も差し込んでいない問題ばかりです.数学の武器は「普遍性」です.これらの問題の背後にある現象を記述する数学・数理モデルを構築すること,そしてできあがった数式を調べて得られる「普遍性」.数式の強みは普遍性,実験の効率化,仮説や論理の提供,予測や制御へのヒント,などなどたくさんあります.災害という大きな災いだけを射程に入れるのではなく社会や個人,自身の身の回りに降りかかる多種多様な困難を「災い」として射程にとらえ,数式によって防災の形を模索し,社会や個人に啓発・啓蒙・還元し,QOLを高める未来を創造することを最終目標とする新たな数学の学問領域を我々は『防災数学』と呼んでいます.提唱者である矢崎成俊先生の定義は
防災数学とは広い意味でさまざまな災いを防ぐことを意識し,それに資する数学.
「防災は数学とのコラボのキーワード・共通言語・共通目標」︎
自然現象,社会現象における「なぜ」という疑問に論理的に説明できることを目指し,その表現方法として数学は古くから発展してきました.数学から興味のある現象を知りたいと思ったとき,数理モデルを構築し,それを数学解析や数値シミュレーションを行い,モデルの妥当性を検証し,必要に応じてモデルを修正し,解析し,比較検証することを繰り返すことです.これにより,現象の背後にあるメカニズムを理解したり,想定していない未来を予測することができれば現象理解は大成功と言えることになります.しかし,真の意味で現象を理解しよう,したいと思ったときには数学だけの視点で理解するのは難しいものです.複雑な要因が絡み合う中でどの本質を捉えるためにはその現象を数学だけではなく分野横断(他の学問分野の専門家とチームを組む)する必要が出てきます.いうならば,分野横断による現象の理解が今後のAI社会を生き抜く上で重要となるのではないでしょうか.しかし分野横断は簡単ではありません.もちろん,言葉や定義,文化の違いはあるでしょう.継続の難しさや数理との融合の効果や波及効果を充分に魅せられていないことも理由にあるのかもしれません.そこで「大小さまざまな災い」を防ぐという意味で「防災」を掲げることは多くの分野が集まり議論する上での1つの軸となると考えています.
「防災数学とは分野の橋を渡り,実際に見て聞いて感じて手に触れる数学」︎
紙とペンとパソコン(と必要に応じて WiFi)と本があれば,数学をどこででも学ぶや考えることはできますし,研究することができます.しかし,分野融合・分野横断するときには,数学の問題に落とし込むまでにはやはり実際に現象を目で見て手で触れることも大事です.体験し,実験上のコツや大変さなどを伺う中で分野の違いによる面白さを感じることもできるでしょう.そのような意味で防災数学とは,分野の橋を渡り,実際に見て聞いて感じて手に触れる数学とも言えるかもしれません.
「防災数学とは数学を学んだ出口」︎
多くの人が抱いている問い「これは何の役に立つの?」「なぜ学ぶの?」の答えはここまで読むともはや自明に思えるかもしれません.実際に,事例紹介のページをご覧いただけると,「これまで,もしくはこれから学んでいく数式を積み上げていった先には,防災につながり,毎日をより豊かにハッピーにしている」という精神を感じ取ることができると思います.そのような意味でも防災数学は今学んでいる数学の1つの明確な出口になっているのではないかと考えています.数学とは「答えが存在する世界で,答えを求めるための理論や道具という学問であるとともに,答えのない問いに解決の光を照らすことのできる可能性を大いに秘めている学問」と言えるかもしれません.
防災数学は生まれて間もない学問領域です.数理を軸として,例えば,火災・燃焼問題,粉塵爆発問題,感染症の蔓延防止,避難計画,マイクロデバイスの挙動制御,人工骨の材料設計など,その分野の研究者と協働するという個別の研究テーマの集合体にとどまっており,「黎明期」にある段階です.そこで,体系的に学問として社会に根付かせる「成長期」へと移行すべき重要な局面にあります.中学・高校・大学と学びを続けている中で「何を学んで,どのようなことを身につければ防災数学の最前線に到達できるか?」.この問いに答えるためにこのHPがあるのかもしれません.