[ 第46回北大大会 大会責任者より ]
皆さんこんにちは。第46回(前々回)の北大大会にて大会責任者を務めました、鈴木敬太と申します。
本当は3月中に原稿締切があった本コラムですが、その存在を完全に失念しており、また運営側からも急かされることなく現在に至ってしまいました。私のコラムを楽しみにしてくださっていた皆様には大変申し訳ございません。そのような方がいらっしゃるかは別として。
( ※原稿をいただいてから本HPへの掲載がさらに遅れたこと、誠に申し訳ありませんでした。 HP管理者 荒谷萌音 )
さて、私から北大大会について語れるようなことといえば、やはり熊の話題ということになります。私が大会責任者を務めた第46回大会は「ポンマテカチ」での開催を予定していましたが、大会前日の準備中に私が熊と遭遇したため、急遽テレインの変更を余儀なくされました。当時、大会に関わってくださった方々にはいまだ感謝してもしきれません。以下では、少しだけ当時の体験を書こうと思います。
それは、前日準備の最終段階として、スタート枠や誘導テープの設置をしていた際のことでした。いったん打ち合わせのため車に戻ろうとしたとき、鹿のそれとは異なる、藪をかき分ける大きな音がしました。横にいた同期と冗談で「熊じゃない?」と話しつつ藪の奥を見やると、そこには立派な大人の熊がこちらを見つめていたのです。同期と二人、熊スプレーを携帯してはいたものの、尋常ではないほどの緊張を覚えました。すぐさま同期に、熊が出たことを他の部員へ連絡するよう伝え、私は熊スプレーのセーフティロックを外し、胸の前で構えながらゆっくりと後退しました。とにかく熊を刺激しないよう、そして万が一こちらへ向かってきたら即座に引き金を引けるよう、まさに指先に命が懸かっている状態でした。幸いにして熊が向かってくることはなく、無事に生還することができました。その時感じた恐怖たるや、のちに何度もその光景が夢に出るほどで、しばらくはフォレストに入るたび、背後から迫っているかもしれない熊の存在に怯えていました。
さて、ここまで十分すぎるほどに熊の脅威を語ってしまい、大会へのエントリーの手を止めてしまった方もいらっしゃるかもしれません。しかし、これで終わらないのが北大OLCです。昨年度と今年度、何事もなかったかのように大会開催の企画が進行しているのは、熊の脅威に文字通り直面し、テレイン変更を強いられた我々の背中を、後輩たちがよく見て学んでいたからだと信じています。昨年度の大会はかつてないほどの熊対策を施して臨み、運営者・参加者ともに熊と遭遇することなく無事に大会を終えることができました。今年の大会についても、先代から受け継いだノウハウによって万全の体制で運営してくれることでしょう。
森へ入る以上、熊の脅威が完全に消えることはありません。それでも、正しく恐れ、正しい対策を行うことでリスクを減らすことは可能です。無事に大会を成立させられるか否かは、運営者側の対策と、参加者の皆様の理解に懸かっています。北海道でのオリエンテーリングを今後とも最大限に楽しんでいただくために、熊の脅威を正しく認識し、備えることをどうか忘れないでいただきたいと思います。
昨年は本州でも熊の被害が拡大し、社会問題となりました。最近ではニュースとして取り上げられる機会は減りましたが、だからといって警戒を緩めてよいはずがありません。北大大会に参加する方も、そうでなくとも山や森でのアクティビティをされる方も、決して熊という存在を忘れることなく、正しい認識と理解を持つことが求められます。
私自身も、競技者として初めて北大大会に参加できるとあって、少なからず胸を高鳴らせています。運営者の皆様もどうか安全にお気を付けて。今年の北大大会の成功を心より祈念しております。
[ 筆者 ]
第46回北大大会 大会責任者 鈴木敬太