失語症とは、脳卒中や交通事故などの後遺症によって生じる、ことばの障害です。「ものの名前が出てこない」、「言われたことが理解できない」、「文字を読んだり書いたりすることができない」といった症状により、周囲の人との意思疎通が難しくなります。
失語症は、聴力障害のために耳が聞こえない状態や、視覚障害のために文字が読めない状態とは異なります。また、認知症などによる物忘れとも異なります。見た目では理解されにくく、社会的にもまだ十分知られているとは言えず、誤解されることも多く、失語症のある人は社会とのつながりを持てずに悩んでいる方が多くいらっしゃいます。
脳出血、脳梗塞、くも膜下出血などの脳血管疾患や、交通事故などによる頭部外傷など、脳の損傷によって脳の言語中枢が損傷を受けることによって生じます。
聞くこと:音は聞こえるにも関わらず、言葉を理解することが難しくなります。特に、長い文や複雑な文、早口での話しかけは理解しにくく、複数人での会話もついていけないことが多いです。
話すこと:言いたいことを言葉にすることが難しく(喚語困難)、言いたいことと異なる言葉(錯語)に置き換わったり、時には日本語にない言葉(新造語)になったりすることがあり、上手く伝わらなかったり、誤って伝わってしまうことがあります。
読むこと:文字を声に出して読むことが難しくなったり、書いてある文字を理解することが難しくなります。平仮名だけで書いてある文字はかえって理解しにくいことがあります。
書くこと:文字を書くことが難しくなります。同時に、文字を書く機能に支えられている、メールやタイピングが難しくなります。