白髪神社

全国の白髪神社

 現在存在する白髪神社をネットで探し、25社見つけました。高知県が13社と一番多い県でした。「白髪」と書いて、「しらひげ」と読む神社も6社ほどあるようです。しかしながら、延喜式神明帖に載る神社は、幡羅郡の白髪神社、一社だけです。

白髪神社とされている妻沼の神社を吉田東伍博士は、“(前略)但し文に「白髪明神といひ古へ太我井の森に在りしも後に今の地に遷さる」とあれば、彼の聖天の末社なる白髭(シラヒゲ)明神を異称するにあらずや。(中略)されど妻沼聖天もしくはその末社白髭を白髪に擬する新説はその因由詳ならず。”と、否定されています。


 現在、全国にある白髪神社を調べてみました。25件ほど見つかりましたが、延喜式神明帳に載る白髪神社は武蔵国幡羅郡の白髪神社一社のみです。


 延喜式神名帳に載る全国の神社は、2,861社ありますが、その中で白髪神社は、武蔵国幡羅郡の一社だけです。木簡庫で、「白髪」を検索すると630年頃から784年頃までで47件(1件は白髪の文字なしで46件)と、かなりの数がヒットします。木簡は一次史料といえるものです。

 それより年代がずっと後の一次史料である別府文書(熊谷市史資料編2)は、1204年から1479年迄に42件しかありません。白髪部の御名代が国内の彼方此方に実際に居たことは事実であったと考えられます。

 下表は、奈良文化財研究所の「木簡庫」で、「白髪」を検索し、その結果を引用したものです。


(吉田藤伍博士 白髪部 御名代 井殿大明神 湯殿神社 旅宿問答 湘山星移集 春日若宮 おん祭 祭神)