代表世話人 青木麟太郎(三重大学)・坂田桂一(鹿児島大学)・笹倉千紗子(桜美林中学校・高等学校)・依田実(船橋市立御滝中学校)
現代は、コロナ禍を経て働き方や生き方の価値観が多様化し、AIをはじめとした技術革新や、社会情勢の変化などにより、将来の予測がますます困難な時代となっています。そして、「学校は社会を映し出す鏡」という言葉通り、学校もまた大きな変革の時を迎えています。
学校には、発達の特性や興味・関心の異なる多様な子どもたちが在籍し、それぞれのペースに合わせた学びや成長があります。そして、そうした子どもたちに向き合う教師もまた、変わりゆく日々の中で悩み、工夫し、模索しながら授業をつくっています。子どもの挑戦とともに、教師自身の挑戦がある、そうした姿が、子どもにとってのロールモデルとなっていくのではないでしょうか。
本分科会では、小学校・中学校での技術教育に関して実践報告を持ち寄り、技術教育をきっかけとした子どもの気づきや学びに基づきつつ、これからの技術教育についてともに検討したいと思います。
変化の激しい現代において、教育の本質を見失わないため、今年は「私たちは、試行錯誤の中で育まれる子どもの学びをどう捉え、支えていけばよいか?」というテーマで考えたいと思います。
「まずは試してみる。失敗と改良を重ねてよりよい作品を生み出していく。」
そんな、一度の失敗が許されないものづくりとは異なる体験の中で、子どもたちはどのような気づきや学びを得ているのでしょうか?
吉澤会員は、ブロック型教材で自動車モデルを作った実践を報告してくださいます。この実践では、子どもたちが自動車モデル作りの中で、失敗と改良を重ねながら、よりよいものを自らの手で生み出す経験をしています。実践後に書かれた感想文には、子どもの気づきや学びが、自身の言葉でどのように表現されているのか、楽しみです。
依田会員は、コンピュータ部での活動を通して変容する子どもたちについて報告してくださいます。この活動では、コンピュータに興味がある子どもたちが集まり、部活動の中で互いに学び合い、そして、自身と向き合うことで変わっていきます。多様な個性が交差する中で、自分なりのかたちで成長していく子どもの姿が印象的です。
茨城県の中学校でご活躍の山口さんが、3Dプリンタを使い試行錯誤している様子を、笹倉会員が、マイクロビットを活用した双方向性のある実践を報告されます。他にも、栃木市を中心に「地域の教育・まちづくり」に取り組む宇賀神会員も報告される予定です。
こうした報告を通して、これからの技術教育についてともに考えていきます。多くの方のご参加をお待ちしています。短い内容でも構いません。まだまだ実践レポートも募集中です。ぜひ、ありのままの実践をお寄せください。
代表世話人 辰巳育男(大阪工業大学)・髙岩千尋(東京都立立川緑高等学校)・竹谷尚人(東京都立北豊島工科高等学校定時制)
本分科会では,高等学校,高等専門学校,大学,諸外国の教育について討議を行います。教育実践をはじめとして,現場での活動,現場で困っていることなど,さまざまなテーマを広く取り上げ,討議を行いたいと考えています。
テーマ① 学校現場の状況
学校現場に勤務されていて,何か日常的にお困りのことはありませんか。授業準備,学級運営,募集対策,研修,検定試験指導,部活動,その他さまざまな業務に追われて,問題が解決しないという悩みはないでしょうか。全国の仲間とともに問題を共有し討議をして,ともに解決について考えましょう。積極的な話題提供をお願いします。
テーマ② 工業高校の授業づくり(工業高校をはじめとする教育実践交流)
工業高校の授業づくりについては,できる限り多く扱っていきたいと考えています。近年,教育実践に関するレポートが集まりにくくなっていますので,ぜひ積極的な投稿をお願いします。レポートするという形が厳しい場合でも教材披露や現状報告などの形での報告もできますので,多忙のためにレポート作成が厳しい場合でも世話人までご相談ください。テーマを「工業高校の…」としていますが,職業高校,総合学科高校,普通科のものづくりに関わる教育実践も報告可能です。
テーマ③ 保護者の立場から,外部から工業高校に期待すること
以前,当研究会ではものづくりブックレットを3冊刊行しました。『高校生ものづくりの魅力』では当会会員が保護者の立場から農業高校の意義について述べましたが,現場で勤務していると見えにくいことも,保護者の立場から見えることもあります。外部からの視点が工業高校の魅力の再発見にとって重要です。ぜひお声をお寄せください。
テーマ④ 工業高校以外の専門高校,高校情報科,高専,大学,諸外国のレポート
本分科会は,中学校卒業以降の話題について広く取り上げてきました。工業高校以外にも,子どもたちや青年が技術・職業教育に取り組む姿を知ることには大きな意義があります。工業高校以外の教育実践や活動についても広く募集したいと考えています。
また,感染症の流行以後,諸外国からの参加が難しい状況になっていますが,以前は諸外国のレポート発表も多くありました。国外のものづくり教育からも学びを得たいと考えるので,諸外国のレポートもぜひお寄せいただければ幸いです。
以上の4つのテーマについて,広くレポートや報告を募集しています。現在までのところテーマ①,②,④について,合計10本程度のレポートを見込んでいますが,まだまだ募集をしているので,レポート提供をぜひお願いします。オンライン参加・発表にも対応します。
問い合わせ先 竹谷(hisato.takeya@gmail.com)