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現代財務諸表分析

講義の概要:

本講義では,会計情報が経済社会のどのような局面で利用されているかを理論的に考察し,会計情報を利用した戦略的・効率的な意思決定を探求する。経済システムにおける情報の非対称性を前提とした場合,会計情報には逆選択やモラル・ハザードを防止する役割が期待されている。このような会計情報の機能は①投資意思決定支援機能と②契約支援機能と呼ばれる。本講義では,契約と株式市場という2つの会計情報が利用される局面に注目し,(1)会計情報がいかに契約の効率性を高めるか,または(2)会計情報が株価形成にどのような影響を与えるか,ということを実証研究の結果ににもとづいて体系的に説明する。さらに会計利益の質の概念およびその実証的な測定方法を習得することで,より高度な財務諸表分析または企業評価の手法を勉強する。

講義スケジュール:

1)イントロダクション

2)会計情報と意思決定

3)インセンティブ契約と会計情報(1)

4)インセンティブ契約と会計情報(2)

5)債務契約と会計情報(1)

6)債務契約と会計情報(2)

7)政府契約と会計情報

8)株式市場と会計情報(1)

9)株式市場と会計情報(2)

10)自発情報開示

11)利益調整(1):定義と見抜き方

12)利益調整(2):動機と決定要因

13)利益調整(3):投資戦略

14)講義のまとめ