Branding

ブランディングとは?アートディレクターの視点で目的や考え方を分かりやすく解説いたします。

ブランディング -Brandign-

ブランディングとは?

[1] ブランディングの定義

ブランディングとは、「ブランドの世界観を人々に広く浸透させる行為」になります。そのブランドすでにある価値を見出したり新たな価値を創造したりしながら、独自の「個性」、作り手の「想い」を表出させます。また、ブランドの存在価値に共感が集まり人気が定着していく過程の状態」ともいえます

ブランディングの理想はブランド「認知されること」「愛されること」「必要とされることという三つが合わさる状態なのです

[2] ゴールはあるのか?

ブランディングにゴールは存在しません。
なぜなら、時代と共に世の中の人々の意識変化するので、ブランドにも変化が求められるからです。「ブランディングが完了した」という事は無くブランドが存在する以上段階的に継続する事柄なのです。

ゴールへ向かう

[3] ブランディングの効果は何?

効果や成果がイコール対価とは限りません。ブランディングの段階によって効果または成果は変わってきます。ブランドが世の中にあまり浸透していない初期の段階は「効果がまだうすい状態」と言え、反対にブランドとして多くの人々に認知されている場合は「ブランディングの効果が高い」と言えます。

まとめやポイント

ブランディングはブランドの世界観を人々に広く浸透させる行為。理想はブランドが認知され・愛され・必要とされるという三つが合わさる状態になること

ブランディングの目的

ブランディングの目的は「ブランドが広く愛されるようにすること」です。ブランドが、人々に「認知され愛され必要とされる」ときブランディングはその役目を果たせていることになります。

1. 「認知される」とは関心を得ることに成功した結果

ブランドが人との接点で関心を持ってもらう為の働きかけが重要です。多くの人に関心を持ってもらう為には、多くの人の目に触れる場所で、相手の心へ刺さり響かせたいところです。ブランドの顔となる商品の印象に「関心」を持ってもらい、五感を通じて「感じてもらい」認知してもらえるようにしましょう。

2.「愛される」とは喜びを与えた証

ブランド愛される、という事は「お客さんが喜んだ」証となります。ブランドの商品やサービスが、相手の役に立ったり、安心感や満足感を与えたりと「前向きな感情」を生み出した結果が「愛される」事を引き起こします。まずは商品やサービスなどの体験を通じて「喜び」を与え続けましょう。

3. 「使い続けてもらう」とは満足や信頼を得ている状態

一度きりでなく、使い続けてもらえるようになれば、ブランドが商品を通じて満足感」を人々に与えられたということです。それは信頼を得ている状態ともいえるでしょう。一度得た信頼を守り続ける為に、ブランドコンセプトには「誠実」であり続けなければなりません。

まとめやポイント

ブランディングの目的は"ブランドが広く愛されるようにすること"。その為に"関心・喜び・満足感"を与え、ブランドコンセプトには誠実であり続けましょう。

ブランディングの方法

では、ブランディングをどんな方法で行うのか?ブランドには「作り手」が必ず存在します(※作り手とは、デザイナー、創業者、作家、画家、クリエイターなど呼び方は様々)

作り手視点では、ブランディングの主な方法以下の二つです。
(1) 自分自身がブランドになる
(2) 仲間と協力してブランドを創造する

(1)  自分自身がブランドになる場合

逆説的ですが、誰かに愛されようと思うとブランディングなど決して叶いません。なぜなら、の目を気にする行動は「他人軸」となり"自分らしさ"からかけ離れてしまうからです。自分らしさを失うと、ブランドとしての良さを全く発揮できません。自分自身の心に沿って「自分がどうありたいか」の”純粋な選択”がいつも重要になってきます。まずは「自分らしい」選択をすることから全てが始まります。

自分らしい」がわからない
「自分らしい」がよく分からないという人が現代には多く、それは人間の環境に影響されます。「〜しなければ」という概念が、社会から植えつけられているからです。固定概念のなか、誰かの目を気にしながら生きることが "当たり前" となっている世の中で、人間は「本当の自分」という存在が見えにくくなっているのです。結果的に多くの「個性」を失ってしまっているのが現代社会です。

本当の自分らしさ」を見つけるには?
「自分らしさ」を見つける為には、まず自分の心に焦点を当てることが必要です自分の感覚や感情から、今自分が何に怒っているのか、どうして悲しいのかを掘り下げて感じていくことが「自分の心の存在」に気がつくきっかけになるでしょう。そして、「ではどうしたら自分が喜ぶのか」まで落とし込めた時に「本当の自分らしさ」というものが形られていくのです。

子どもの頃の夢をもう一度
それでも「自分の心がわからない」「自信がない」人は、自身の幼い頃の夢、やりたかったことが「自分らしさ」を教えてくれる大きな手がかりになることがあります。「叶うわけない」「所詮子どもの頃の夢」と、高をくくってはいけません。概念や常識にとらわれた "他人軸" の頭で考えるのではなく、純粋な"心"で感じることが大切な1歩なのです。大人げなくても恥ずかしくても、情熱的に夢を追いかけ "自分軸" で人生を生きてみることで、良いところも悪いところすらも、個性として魅力が発揮されるのです。その結果として周りから共感を猛烈に惹きつけ「自分という人間」が自分からも周囲からも愛され始めるのです。

自分ブランディングの例:「ココ・シャネル」「岡本太郎」「チャールズ・チャップリン」など。

(2) 仲間で協力する場合

同じ意識を持つ仲間同士であれば、共にブランドを生み出すことが可能です。すでにあるブランドに対するブランディングも同様に「意識を合わせることが非常に重要になってきます。意識がずれていると足並みがそろわずに修正できない衝突へ至ることがあるからです。

軸を共有する
ブランドコンセプトを「軸」にし目的や目標を作ります。創業者の思いを言語化し、できるだけ具体的に忠実に「軸」を共有していきます。ここで「軸」を自分たちの感覚や認識にすり合わせていく作業が必須です。

衝突を恐れない
仲間同士とはいえ、情熱を持って仕事をすれば当然のように意見がぶつかることがあります。意見が対立した際は常に相手を「尊重」し”妥協点”ではなく軸の到達点を探しましょう。意見がぶつからない場合は深刻で、不要な「遠慮」や「あきらめ」が存在していることを理解して「仲間同士の心を開くこと」から始めなくてはなりません。

軸を中心に発揮する
仲間同士の意識が揃ったら、各々の役割を明確に自覚し仕事を展開していくことが重要です。時に仲間の入れ替わりを経験しながらも、軸を守り続け役割を全うしていくことが「仲間と協力して創る」ブランディングになるのです

仲間と創るブランディングの例:「Apple」「Google」「NIKE」「YouTube」「ビートルズ」など。

ポイント

自分ブランディングの場合は"自分軸"で生きること。仲間で協力する場合は志しが同じ者同士であることが必要。

ブランディングに必要なもの

1,「想い」
まずは作り手の想いこれが欠かせません。これなしにブランディングは進みません。この「想い」があるからこそ良質な商品やサービスが生まれるのです。そしてこれが核となり、原動力となり、周囲に響いていきます。

2,「商品」
当然ですが商品 、またはサービスが必要になります。現代では物質的な商品だけでなく、コンテンツが体験型なっている場合も多いです。

効果を得る

3,デザイン
次にブランドが作られる初動の段階で必要な要素がこれらです
ネーミング
ロゴやマーク
デザイン
名前をつけてロゴを決めて付随したデザインを起こしていきます。

4,「マーケティング」
マーケティング とは「売れる為の仕組み作り」です。軸を深掘りしながらプロのクリエイターがブランドを表出させていく工程をまとめ上げ構築させていくのです。
・キャッチコピー
・サウンドロゴ
・CMや動画
・キャラクター (アイコン)
・企画
製造
・情報発信

5,お客さんの体験
顧客がいなければブランドは成立しません。お客さんに五感を通じて喜びの体験をしてもらい、商品やサービスに満足を感じてもらい。必要と感じ、使い続けてもらうことが大切です。

ブランディングとマーケティングとの違い

マーケティングは主に「売れる仕組み」の事を言います。ブランディングは「認知され」「愛され」「必要とされるこの三つを目的とし、世の中に浸透させる行為を言います。ブランド事業を行う際にはこの両方が機能している事が理想的だと言えるでしょう。「売れる仕組み」だけ作っても続かなければ意味がない、ブランディングしても、売れなければ始まらないのですから。ブランディングとマーケティングは切り離せない関係で互いに助力となる存在です。

ブランディングの本質

ブランディングの本質は「作り手の想い」とその「情熱」にどれだけの「共感」が集まるかどうか、に尽きます。ブランド事業の課題点として多い内容は「商品が今ひとつ売れない」「世の中に浸透していかない」「サービスに満足してもらえない」などではないでしょうか。

しかし本質は、作り手側の「想い」や「情熱」が今ひとつ足りない事にあります。世の中から「多くの共感」を得るためには、ブランディングという仕組みづくりは欠かせません。けれど仕組みだけではブランドがこの情報過多な世の中に生き残っていくには力不足なのです。

「作り手の想い」に魂が宿り始めると、ブランドは"商品"としてお客さんの喜びを通じ拡散していくのです。たくさんの人々の「共感」が得たいのであれば強烈な「想い」が軸にあると良いでしょう。
>>想いを具現化する方法がわからない場合

お客さんへ興味を持たせる為の仕掛け(アプローチ)は色々な方法がありますが、そのやり方すらもブランドを表している事を私たちは忘れてはいけません。ブランドの「言動(振る舞い)」は人々の意識にきちんとその"ブランド"として認識されているからです。

長い記事を読んでいただきありがとうございます。ブランディングについての理解にお役に立てれば本望です。
(本記事の無断転載はご遠慮ください。)

和香葉さおり