Research Theme

①人新世の生態系変化

Ecological Changes in the Anthropocene

底生有孔虫はリザリアに属する単細胞生物である.有孔虫は先カンブリア紀に出現し,長い様々な変遷の過程を経て,現在の海洋にも 広く生息している.世界中の海水~汽水域に広く分布し,その分布は塩分・底質・溶存酸素量などの様々な要因によって規制されている.石灰質・膠着質の硬質の殻を持ち,堆積物中に遺骸が化石として保存されやすく,地層中から連続的に産出する.そのため,地質時代の環境変遷を復元する上で有用な指標となってい る.このような環境変化に敏感で堆積物中に遺骸が保存されやすいという底生有孔虫の特徴を利用し,堆積物中に記録された底生有孔虫の長期時空記録から,重金属汚染や富栄養化,マイクロプラスチック,地球温暖化など,人新世の環境変化が底生生態系に与えた影響を研究しています.

調査海域:瀬戸内海 (大阪湾,広島湾,児島湾など),中海,宍道湖

大阪湾の有孔虫写真


有孔虫を用いた環境評価手法の確立

The FOBIMO (FOraminiferal BIo-MOnitoring) project


③ 赤道太平洋域の新生代底生有孔虫

IODP Expeditions 320 and 321 (Pacific Equatorial Age Transect)


④ 対馬暖流域における最近のメイオベントス群集の変化と海水温上昇との関係

Recent changes in meiobenthos assemblages in the Tsushima Warm Current and their relationship to rising sea temperatures.

淡青丸KT11-10航海(主任研究員)


⑤ ジオパークと地学教育

Geoparks and Geoscience Education

島根半島・宍道湖中海ジオパークにおけるジオパークの教育利用について.


⑥島根半島におけるマイクロプラスチックの分布

Distribution of Microplastics in Shimane Peninsula

島根半島沿岸域では,対馬海流や季節風などの影響でプラスチックを含む多くの漂着ゴミが確認されており,島根半島沿岸域におけるマイクロプラスチックの分布や海洋ごみの分布に関する研究を行っています.


海洋ごみ予報プロジェクト