第6回年次大会開催地の石川県で長年、教育工学について研究している石川県教育工学研究会とのタイアップ企画です。
石川県教育工学研究会は、「授業の最適化」を研究の中心におき、1970年6月21日に発足しました。以後、50年以上にわたり、授業設計、評価方法、メディア活用、学習方法等について、先進的かつ実践的に研究を推し進め、常に我が国の教育工学研究をリードする組織です。
石川県内の教員による実践報告です。
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10:40 ~ 12:10
G41・42 第1分科会 進行:新谷洋介(金沢星稜大学)
<報告の概要>
小学校第6学年総合的な学習の時間では、年間を通じて児童に継続的にふり返りを実施させている。継続的なふり返りを実施することで教師の授業改善、児童のメタ認知能力を向上させることに大きく貢献したと考える。
本実践では、授業の内容に関する項目、自らの学び方に関する項目のふり返りを毎時間行った。このふり返りを参考に行動観察からは得られなかった情報をもとに児童の様子や学習進度を把握したり、今後の展開を再考したりしながら学習を進めてきた。さらに、生成AIを用いた児童のふり返りを要約する機能、分類する機能を使うことでより容易にグループ編成をすることや、児童の考えを把握することができる。
<報告の概要>
3年生社会科「工場の仕事」の単元で、落雁で有名な和菓子やさん「諸江屋」の工場について学習した。前単元「市の様子」から、自ら調べる順番を選択すること、自ら情報を選択してまとめていくこと、端末上で継続的に振り返りをして共有していくことに取り組んだ。本単元では、工場内で撮影した動画や写真などは全てクラウド上にあげておく、実物(商品)、アンケート用紙なども教室の一角に置いておくなどいつでも情報に触れられるようにした。単元を通して、改善点もたくさん見られたが、それも踏まえた上で子どもたちの姿を中心に発表したい。
<報告の概要>
「生成AI」活用に関して、企業も教育も、議論から実践に移行しつつあるような感がある。小学5年生で、夏休みの自由研究のテーマと内容、実験の方法、その予想、結果の考察について、全体への指導と個人への指導とに分けて、使い方を考え、実践を行った。そこから見えてきたのは、「ファクトチェック」を教師と共に行ったり、ネットや教科書等で確認したりすることで、「調べ方」の基本に立ち返ることができるという事である。
G30 第2分科会 進行:向田識弘(金沢学院大学)
小学校第5学年国語科「話すこと•聞くこと」の領域において生成AIを活用した。インタビューの質問内容を、自分自身でよく考えた後、生成AIに補完してもらう目的で、児童が考えたプロンプトを教師が入力した。生成AIを初めて活用する児童がほとんどであったため、使用している時の児童の様子や、「使用してみてどうだったか。」「これからどのように付き合っていきたいか。いくべきか。」というアンケートを中心に、児童が感じたことをまとめていきたい。
<報告の概要>
第3学年図画工作科にてiPadを使った造形遊び「もう1人の自分のお気に入り」を行った。中庭の木陰や机の下、工作作品の中など、もう1人の自分がいたら楽しい場所をiPadを使ってデジタルで表した。場所の動画と自分の動画を撮影し、iMovieを使ったクロマキー合成を行うという学習の流れを、授業の振り返りから見える児童の姿にふれながらまとめていきたい。
<報告の概要>
中学校理科の授業において、スライド作成アプリをデジタルワークシートとして用いて、自由進度学習を取り入れた授業実践を考案・実施し、学習に対する意識や学習内容の理解度を調査した。その結果、主体的に学習に取り組む態度に関する2側面について、肯定的な意識で臨んでいたこと、一斉授業と比較して自由進度学習を肯定的に捉えていたこと、学習内容に関する理解度が高まることが示唆されたことが明らかとなった。