Branding
Branding
ブランディングとは?アートディレクターの視点で目的や考え方を分かりやすく解説いたします。
ブランディングとは、「ブランドの世界観を広く浸透させる行為」になります。そのブランドにすでにある価値を見出したり、時代が求める新たな価値を創造したりしながら、独自の「個性」、作り手の「想い」を表出させます。また、ブランドの存在価値に共感が集まり「人気が定着していく過程の状態」ともいえます。
ブランディングの理想は、ブランドが「認知されること」「愛されること」「必要とされること」という三つが合わさる状態なのです。
ブランディングにゴールは存在しません。
なぜなら、時代と共に世の中の人々の意識が変化するので、ブランドにも変化が求められるからです。「ブランディングが完了した」という事は無く、ブランドが存在する以上、段階的に継続する事柄なのです。
効果は、価値の表出と認知の拡大です。
わかりやすく言うなら「求めている人へ見つかるようにして、きちんと届くようにする」ということです。ブランドの商品やサービスを必要としている人が、それを見つけやすくて買いやすい状態へ持っていくことがブランディングには重要な要素になります。
ブランドが世の中にあまり浸透していない初期の段階では、「ブランディング効果がうすい状態」と言え、多くの人々に認知されている場合は「ブランディングの効果が高い状態」と言えます。
ブランディングはブランドの世界観を人々に広く浸透させる行為。理想はブランドが認知され・愛され・必要とされるという三つが合わさる状態になること。求めている人へ見つかるようにして、きちんと届くようにすることが必要で、多くの人に認知されていればブランディング効果が高いと言える。
1, 名前をつけない
名前をつけなければ、誰にも呼ばれず見つかりません。当然ですが「名前」が必要です。
2,統一性がない
基本の統一されたデザイン、一環した世界観がなければブランドの認知は停滞してまいます。なぜなら雑然としたデザインでは、たとえ同じ名前のブランドでも本物なのかが不明瞭で偽物感が出てしまうからです。色合い・字体・統一感のあるデザインだからこそ「ブランド」として認知されるのです。
3,中傷的である
何かや誰かを強く批判したり傷つけるようなブランドは、人々から愛され続けることはありません。人は元来、攻撃や批判に対して不快に感じたり嫌悪することが多いのです。傷つく存在がいるのであればブランドが多くに人々に愛され続けることはないでしょう。
4,不誠実である
ブランドとして顧客に対して誠実であることが求められます。宣伝されていたサービスとは違ったり、商品が理由もなく手元に届かないといった誠実さの欠如は、せっかく良い商品だとしてもがっかり感を与え悪い印象が広がってしまうからです。
5,責任を果たさない
顧客の情報漏洩や、不祥事などの際に、そのブランドに「傷がつく」という言い方があります。管理体制を整えて法令遵守を行っていたとしても問題や課題はつきものです。大切な事は、問題が起きた際のブランド側の姿勢です。認知が広がっているブランドであればその影響力は大きく、きちんと責任を果たす姿勢があるのかが問われ、その後の人気を左右します。
ブランディングの目的は「ブランドが広く愛されるようにすること」です。ブランドが、人々に「認知され、愛され、必要とされる」ときブランディングはその役目を果たせていることになります。
ブランドが人との接点で関心を持ってもらう為の働きかけが重要です。多くの人に関心を持ってもらう為には、多くの人の目に触れる場所で、相手の心へ刺さり響かせたいところです。ブランドの顔となる商品の印象に「関心」を持ってもらい、五感を通じて「感じてもらい」「認知」してもらえるようにしましょう。
ブランドが愛される、という事は「お客さんが喜んだ証」となります。ブランドの商品やサービスが、相手の役に立ったり、安心感や満足感を与えたりと「前向きな感情」を生み出した結果が「愛される」事を引き起こします。まずは商品やサービスなどの体験を通じて「喜び」を与え続けましょう。
一度きりでなく、使い続けてもらえるようになれば、ブランドが商品を通じて「満足感」を人々に与えられたということです。それは信頼を得ている状態ともいえるでしょう。一度得た信頼を守り続ける為に、ブランドコンセプトには「誠実」であり続けなければなりません。
ブランディングの目的は"ブランドが広く愛されるようにすること"。その為に"関心・喜び・満足感"を与え、ブランドコンセプトには誠実であり続けましょう。
ブランドはどのように作られていくのか?
ブランドには必ず「作り手」が存在します。(※作家、デザイナー、創業者、画家、クリエイター、アーティストなど)
その作り手の「思い」やストーリーがブランドコンセプトとなり、そのコンセプトに共感が集まり、”強み”として認識され発展していくのです。ではブランドを作るには?
主なブランディングの方法は以下の二つです。
(1) 自分自身がブランドになる
(2) 商品やサービスをブランドにする
(1) 自分自身がブランドになる場合
「自分自身」を活かすことです。
自分自身が持って生まれた「個性」や「特性」「特技や趣味」を活かし、人生の役目を果たす気持ちで生きることが重要です。逆説的ですが、人々に愛されようとするとブランディングは叶いません。ブレない自分軸で生き、個性を活かすことがセルフブランディングに必要となります。
人生そのものがブランドになった先人達は、こだわりが強い印象を周囲にもたれていますが、ブレない精神が強烈な個性を放ち、自身が感じていたであろう生きづらさも苦しみも「深み」や「味わい」となり、人々の関心や共感を強く惹きつけることに繋がるのです。
例:「ココ・シャネル」「岡本太郎」「チャールズ・チャップリン」「マザー・テレサ」など。
(2) 商品やサービスをブランドにする場合
コンセプトを軸に発展させていくことです。
先述した通り「作り手の思い」や「ストーリー」がブランドの軸になります。その軸を中心点とし、目的や目標を作りターゲットをペルソナ化(具体的に存在しうる人物として仮定し想定すること)し、発展させます。作り手の思いはできるだけ忠実に周囲と共有していきます。関わる人々の感覚や認識と調和させることも求められるでしょう。
自分自身がブランドになる場合は「自分軸」でのセルフブランディングが必要。商品やサービスをブランドにする場合は「作り手の思い」を軸に発展させること。
まずは作り手の「想い」や「ストーリー」が欠かせません。ここからコンセプトが生まれます。そしてこれが核となりデザインや販売方法へと発展します。
当然ですが商品 、またはサービスが必要になります。現代では物質的な商品だけでなく、体験自体が商品になっていることも増えています。
商品名を決め、認知してもらえるようコンセプト(ブランド概念)に沿ったデザインを作り、統一性のある世界観でデザインしていきます。字体や色合いを決定し、ロゴマークや商品の見せ方の決まりごとも作ります。グラフィックデザイナーやWebデザイナーにもブランドの世界観がきちんと伝わるように、VI (ヴィジュアルアイデンティティ)を作成し、広告に関わる人々が統一した世界観を発信できるようブランドを守る仕組みが重要になってきます。
[ ブランド デザイン ]
・名前
・字体
・色味
・ロゴマーク
・キャッチコピー
・説明文
・サウンドロゴ
・CM / 動画
・キャラクター
・アイコン
現代の主流はWebやSNSが中心です。
個人が気軽に発信できるため、撮影から発信までを素早く行うことができる上に、顧客の反応を直接感じられるので、顧客満足度の向上にも活用することが可能です。
顧客がいなければブランドは成立しません。お客さんが体験を通じて、商品やサービスに喜びを感じてもらい、必要と感じ、使い続けてもらうことが必要です。
ブランディングの本質は「作り手の想い」とその「ストーリー」にどれだけの「共感」が集まるかどうか、に尽きます。ブランド事業の課題点として多い内容は「商品が今ひとつ売れない」「世の中に浸透していかない」「名前が広まらない」などではないでしょうか。
世の中から「多くの共感」を得るためには、ブランディングは欠かせません。圧倒的な個性で存在感を放っていく為に「作り手の想い」に共感を集め、お客さんの喜びを拡散していく地道な作業が大切になります。その商品やサービスを必要とする人へきちんと届けること、つまり想いをつなげることがブランディングの本質なのです。
人々がセルフブランディングを叶えるときに「個性と才能」や「症状と障害」の垣根が曖昧になる瞬間が見られるかもしれません。名を残した数々のアーティスト達は、世間で言われる「精神疾患」や現代で言う「発達障害」に苦労した記述や伝記が残されていることが少なくないのです。
人類が物事を多角的に捉えることを当たり前とし、善や悪で判断せずに、違いを認め合える状態になったとき「個性や障害」は裏表でなく同一とし、ぶれない個人の強みとして認知される時代の幕開けとなることでしょう。
お客さんへ関心を抱かせるためのアプローチ (しかけ作り) は様々な手法がありますが、それすらもブランドを表す「表現」になりうることを忘れてはいけません。ブランドの振る舞いが人々の意識にきちんとそのものとして認識され、広告する手法すらもブランドの一部であるからです。
いま一人一人が個人としてブランドになり発信していく時代になりました。ブランディングについての理解が広まり「セルフブランディング」が個人で実践できれば、人間の中に眠る「個性」や「特性」が前向きに活かされ、いろどり鮮やかな世の中になるのではないかと期待せずにはいられません。
長い記事を読んでいただきありがとうございます。ブランディングについての理解にお役に立てれば本望です。
(本記事の無断転載はご遠慮ください。)
wakaba