いちょう並木© Hachioji City (licensed under CC BY 4.0)
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スケジュール(予定)
第 1 日目(8/28 木)
午前:開会式(9:50 予定)、一般講演(口頭)
(昼:ランチョンセミナー/(株)エービー・サイエックス社ご提供)(BMAS 世話人会)
午後:ポスター討論、シンポジウム1、特別講演
夕刻:懇親会
第 2 日目(8/29金)
午前:シンポジウム2
(昼:ランチョンセミナー/メディフォード(株)社ご提供)
午後:ポスター討論、一般講演(口頭)、シンポジウム3
授賞式・閉会式(16:20 終了予定)
両日とも:機器・カタログ等展示(展示室B・Cにて常設)
■特別講演
演題:「工学×医歯薬学:メディカルデバイスと臓器チップの研究開発」
演者:梶 弘和 先生(東京科学大学 総合研究院 生体材料工学研究所)
概要:治療効果の高い新薬の開発により、従来治療が困難であった疾患の治療が可能になりつつある。薬物治療が困難な疾患に対しても、細胞移植による根本的治療が期待されている。しかし、どちらも実用化への大きな課題の一つとして、薬物あるいは細胞の患部への送達法が挙げられる。本講演では、生体に侵襲性の低いマイクロ・ナノ技術を利用した薬物・細胞送達システムを紹介する。また、動物実験の代替として、ヒトの組織・臓器の構造や機能を再構築した臓器チップや生体模倣システム(MPS)が注目されている。本講演では、MPS技術の基礎と最新の開発動向も紹介する。
■シンポジウム1「バイオ分析が導く医薬革新」
オーガナイザー:東海林 敦(東薬大薬)
演題1:ナノカーボン電極の開発と電気化学センシングへの展開
演者:加藤 大 先生(産業技術総合研究所)
概要:講演者はこれまでにスパッタ法を用いたナノカーボン薄膜の開発と本電極を用いた様々な電気化学分析への展開を検討してきた。本薄膜の電極構造を巧みに制御することで、これまで従来電極では検出が困難であった多様な対象物質(食品中の脂溶性抗酸化物質、極微量の生体物質や環境物質など)に対する高性能なセンシングを達成できた。講演当日は、ナノカーボン薄膜の電極設計と各種電気化学分析法に関する研究成果について紹介する。
演題2:「ヒト直交性酵素」による内在性酵素の影響のない抗原検出法の開発
演者:森 健 先生(九州大学 工学研究院 応用化学部門)
概要:ヒト直交性酵素は、ヒトの体内に同一の活性が存在しない酵素である。我々はこれまでにそのような酵素を複数見出してきた。これらを抗体によって抗原を検出するための増感酵素に用いることで、バックグラウンドを抑えた高感度な抗原の検出が可能である。
演題3:イオンチャネル創薬を革新する人工細胞膜技術の挑戦
演者:中尾 賢治 様(株式会社MAQsys)
概要:新薬の創出においては、標的となるタンパク質に対する作用解析が不可欠であり、高品質な機能分析技術が求められる。臨床承認薬の2割を占める創薬標的「イオンチャネル」の解析に焦点を当て、アカデミア発ベンチャー技術を基盤として、スクリーニング(HTS)への展開を目指す取り組みを紹介する。学術研究から産業化研究への展開ついて触れながら、本講演が技術の活用や掛け合わせを考える契機となることを期待している。
■シンポジウム2「医療や臨床現場に貢献する新技術」
オーガナイザー:加藤 大(昭和医大薬)、柳田 顕郎(東薬大薬)
演題1:ナノワイヤ・ナノファイバによるリキッドバイオプシーの革新
演者:安井 隆雄 先生(東京科学大学 生命理工学院)
概要:ナノワイヤ・ナノファイバ技術を用いて尿中の細胞外小胞やmicroRNAを網羅的に捕捉・解析するリキッドバイオプシーを開発し、脳腫瘍や肺がんの高精度検出、予後予測、転移機序解明への取り組みを発表する。
演題2:LC-MS/MSを用いたステロール類の測定
演者:伊藤 香緒里 様(株式会社ビー・エム・エル 先端医療開発部)
概要:先天性の難病の中には、遺伝子の異常により血中の代謝物が異常を示す疾患があります。原発性の脂質異常症のシトステロール血症や脳腱黄色腫症は先天性疾患として知られ、一部のステロール類が高値を示します。BMLではLC-MS/MSを用いてシトステロールなどのステロール類の検査を実施しており、本講演では家族性高コレステロール血症との鑑別としての臨床的意義や測定法について紹介します。
演題3:コンベンショナルLCで改善できる院内TDM:多品目の薬物血中濃度を迅速定量するための医療従事者向けHPLCシステムの実用化と運用事例
演者:森川 悟 様(株式会社日立ハイテク)
概要:病院の医療従事者が日常業務として取り扱いできる薬物血中濃度定量用のHPLCシステムを開発・上市した。本システムは固相抽出処理を伴うシンプルな逆相HPLC/UV検出装置だが、コンベンショナルLCの利点を突き詰めた結果、約30品目の薬物の迅速定量分析に対応している。本システムを用いた病院内TDMの実施状況や有効活用事例などについて報告する。
■シンポジウム3「突破口を切り開く分析系若手研究者」
オーガナイザー:梶田 遼(第一三共)
演題1:異核ランタニド錯体の設計に基づくプローブの開発
演者:唐島田 龍之介 先生(東北大学大学院 環境科学研究科)
概要:磁気共鳴画像法の造影剤に用いられるGd錯体をはじめとした金属錯体は、中心金属イオンの機能を活かして診断薬や治療薬として用いられる。本発表では、金属イオンの中でもランタニドに着目し、これを複数有する異核ランタニド錯体の設計による多機能化、さらにランタニド間相互作用の発現による高機能化を志向したプローブの設計・開発およびこれらの分離分析法の開発について発表する。
演題2:マイクロバイオ試料観察のためのデバイス開発
演者:栗生 識 先生(東京大学 生産技術研究所)
概要:我々の健康はμmオーダの微生物・細胞に制御され、それらの観察・計測は様々な知見をもたらす。我々は、マイクロサイズのバイオ試料を観察・解析するためのデバイスを開発している。本発表ではこれまでに開発した、Caco-2細胞の接着足場としてのコラーゲン膜をoil上に形成するデバイス、スフェロイドの病理標本作製のための流路デバイス、血中がん細胞の回収・解析のための濾過装置について紹介する。
演題3:3D プリント技術を活用した簡易バイオマーカー検査デバイスの開発
演者:森岡 和大 先生(東京薬科大学 薬学部)
概要:近年,ベッドサイドや居宅など「その場」で行う医療検査のニーズが高まっている。その場で使用する分析デバイスには,優れた感度や精度に加え,携帯性・迅速性・簡便性などの特性も求められるため,実用的なデバイスの実現には高度な開発技術が必要となる。本講演では,演者が取り組んでいる 3D プリント技術を活用したその場分析デバイスの設計・開発や,実際に作製したデバイスを用いるバイオマーカー測定について紹介する。