東京大学大気海洋研究所の研究者は、学術研究船である「白鳳丸」や「新青丸」を使用して研究を遂行しています。
ここでは、それら学術研究船の紹介と共に、研究例を紹介します。是非、大気・海洋の研究に触れることで、地球のダイナミックな営みをお楽しみください。
新青丸は東日本大震災復興関連事業として、また、東日本大震災の地震・津波の影響で海洋環境が劇的に変化した東北沖の漁場復興に、大学等に蓄積された科学的知見を有効に活用するため復興支援のネットワークとして構築された「東北マリンサイエンス拠点形成事業」においても活用される船舶として建造されました。東北地方の新たな発展に寄与すると共に、長きにわたり活躍し2013年1月に退役した「淡青丸」の後継船という意味も込めて「新青丸」と命名されました。詳しくはこちらをご覧ください。
海底に金属カゴ(ドレッジャー)を垂らして、岩石を採取する準備
海底にある岩石は、地球表層でのマグマ活動やそれを引き起こす地球内部マントルの動きを記録しています。岩石の化学分析や構造解析することで、それらの記録を復元し地球の進化を明らかにします。
筒状のコアラーを海底に向かって降ろしていき、海底の堆積物を採取する準備
海底堆積物は、環境変動や地震活動を記録します。鉱物の物性解析や化学組成分析、年代解析を実施してあげることでそれらの記録を復元します。
船上で海底地形を解析している様子
海底地形や、重力・磁力といった物理量を測器を用いて記録していきます。そうすると、海底が拡大する様子が復元できたり、海底がどのような物質で構成されているかわかり、海底の描像を詳細に描くことができます。
深さや温度を測るセンサーがついており、深さの異なる海水を採取できる装置
海水には塩だけでなく微量な元素や気体、生物由来の物質が溶け込んでいます。世界中のいろいろな場所や深さのそれらの分布を調べることで、海水や物質の流れを明らかにします。
底引き網(ビームトロール)を引き上げている様子。網の後端に砂泥や底生生物が含まれる
海底には魚類や無脊椎動物など多様な底生生物が暮らしています。それらを採取し、生物多様性や進化生態、海洋環境変動との関係を解析しています。
鉛直曳き多層式プランクトンネットを引き上げている様子
海洋に広く生息する浮遊生物(植物プランクトン、動物プランクトン、マイクロネクトン)の分布や生態を調べ、海洋生態系の仕組みとそれら生物の役割を明らかにします。
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