各ツールの最新verの公開記事へのリンクを掲載いたします。
しばやまのnote
APOLLOの開発記録や各バージョンのリリースノート、Pythonによる特許情報分析ツール、そしてオープンソースと知的財産の間で揺れる開発者の思索を、noteで発信しています。共起ネットワーク分析といった技術的な解説記事から、「独占を生業とする人間が、なぜ知を無料で配るのか」という問いに向き合うエッセイまで、特許情報分析の実務と思想の両面を記録しています。なお、「次のバージョンは作らない」という宣言の賞味期限はおよそ二週間です。あらかじめご了承ください。
APOLLO
APOLLOの最大のアップデート記録です。v6の目玉は、特許の外側への進出。論文、ニュース、政策文書といった非特許文献(NPL)を統合分析する新モジュール「NEBULA」を搭載し、特許情報分析プラットフォームから「情報インテリジェンス」プラットフォームへと進化しました。もう一つの目玉はAI Insight機能。きれいなマップを描いた後に必ず訪れる「で、これは何を意味しているんだ?」という問いに、AIの力を借りて立ち向かいます。v5で月面に降り立ち、v6は火星へ。モジュール数は9つに達し、開発者自身も全機能の把握に苦労しているそうですが、ブレーキが壊れた開発はまだ止まりません。
KATHERINE
きれいなマップを描いて上司に見せたら「で、これは何を意味しているの?」と聞かれて答えられない——特許情報分析あるあるに正面から向き合った記事です。APOLLOで分析を「実行」できるようになり、VOYAGERでレポートを「生成」できるようになった。しかしその手前、「そもそも何をどう分析するか」という設計の部分は、まだ人間の頭の中にありました。KATHERINEは、その上流工程をAIとの対話で支援する分析設計アシスタントです。開発者いわく「補助輪」。自転車を漕いでくれるわけではないが、転ばずに前へ進む手助けをしてくれる。ツール名の由来は、アポロ計画を支えたNASAの数学者キャサリン・ジョンソン。なお、頭文字を無理やり合わせた感は本人も認めています。
APOLLO Lite
「しばらく開発は休む」。v6公開後にそう宣言した開発者が、二週間後にまた新しいツールを作り始めた記録です。今回、ある方のAPOLLOの改良記事ーーAPOLLOをブラウザだけで動かすという実験を読んでしまい、「休む」という言葉の賞味期限がまたしても切れました。APOLLO Liteは、本家APOLLOの約1,050行版。機械学習もネットワーク分析もレポート生成もない代わりに、HTMLファイルをダブルクリックするだけで特許マップが描けます。糸川英夫のペンシルロケットに倣い、「小さいからこそ意味がある」と本人は真面目に語っていますが、成長しないことだけは一貫しているようです。
APOLLO CAPCOM
「しばらく休む」宣言から少し間が空きましたが、やはり出てきました。今度はAPOLLO本体ではなく、別ラインの新ツールです。
今回の課題は「APOLLOとClaude Codeが同じパソコンにいるのに会話できない」というものでした。同じオフィスにいるのにメールでしかやり取りしない部署のような状態を、CAPCOMという通信ツールで解消しています。定量処理はPythonにやらせ、解釈と言語化はAIにやらせる。餃子の王将で言えば「仕込みは厨房でやれ、客席でキャベツを刻むな」とのことです。
ただし本人いわく、全モジュールの分析結果を統合した本格レポートを生成できる威力はあるものの、Claude Codeのレートリミットに猛烈に引っかかるため、Anthropicの上位プランが実質必要になるとのこと。強力すぎて運用に制約がある状態を「ツァーリ・ボンバ問題」と名付けるあたり、比喩の選び方が相変わらず独特です。