バクチャーグループ公式発表の原材料費は、バクチャー30 gあたり150円である。
よって、5,500円で販売されているバクチャー60 gの原材料費は300円となる。小売価格からするととんでもなく安い。しかし、実際はもっと安いと考えられる。
バクチャー原料をネットで検索したところ、以下の価格で小売販売されている。探せばより安い商品は簡単に見つかるだろう。
黒土 1,000 L(1,500 kg) 2,800円
火山礫 1,000 L(1,500 kg) 2,300円
硫酸銅 500 g 2,310円
備長炭 10 kg 2,100円
なお、バクチャーには炭素が添加されているとだけ公表されているが、以下の理由により、備長炭由来と仮定した。
バクチャーソイルに備長炭が添加されているため、規模の経済性が期待できるため。
備長炭は一種のブランドで普通の木炭より高い。実際は備長炭を使用しているのに、普通の木炭で計算した場合、バクチャーグループにとって不当に不利な値となってしまうため。
汚れの吸着能力でいえば活性炭の方が上だが、バクチャーグループが、バクチャーは微生物を活性化すると広告宣伝しており、吸着剤は一時的な効果しかないと否定的であり、活性炭は不要と広告宣伝していたため、活性炭は選択しなかった。
バクチャーの酸化処理は、水10 Lに硫酸銅45〜70 gを溶解させた硫酸銅溶液を、適宜割合の火山礫と黒土との混合物に容量比で1.5〜2.0倍程度加えて行う。
原材料費がいくら以下であるか見積もることが目的なので、数値が高くなるよう、水10 L、硫酸銅70 g、黒土20 L(30 kg)、火山礫0 Lを使い、炭素添加前バクチャー30 kgが生成されるとして計算する。すると、炭素添加前バクチャーの原材料費は、1 kgあたり約13円となる。
バクチャー成分分析表によると、炭素は7.54%含まれている。備長炭の炭素量は、一般社団法人全国燃料協会により90%以上と定められているので、バクチャーへの備長炭の添加量は8%とする。なお、炭素添加前バクチャーより備長炭の方が高いので、火山礫や黒土には炭素が全く存在しないと仮定している。
すると、原材料費は、バクチャー1 kgあたり28円となる。
よって、バクチャー60 gの原材料費は約1.7円。ばら撒くチャー(バクチャー600 g)は約17円である。
これはあくまで、原料の小売価格から計算した結果であって、卸売価格で仕入れればさらに安くなる。また、先述の通り、より安い小売価格が存在する可能性は大いにあるので、企業努力により、さらなるコストダウンは十分可能である。