赤松小三郎は、英国式歩兵操典『英国歩兵練法』を翻訳して、京都薩摩藩邸や私塾で英国式兵学を教え、軍事訓練を行いました。このことから、兵学者として知られていましたが、近年の研究や新資料の発見により、赤松が近代国家の実現に大きな影響を与えていたことが解ってきました。
赤松は日本の新しい国造りの方策を七項目に体系づけ、それを建白書として、将軍徳川慶喜(幕府)、雄藩の実力者である島津久光(薩摩藩国父)、松平春嶽(前福井藩主)に提出しており、その構想の実現のために奔走しました。
この建白書は、日本国の憲法構想とも言えるもので、坂本龍馬の『新政府綱領八策』等のその後の国家論の基ともなったもので、現代にも通ずるところがある先進的なものです。是非、建白書『数件御改正之儀奉申上候口上書』をお読みください。
赤松は新しい時代を見ることなく、暗殺されてしまい、その存在が忘れられていましたが、日本近代史を見直す中では、赤松を研究し、評価していくことが必要です。
赤松小三郎の顕彰活動には多くの方々のご支援をいただいております。京都金戒光明寺の赤松小三郎墓碑の改修にご尽力くだされた故久保忠夫元上田商工会議所会頭、赤松小三郎記念館の整備にご尽力くだされた成澤學長野県人会副会長、赤松小三郎生誕祭や赤松小三郎講座等の諸事業にご参加くださる皆様方です。感謝申し上げます。
令和7年4月の総会において、組織改選がありまして、会長・副会長・会計が変わりました。この会を立ち上げた故伊東邦夫先生、前会長林和男氏の顕彰活動の業績を引き継ぎ、多くの方々に赤松小三郞の業績を知っていただくために、いろいろ工夫して取り組んでいきたいと思っています。さらに、東京の赤松小三郞研究会との連携を深め定期隊と思います。本年度の新しい活動として、「赤松小三郞学習会」を開催することにしました。関心のある方はぜひ会場にお越しください。
また、赤松小三郎を知るためには多くの情報が必要です。赤松に関する資料等がございましたなら、当顕彰会にお寄せくださいますようお願い申し上げます。
赤松小三郎顕彰会
会長 高橋 聡