研究

宇宙史を通じた星・惑星誕生過程の解明に
理論と観測の両面から取り組んでいます

大質量星形成におけるフィードバック

宇宙には太陽の数百倍も重たい星が存在します。大質量星は強烈な輻射フィードバックの中でどのように誕生するのでしょうか?理論[Tanaka et al. 2017等]と観測[Zhang, Tanaka et al. 2019等] により、大質量星形成過程の解明を目指しています。

Hot Disk 化学・ダスト

最新のALMA高分解能観測から大質量原始星円盤は非常に高温で、難揮発性物質であるケイ素化合物や塩化ナトリウムが気体として検出されることが分かってきました[Tanaka et al. 2020等]。このような"熱い円盤"の観測は、冷たい原始惑星系円盤の観測だけでは解明が難しい岩石ダスト合体成長や隕石中高温凝縮物起源に新たな知見を与える鍵となります[Yamamuro, Tanaka, & Okuzumi 2023等]

低金属量星形成

138億年の宇宙史を通じて星や惑星が生まれる銀河環境は大きく変化しています。金属量欠乏環境であった初期宇宙における星形成はどのようなプロセスなのでしょうか?星形成過程の普遍性/多様性を理解するため、理論[Tanaka et al. 2018等]と観測[Shimonishi, Tanaka et al. 2023等]から低金属量星形成の研究を進めています。

模擬観測モデル

天体観測データから3次元構造や運動を理解するためには理論モデルを用いた解析が不可欠です。また理論モデルも実際に宇宙で起こっている現象と比較検証し、精度を高めてゆく必要があります。理論と観測を繋ぐ鍵として、輻射輸送計算を用いた模擬観測モデルの構築を進めています[Tanaka et al. 2016等]。