数学教育学 / 数学才能教育 / 幾何学 / 教育工学 / 科学教育学



田村研究室

岩手県立大学 ソフトウェア情報学部 データ・数理科学コース


2020年4月,栄光学園中学校・高等学校(神奈川県鎌倉市)から

岩手県立大学ソフトウェア情報学部へ転じました

岩手県立大学 ソフトウェア情報学部 田村研究室では,


  数学(情報)教育に対するソフトウェア情報学の活用

  数学(情報)教育に対する教育工学の活用

  ・生徒が本質的な理解を得るために,いかにICTに活用していくか

  ・情報教育の基礎としての論理教育を,いかに開発していくか  


等について研究を行っていきます。  


私はこれまで,数学教育,数学才能教育の分野で


  ・数学的思考・表現等の能力,数学に対する態度の特徴と数学的能力・才能の程度の関係

  ・数学的能力・才能の程度の判別

  ・数学的能力・才能の高い生徒についての事例研究

  ・数学オリンピック予選の合否をわける数学的能力の特徴

  ・生徒の才能伸長を図る教材

  ・生徒の論理的思考の伸長を図る教材

  ・学習における生徒間の相互作用

  ・質問紙・テストの信頼性・妥当性の検証

  ・知能と創造性の関係


などについて研究してきました(詳細は,岩手県立大学 研究者総覧 をご覧ください )。

私自身は,これらの研究の一部を継続しつつ,数学(情報)教育に対するソフトウェア情報学の活用に付加価値を与えていきたいと考えています。

研究室で,何を学び,何が学べるのか

研究室では,何が求められるのか

企業では,消費者からの意見・感想を収集することがよくあります。

消費者が抱いている不満を改善すれば,利益につながることが多いからでしょう。

消費者が「不便だな」,「使いにくいな」と感じていることを改善すれば,その商品は売れるようになるはずです。

消費者が困っていることを解決できれば,利益になっていくわけです。


教育は営利活動ではありませんが,

生徒が「困ったな」,「難しいな」と感じているところを改善する教材や教育システムが開発できれば,その生徒の理解はより進むはずです。

生徒(あるいは先生)が困っていることを解決することは,生徒の知力向上の方略の1つです。


研究室では,上で述べたことを踏まえ(つまり,生徒や教育現場の声を踏まえ),さらに学部の特性を生かして


  ・生徒が本質的な理解を得るために,いかにICTに活用していくか

  ・情報教育の基礎としての論理教育を,いかに開発していくか


等について研究を進めていきたいと考えています。


学部3・4年生の2年間は,主に実践研究になっていくと思いますが,修士課程に進学することを希望する場合は,実践研究の継続でも構いませんし,基礎研究を行っても構いません。


研究室では,学生のみなさんと具体的・効果的な教育システムの開発を一緒に行っていければと思います。

ただ,研究は,始めればすぐに結果が出るというものではありません。コツコツと地道な努力を続けることが必要です。

研究室におけるゼミでは


  知る(教科書を読む)

  わかる(教わる)

  行う(演習する)

  できる(議論する)

  教える


というステップを踏む必要があります。(  )内は,ステップ踏む際の行動例です。

われわれは,本質的な理解を目指し,とくに,試行錯誤すること,議論することが必要です。

研究室では,当該分野における「本質的な理解・本当の理解」が得られると思っていますし,そのためのサポートをしていきます。

本学は実学を重視していますが,本来,大学とは頭の使い方を学ぶ場でもあるはずです。数学(情報)教育研究を通していろいろな頭の使い方も学んでいきます。


※ 新型コロナウィルスに対して,教育現場においても新しい方法が必要とされています。

現代社会では,教育現場に限らず,数学を応用する力やその基礎学力を有する人物が求められています。

 研究室運営においては,これらの社会的要請に応えることを念頭においています。

研究室で学ぶもう1つのこと

いまから100年ほど前,アインシュタインが相対性理論を発表したとき,世界中で理解できるのは5人しかいなかった,という逸話があるそうです。

5人いたからよかった!

もしも,理解できる人がアインシュタインただ1人だったとしたら,…

相対論は,この世に存在しないも同じです。

科学的な真理は,2人以上の理解がなければ存在しえないのです。

私が何を言いたいのか。

もしも,みなさんが数学的・科学的発見をしたとしても,あるいは新たな技術を開発したとしても,

人に理解してもらえなければ,それはこの世に存在できないのです。

人に理解してもらう,人に納得してもらう,人に理解させる,人を納得させる

これらを実行するとき,われわれには論理が必要です。

論理を用いて,人を納得させ,理解してもらうのです。

論理を手中に収めなければ,私たちは自分の考えを人に理解してもらうことができません。


数学は科学の言葉であり,論理は数学の文法です。

また,論理は理解における飛翔の道具でもあります。

研究室では,3・4年次を通して論理的思考力の修得も目指していきます。