ばら撒くチャーの詐欺行為を告発する

0. はじめに

個人情報に配慮し、個人名の記述は最低限とした。そのせいで分かりにくい部分もあると思うが、ご承知おきいただきたい。
また、ばら撒くチャー隊にも責任の一端があると考えるが、法人ではないため実態が曖昧で、個人への言及も必要となるため、極力触れない。

以下、ばら撒くチャーECサイト、そこで無償配布されているバクチャー製品、およびその運営者をばら撒くチャーといい、「ばら撒くチャー隊」とは区別する。

RBCコンサルタント株式会社、一般社団法人バクチャー普及研究協議会、アクエス株式会社、およびes株式会社はバクチャー関連事業を営むグループであり、近親者が各社代表を務める。また後述の通り、一般社団法人530運動も、実はグループ近親者が代表を務め、バクチャー関連事業を行っている。以下、これらの法人をまとめてバクチャーグループという。各社の概要については、こちらを参照いただきたい。

ばら撒くチャー休止に伴い、一部ページが削除されるなどしたため、Web魚拓一覧ページを作成した。参考情報も一緒に集めたので、適宜参照されたい。

このページでは、ばら撒くチャーの不適切なプロモーションと関連事項のみ言及する。バクチャーの安全性について興味がある方はこちらを参照されたい。

1.結論

まず最初に結論を述べておく。

ばら撒くチャーは自身を、バクチャーグループ中核法人であるRBCコンサルタントやバクチャー普及研究協議会と関係がない有志のボランティア団体としている。同組織が主張する、利害関係のない善意の第三者が、バクチャーを購入して無償配布しているというストーリーは、バクチャーが大変素晴らしい製品であるという印象を与える。

しかし、ばら撒くチャーはバクチャーグループにより運営されていることが実態であり、第三者を装ってのバクチャーのプロモーションは、支持者、消費者を欺く行為である。

2.ばら撒くチャーはバクチャーグループが運営している

ばら撒くチャーは、一般社団法人530運動が運営している

特定商取引法は、ECサイトの事業者名などを表示することを義務づけている。
ばら撒くチャーの「特定商取引法に基づく表記」を見ると、責任者は細川卓哉氏である。Facebookプロフィールによると、同氏は合同会社仙水の取締役であり、バクチャー普及研究協議会のHPによると、同社はバクチャーの販売先である。この時点でばら撒くチャー及びばら撒くチャー隊とバクチャーグループは無関係とは言えないだろう。

次に、同表記の販売業者を見ると、一般社団法人530運動 以下530運動」という。)となっており、ばら撒くチャーは、同法人のドメイン(530-world.com)のメールアドレスを利用している。
なお、同表記で所在地は、東京都渋谷区渋谷2丁目22-7となっているが、これは同所に所在する電話代行業者の住所のようで、530運動の住所ではない。電話番号についても同様のようである。製品の発送は岡山県津山市にあるヤマト運輸の津山河辺センターから行われる

一般社団法人530運動はバクチャーグループである

では、530運動とは何であろうか?HPによると、530運動は、岡山県津山市にあるごみ拾いを主目的、主活動とする一般社団法人である。詳しい情報はネット上には特に見当たらなかったが、HPの写真やSNSを見るとバクチャーグループやその関係者が関わっているようである。

登記簿を調べてみると、杉山孔太氏が代表理事を務めていることが分かった。同氏は、バクチャー開発者(RBCコンサルタント及びアクエス株式会社の代表取締役でもある。)の息子であり、バクチャー普及研究協議会理事長の兄である。また、RBCコンサルタントの関連会社であるes株式会社の代表取締役を務めており、少なくとも2017年4月頃は、RBCコンサルタントの専務であった。

登記簿の目的欄を見ると、2020年3月3日にバクチャーによる美化事業が追加されており(ばら撒くチャーは2020年3月18日オープン。)、バクチャー普及研究協議会のHPにも、バクチャーの主要販売先であると明記されている。

所在地は岡山県津山市高野山西478番地3 であり、ここにすべてのバクチャーグループ法人が所在する。

以上から、ばら撒くチャーの実態である530運動は、バクチャーグループの一員であり、ばら撒くチャーの主張に反して、RBCコンサルタントやバクチャー普及研究協議会とは強固な関係がある。

以下に補足事項を列記するが、読み飛ばしていただいても問題ない。

補足(読み飛ばし可)

  • 少なくとも、2015年8月11日から2019年7月26日までは、530運動HP上で杉山孔太氏が代表であることを公表していたことが分かった。しかしその後、なぜか代表者名は表示されなくなった。なお、530運動の目的にバクチャー事業が追加されたのは、2020年3月3日であり、ばら撒くチャーECサイトがオープンしたのは、2020年3月18日である。

  • クラウドファンディングのプロフィールに、杉山孔太氏が530運動の代表であると記述がある。

  • ばら撒くチャーのその他出品商品
    ばら撒くチャーECサイトでは、バクチャーを無償配布しているだけでなく、バクチャーや関連商品の有償販売も行っている。
    ばら撒くチャー休止前は、バクチャーのロゴシールやフェイスタオル、ついにはクラウドファンディング・リターン品を販売していた。
    特に「映画スポンサー」という商品が存在したが、購入すると、バクチャー普及研究協議会の公式HPや公式SNSや映画のエンドロールに名前が掲載される。これは、法人は別となっていても、530運動を含めたバクチャーグループが一体となって(というよりもごっちゃになって)事業を行っていることを示唆している。

  • RBCコンサルタントHPのWeb魚拓から、2017年に530運動のバナーリンクが張られていたことが分かった。

  • 530運動HP上にある参加規約の所在地
    530運動のHP上にある参加規約を見ると、登記簿とは違い、岡山県津山市平福211-5 が所在地となっている。es株式会社の登記情報によると、平成29年2月21日まで同社はこの地に所在していた。

  • ポエム入りポストカード
    es株式会社の登記簿によると、同社は平成27年12月2日以前幸人遊名株式会社 という名称だった。es株式会社は、バクチャー関連事業を営む会社であるが、幸人遊名株式会社時代は、グループ近親者の作家による名前入りポエムを販売する会社だった。ばら撒くチャーに申し込むと、同作家のポエム入りポストカードがバクチャーに同封されて届く。

  • es株式会社のECサイト
    es株式会社もECサイトを運営しているが、ばら撒くチャーECサイトと同じプラットフォームを用い、デザインも似ている。

  • RBCコンサルタント、バクチャー普及研究協議会、及びアクエス株式会社が運営するアイドールのドメインの管理者のメールアドレスは全て、es株式会社のメールアドレスになっている。

3.ばら撒くチャーは寄付によって成り立っているのか?

以上から、530運動がばら撒くチャーを運営しているのだが、「その資金は本当に第三者の寄付によって賄っている」という反論があるかもしれない。
これは私自身、大変興味のある部分であるのだが、ひとまず以下事項を考察してみたい。

寄付金を上回る注文があったらどうするのか?

ばら撒くチャー隊 facebookグループのメンバー数はなんと18,843人 (2020年10月5日時点)である。メンバーはバクチャーおよびばら撒くチャーの積極的な支持者であると考えられ、この数値はばら撒くチャーの購買者および購買潜在層の数と考えられる。

ばら撒くチャーは、月1,111円(税込)のサブスクリプションとなっている。
一方、追加購入用としてバクチャーの通常販売も行っており、その額33,333円(税込)である。別記事にまとめた通り、この額は、バクチャーグループ以外の小売業者にも共通の公平な卸売価格と考えられる。ばら撒くチャーは慈善団体のため、特別に仕入れ価格が大幅にディスカウントされている可能性を考えると、バクチャーグループ以外の小売業者に対して不公平であるし、ばら撒くチャーは通常販売により暴利を貪っていることになってしまう。

よって、仕入れ価格は33,333円とし、販売価格1,111円との差から、ばら撒くチャーひとつ当たり、寄付金で賄うべき額は、32,222円となる。
仮に、メンバー全員が購入したとすると、寄付によって賄うべき額は月当たり6億円を超える。
メンバー数からするとかなり少ない100人と仮定しても、月およそ300万円以上かかる。
なお、ばら撒くチャーを5月中旬に発送する際に投稿された写真を見ると、写っているだけでも120箱以上ある。上旬、中旬、下旬でそれぞれ120箱ずつ発送していると仮定すると、月当たりの負担額はおよそ1,160万円となる。

よって、寄付で成り立っているとは考えがたい。

ばら撒くチャーはなぜ1,111円か?

寄付で成り立っていないとすれば、何で成り立っているのか?
それは、バクチャーの安い製造原価である。
530運動を含めたバクチャーグループ全体の利益を考える際、仕入れ価格は意味を持たない。高く仕入れていようと、安く仕入れていようと、無料で仕入れていようと、バクチャーグループ同士の取引である以上、関係ない。重要なのは、製造原価である。

ばら撒くチャーは、サブスクリプション料金について、「1,111円は、商品代金ではありません。送料・梱包・運営事務手数料 です。」としている。しかし、製品は上限発送料167円(税込)のクロネコDM便で配送されており、梱包も普通であり、商品代金が無料であることを考えると、明らかに高すぎる。

なぜこんなにも高いのか?
それは、1,111円であれば、安い製造原価により利益を得られるからだ。

なぜそう言えるのか?
それは、バクチャーがただの土だからである。

4.ばら撒くチャーは金のなる木

バクチャーの製造原価は安い

バクチャーの特許文書(当該特許は2013年に期限切れ)によると、バクチャーの原料及び製造コストはかなり低い。その手軽さを誇っている節すらある。どこでもよいので火山礫と黒土を採取して鍋に入れ、硫酸銅溶液で煮込むだけでバクチャーが出来上がる。火山礫と黒土の割合は割とどうでもよいとのこと。(RBCコンサルタントのプレスリリースによると、さらに炭素も添加されており、成分分析表を見ると、7.54%の炭素が含まれていることが分かる。)

原料の"小売"価格で見積もったところ、ばら撒くチャー1袋(600g)の原材料費は、17円以下に抑えられることが分かった。(詳細はこちら

バクチャーグループはバクチャーの原料を中国山地で採取しているとし(小売業者やテレビなどでは岡山県と明記あり。)、グループ所在地も中国山地である。原料の産地はどこでもよいということから、可能な限り近場で採取していると考えるのが自然であり、運搬コストもそれほどかからないはずだ。

以上から、バクチャーの製造原価はかなり低い。

ばら撒くチャーの利益

ここで、ばら撒くチャーの売上高と利益について見積もってみよう。
ばら撒くチャー隊のメンバー全員がサブスクリプションを行うとすると、月の売り上げは約2,000万円となり、年の売り上げは2.5億円にものぼる。

つづいて、ばら撒くチャーの利益についても考察してみよう。ここでいう利益とはバクチャーグループ全体の利益である。製造原価や送料、梱包、ECサイト運営費は安いため、利益はひとつ当たり500円としよう。
すると、月の利益は約940万円となり、年当たり1.1億円となる。もし寄付金が本当にあるのであれば、ここにその額が加わる。

ばら撒くチャーはエコ商法のイノベーション

ところで、バクチャーの定価は非常に高い。しかし、非常に高い定価と安いサブスクリプション料金というのもミソなのではないだろうか。この対比により、サブスクリプション費用が非常に安価に思え、とにかく試しに購入してみようという気にさせられる。
一方で、地方公共団体や法人など購買力のある顧客には高い定価で販売することができるという、価格の二重性がある。

このプロモーション手法及び価格の二重性は、エコ商法における新しいビジネスモデルの創造ではないだろうか。

5.結びに

環境事業、慈善事業、善意、寄付、ボランティアといったものは善いことである。また、一般社団法人には収益を生まない善良なイメージがある。(実際は、余剰利益の分配ができないだけで、収益性のある事業を行うことができるし、法人解散時は余剰利益を分配できる。)その一般的なイメージを逆手に取った、ばら撒くチャー=530運動=バクチャーグループの行為は卑劣である。特に以下理由から、530運動が積極的に隠れ蓑として利用されたという印象を受けた。

  • 530運動が、ごみ拾いを主目的とする一般社団法人であること

  • ばら撒くチャー開始前に、代表者氏名の公表を止めたこと

  • es株式会社が同様のECサイトをすでに持っているにも関わらず、新規にばら撒くチャーECサイトを作成したこと

ばら撒くチャーによる詐欺的プロモーション行為の被害を少しでも防ぎたい。また、バクチャーグループには、このような行為は直ちに辞めていただきたい。その思いでこのページを作成した。バクチャー、ばら撒くチャーに興味のある方の目にできるだけ多く止まり、被害、加害行為の抑止力になれば幸いである。