STORY

瀬戸内の町医者で看護師として働いている 蒼野 空 (32) は、趣味の鮎釣りの為に働いているような独身女。毎年、鮎釣りシーズンになると、貯めておいた有給休暇を使って、一人で高知県の川へ鮎釣りに行く。ルームシェアしている後輩看護師、 水木 遥 (26) に呆れられる。

今年のもまた鮎釣りが始まった。少しばかり上達した空は、地元の新聞記者と出会う。鮎釣り取材で川に来ていたのは 旗野 正道 (63) 。彼には戦場カメラマンの経歴があり、ある秘密を持っている。更に、鮎釣り師でもある旗野の持つ鮎竿は妖竿の因縁があり、必ず「入れ掛かり」という爆釣をできるが、使った者は悲運に見舞われるという。本当なのか・・・。

そしてもう一人、 岬 剛士 (31) という俄カメラマンにも出会う。彼は、病床の恋人のために彼女がみたいという美しい川の写真を撮りにきていた。旅は道連れ鮎釣りは情け?とばかりに三人は意気投合して、共に、民宿いごっそう荘を拠点として、それぞれのミッション遂行に取り組みながら親睦を深める。ところが、志半ばで、岬の恋人、 岡 宙子 (32) の病状が悪化する。難病、再生不良性貧血はもはや骨髄移植が必要とされていた。骨髄移植のドナーのみつかる確率は数十万分の1・・・。

鮎の釣れる美しい川と自然に囲まれた民宿いごっそう荘で繰り広げられる、鮎の友釣りがでてくるお話。そこには鮎だけじゃない、人々の不思議な繋がり、出逢い、ハプニングが待ち受けている。「一生、楽しく過ごしたいなら釣を覚えたらいい」を信じる空、謎のカメラマン鮎釣り師旗野、そして岬と恋人の宙・・・。虹色の鮎竿が友釣りで虹のように曲がるのか?それぞれの過ごす日常の空にも虹はかかるのか・・・そして心に「幸せの虹」はかかるのか。

みんなが希望の持てる日常でありますようにとの願いを込めて送ります