主体性(agency)を育むメンタルヘルスケア
30名限定!2日間集中ワークショップ
― これまで言葉にできなかったその人の思いを、社会に繋ぐ―
2026年10月27日(火)、10月28日(水)
10時〜16時30分
やどかり情報館(埼玉県さいたま市見沼区染谷1177 - 4)
主体性(agency)を育むメンタルヘルスケア
30名限定!2日間集中ワークショップ
― これまで言葉にできなかったその人の思いを、社会に繋ぐ―
2026年10月27日(火)、10月28日(水)
10時〜16時30分
やどかり情報館(埼玉県さいたま市見沼区染谷1177 - 4)
トラウマや重いメンタルヘルスの課題とは、「自分が自分の行動の主体である」という感覚(agency)が損なわれた状態です。回復は、主体的な人生を取り戻すことにあります。
なぜ今、このワークショップなのか
症状や問題を修正する
↓
深く理解する
↓
その人の小さな声を社会につなぎ、その応答をともに考え、主体性を育てる
メンタルヘルスケアは、長い間「症状や問題を修正すること」を中心に発展してきました。
近年では、支援のあり方にも大きな変化が生まれています。愛着理論やトラウマ研究などを通して、「人は深く理解されることで回復する」という実践が少しずつ広がってきました。私たちは、その歩みを大切に受け継ぎながら、さらにその先にある実践を探究したいと考えています。
人は、理解されるだけではなく、自分の思いや違和感を言葉にし、それを誰かと共有し、相手からの応答を受け取りながら、自分らしい生き方や主体性を育んでいきます。私たちは、「その人の小さな声を家族や学校、職場、地域社会へつなぎ、その応答をともに考えること」を大切にしています。
そのような実践は、特別な技法ではなく、医療・福祉・教育など、さまざまな現場で人を支えるすべての人にとって大切な視点だと考えています。だからこそ、このワークショップでは、参加者一人ひとりが対話を重ねながら、「主体性(agency)を育むメンタルヘルスケア」をともに学び、それぞれの現場で育てていくための第一歩を、ともに踏み出したいと考えています。
本ワークショップは、工藤由佳著「愛着トラウマケアガイド 共感と承認を超えて」金剛出版(2024)のセキュア・ボンディングをもとにしたものです。2024年に出版して以来、どのようにすれば、皆さんに伝えられるかを模索してきました。その間世界では、当事者の人権と尊厳を大事にしたメンタルヘルスケアの重要性が、ますます広がってきました。2026年2月に、元トリエステ・メンタルヘルスセンター長のロベルト・メッツィーナ医師を招いて強制のないメンタルヘルスケアについて学びましたが、それはまさに、セキュア・ボンディングと通じる、主体性を育むメンタルヘルスケアでした。
今回のワークショップでは、まず愛着理論、アタッチメント・スタイル、エピステミックトラストといった、当事者のこれまでの人生を踏まえて、現在の他者や社会との関わり方を肯定的に理解するための理論をじっくり学びます。
また、当事者を信じて安全基地となる支援について、具体的に紹介します。そしてそのような支援を行う中で、支援者の中に湧き上がる葛藤を、”支援者の当事者研究”という形でテーマにし、しっかりと話し合う時間を取る予定です。そのため、当事者研究を生み出した、浦河べてるの家の向谷地生良さんと共に、2日間学びを深める予定です。
現在は、統合失調症などの重いメンタルヘルスの課題を抱える人の理解に関しても、トラウマの視点がかなり重要になってきています。今回は、重いメンタルヘルスの課題を抱える人に対する、セキュア・ボンディングの関わりについても紹介します。これは、イギリスでは広く行われている「精神病に対する認知行動療法」や、そこから発展した「声との対話」も踏まえた内容となっています。
当事者の人権と尊厳を大事にしたメンタルヘルスケアを行うためには、どの職種や立場の支援者も、共通の理解と目標を持って支援に当たることが重要だということが明らかになっています。本ワークショップは、そのような理解と目標を作る場となることも目指しています。ぜひ、皆様と共に知恵や体験を共有できる時間を過ごせれば幸いです。ご参加をお待ちしています。
プログラム
【第1日】2026年10月27日(火)
10:00~10:30 「はじめに」
イントロダクション・自己紹介
10:30~12:00 「当事者を深く理解する 安全基地となるために」
講師:工藤由佳
コメンテーター:新明一星(臨床心理士・公認心理師)、当事者経験を持つ方
ワーク:心の傷に関する対話
愛着理論、トラウマ支援、アタッチメント・スタイル、エピステミック・トラストなど、当事者を理解するための知識を学びます。また、その人を信じ、味方となり、安全基地を提供する支援について、皆で考えます。
12:00~13:00 昼食休憩
13:00~14:30 「その人の声を社会につなぎ、その応答をともに考え、主体性を育む」
講師 工藤由佳
コメンテーター 白鳥浩丈(大学教員・精神保健福祉士)、当事者経験を持つ方
他者の言葉や行動で傷ついたとき、それは本人が繊細だから傷ついたのではなく、他者の言葉や行動が配慮に欠けていたからかもしれません。「私はそれが嫌」「私はこう思う」といったことを他者に伝えるのを援助する方法、他者の応答を検討することで、その人が自分の考えを持って生きるのを支援する方法を学びます。
14:30~15:00 休憩
15:00~16:30 実践における葛藤・困難を探究する「支援者が変わると当事者も変わる」
― 支援者の当事者研究:小グループ ―
ファシリテーター:向谷地生良、工藤由佳
当事者を深く理解し、味方となる支援の中で生じる、困りごとや葛藤を一人一人挙げてみます。「他の支援者から、距離が近すぎると批判される」「同僚と違う意見を持つのは、チームの空気を乱してしまうのではないか」などの葛藤を、小グループで持ち寄り、支援者自身の背景を踏まえて、掘り下げていくための研究計画を立てます。
【第2日】2026年10月28日(水)
10:00~12:00 「声が聞こえることや、他者には理解されにくい体験を理解する」
講師:工藤由佳、向谷地生良
コメンテーター:当事者経験を持つ方
声が聞こえる体験は、その人のトラウマや生きてきた体験が大きく影響していることが分かってきています。
支援者にできることは、その声が存在し、他者には理解されにくい体験をしている世界に飛び込むことです。
その人が聞こえる“声”と、当事者と支援者の3人での“対話”を実践します。実際の場面のビデオ視聴も行う予定です。
ワーク:声が聞こえる人、支援者役のロールプレイ
12:00~13:00 昼食休憩
13:00~14:30 「“声”との対話を深める」
講師:工藤由佳、向谷地生良
コメンテーター:当事者経験を持つ方
“声”との対話をさらに深めます。“声”に対して当事者の思いを伝え、当事者に対して“声”の思いを伝えます。
“声”が聞こえる人との対話をライブで行い、“声”との対話とはどのようなことなのかを肌身で感じていきます。
14:30~15:00 休憩
15:00~16:30 実践における葛藤・困難を探究する
― 支援者の当事者研究:大グループ ―
ファシリテーター:北野祥子、向谷地生良、工藤由佳
2日間の学びと体験を全体で振り返ります。そして実践するとしたら、自分の中のどのようなことが、あるいは自分の所属先のどのようなことが障壁になりそうかを考えてみます。それを皆で共有することによって、その障壁を乗り越える方法について、知恵を出していきます。
※プログラムの詳細は変更の可能性がありますので、予めご了解ください
ぜひご参加ください!
このワークショップの特徴は、メンタルヘルスケアに従事するあらゆる支援者が共通で必要な視座を学ぶことです。メンタルヘルスケアの方向性が、症状をなくすことではなく、その人らしくを支えるリカバリーであるならば、治療を行う人たちも生活を支える人たちも、区別は必要ありません。むしろ、すべての支援者が連帯することにこそ、危機的状況でも地域で当事者を支えることができると、地域精神医療の実践、研究では、わかっています。このワークショップはその連帯を作る試みでもあります。
そのため、本ワークショップは、メンタルヘルスケアに携わる幅広い方を対象としています。看護師、ソーシャルワーカー、心理職、ヘルパー、福祉職、作業療法士、精神科医師、家族、ピアサポーター、研究者、教員など、あらゆる支援職、支援者の方に、ぜひご参加いただきたいです。
特に、次のような思いや問いをお持ちの方におすすめします。
症状や問題への対応だけでは、その人に十分に支援が届いていないと感じることがある
その人の世界を、もっと深く理解したい
本人の尊厳を大切にしながら支援を行いたい
危機的な状況になっても、その人のそばにいて支援を続けたい
その人の味方であり続ける支援のあり方を探究したい
本人の思いや違和感を、家族や学校、職場、地域社会へつなぐ支援を学びたい
支援される人だけでなく、支援する自分自身のあり方も見つめ直したい
一人ひとりの自分らしさを支えるメンタルヘルスケアを探究したい
その人の体験を、愛着理論やトラウマの観点から深く理解する視点
その人を信じて、安全基地となるための具体的な方法
たとえ、他の人には理解しにくい体験であっても、その人の世界に飛び込み、味方となる対話の方法
支援者自身の葛藤を、仲間と探究し続け、成長するためのきっかけ
概要
■日時■
2026年10月27日(火)・28日(水) 10時〜16時30分
■会場■
やどかり情報館(〒337-0026 埼玉県 さいたま市 見沼区 染谷1177-4)
大宮駅東口から【国際興業バス】大81 乗車20分 染谷入口下車徒歩12分、あるいは大宮駅東口から【国際興業バス】大04 向大谷下車徒歩12分
会場は駅から少し離れており、ご足労をおかけします。しかし、やどかり情報館という、長年にわたり地域に根ざした実践が息づく場所で学べることにも、大きな意味があると考えています。
■主催■
青い馬メンタルヘルスセンター準備委員会
■後援■
公益社団法人やどかりの里やどかり研究所
■協力■
社会福祉法人浦河べてるの家
■企画責任者■
工藤由佳
■講師■
社会福祉法人浦河べてるの家
当事者研究推進センター
当事者研究創始者
著書に「技法以前」「べてるの家の当事者研究」「向谷地さん、幻覚妄想って、どうやって聞いたらいいんですか?」いずれも医学書院など多数
「信じる・認める・任せる・そして待つ」
工藤 由佳
(くどう ゆか)
精神科医師 医学博士
英国ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン、慶應義塾大学 精神・神経科学教室にて認識的信頼の研究に従事
著書に「愛着トラウマケアガイド 共感と承認を超えて」金剛出版 2024年
目標は、強制のない、当事者中心のメンタルヘルスケアを日本でも実現させることです。世界中の、同じ目標を持つ人々と共に力を合わせて頑張りたいです。
■運営委員■
強制に頼らないメンタルヘルスを継続していくためには、どんな考え方や取り組みが必要になっていくのか…その様なことを考えていきたいです。よろしくお願いします。
白鳥 浩丈
(しらとり ひろたけ)
高崎健康福祉大学 健康福祉学部 社会福祉学科
本人を離れた外側の視点から理解することを「外在的理解」、その人固有の世界観に沿って理解することを「内在的理解」と呼びます。これまでの精神保健医療福祉における当事者理解は、その多くが外在的なものでした。しかし現在では、幻聴や妄想に対しても内在的に理解しようとする取り組みが始まっています。このアプローチの先に、どのような豊かで新しい地平が広がっていくのか、期待が高まります。
人と人、人と場所を繋ぐ支援を目指しています。ときには揺れながら、一歩ずつ一緒に進んでいきましょう。
三輪 明広
(みわ あきひろ )
神奈川精神医療人権センター 意図的なピアサポート東京勉強会
「セキュア・ボンディング」と「声」について、皆様とともに学びたいと思います。よろしくお願いいたします。
当事者、当事者家族、支援者という立場で、精神的な不調を抱えた方の居場所づくりや自殺防止相談員として日々活動をしています。
誰もが、自分の人生を自分らしく、思うままに生きていける。そんな社会になっていくことを心から願っています。
岡田 久美子
(おかだ くみこ )
さいたま市もくせい家族会
家族会に所属して25年ほどが経過しています。精神疾患・精神障害の回復は人としての尊厳の回復と考えるようになりました。多くの皆さまとつながりながら、人としての尊厳を回復していける地域づくりを目指して、できることに取り組み続けたいと思っています。
大澤 美紀
(おおざわ みき )
公益社団法人やどかりの里 精神保健福祉士
「1人1人が主人公」という活動理念のもと,精神障害のある人
とともに,ごくあたりまえの暮らしが大切にされる社会の実現
を目指して活動しています.自分の人生を選択できること,
自分らしい生き方を見つけること,主体性の回復とともに
生きる力を取り戻していく関わりを大切にしています.
新明 一星
(しんめい いっせい )
2011年より国立精神・神経医療研究センターにて、認知行動療法(CBT)の臨床研究および心理支援に従事。2020年には「TCBTカウンセリングオフィス」を開設。これまで培ってきたCBTの臨床経験を土台としながら、現在はメンタライジングに基づく心理療法(MBT)を中心に、愛着や対人関係の視点も取り入れた心理支援を行っている。
参加受付
■参加受付期間■
2026年8月17日(月)~9月24日(木)
※定員になり次第終了
■対象■
重いメンタルヘルスの課題を抱える人の支援を実践している方、実践したい方、学びたい方
■定員■
30名
■参加費■
一般 18,000円
実践応援価格12,000円(ピアサポーター、ヘルパー、学生) 先着10名
■申込方法■
下記「参加申込フォーム」より、お申込みください。
■支払方法■
申込完了後にご案内する指定の「ゆうちょ口座」へ参加費と弁当代金を合算し送金をしてください。
*お弁当を注文されない方は、参加費のみ送金をしてください。
参加費の確認を持って、申し込み完了となります。今回のワークショップは、30名限定ですので、お早めに送金をお願いできれば幸いです。
■運営事務局・問い合せ■
参加費の徴収は、株式会社klar(クラール)が業務を代行して行っております。
参加登録に関するお問い合わせは下記までお願いいたします。
株式会社klar(クラール)
TEL.027-260-9525
E-mail:conve[a]klar.co.jp
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