状況が整理できたら、
次に考えるべきは「誰に届けるか」です。
多くの場合、
「何を売るか」「どんな商品をつくるか」から考えてしまいます。
しかしそれは、プロダクトアウトの発想です。
マーケティングにおいて重要なのは、
誰が
どんな課題や悩みを持ち
どんな状況にあるのか
から考えること、
市場や顧客から出発するマーケットインの視点が重要です。
この順番を間違えると、
「いい商品なのに売れない」「伝えているのに響かない」
といった状態になります。
では、「誰に届けるか」を決めるために
何をすればよいのでしょうか。
ここで重要なのは、
いきなりターゲットを決めないことです。
まずは、その前提となる情報を整理します。
どんな課題や悩みが存在しているのかを見ます。
・どんな不満があるのか
・どこにニーズが集まっているのか
・どの領域が伸びているのか
「求められているもの」を知ることが起点になります。
次に、競合を見ます。
・誰がどの領域を取っているのか
・どんな価値で選ばれているのか
・どこに余白があるのか
「すでに満たされているもの」を知ることで、ポジショニング(戦う位置)が見えてきます。
最後に、自社を見ます。
・何ができるのか
・どこで勝てるのか
・どんな価値を提供できるのか
「提供できるもの」を明確にします。
ここまで整理すると、
・市場のニーズ
・競合の状況
・自社の強み
の関係が見えてきます。
ターゲットは、この3つが重なる領域から決めるべきです。
ここを無視すると、
・需要はあるが勝てない
・強みはあるがニーズがない
といったズレが生まれます。
ここまでの内容は、
実際の企業でも同じように考えられています。
例えば、ワークマンの場合。
ワークマンはもともと、
「作業着を必要とする職人」
を対象としたブランドでした。
しかし現在は、
・スポーツやアウトドアを楽しむ一般層
・おしゃれで機能性の高い日常着を求める人
へとターゲットを広げています。
この背景には、
市場:アウトドア・機能性需要の拡大
競合:アウトドアブランド(価格が高い)
自社:高機能・低価格の商品
という関係があります。
つまり、ニーズに合わせて
「自社の強みが活きる顧客」
をターゲットにしています。
また、
北欧、暮らしの道具店も同様です。
このブランドは、すべての人に商品を売るのではなく、
「自分の暮らしを大切にしたい人」
という明確なターゲットを設定しています。
そのうえで、
・市場:生活や価値観を重視する消費
・競合:ECモール・価格競争
・自社:コンテンツと世界観
を踏まえた設計をしています。
つまり、商品起点ではなく
「共感できる価値観」で顧客を選んでいるのです。
これらの企業に共通しているのは、
・すべての人を狙っていない
・自社の強みと親和性のある顧客を選んでいる
・市場と競合を踏まえて判断している
という点です。
つまり、
ターゲットは感覚で決めるものではなく、
条件から導くものであると考えるのが戦略的です。
一方で多くの企業は、
・商品ありきで考える (プロダクトアウト固定)
・とりあえず広く狙う (マスマーケティング)
・なんとなくターゲットを決める (潜在顧客の機会損失)
といった状態になっています。
これはすべて、戦略的と言い難いことは明白です。
マーケティングの最初の一歩は、
何をやるかではなく、誰に届けるかを決めることです。
そのためには、
・市場のニーズ
・競合の状況
・自社の強み
を整理する必要があります。
ここが決まって初めて、戦略や施策が意味を持ちます。
この6本の記事では、
ブランディングやマーケティングを
「打ち手」ではなく「設計」として捉え直すことをテーマに整理してきました。
まず起点を見直すことが、すべての出発点になります。