第37回日本酸化ストレス学会関東支部会を開催するにあたって
実行委員長 板部 洋之
このたび、第37回日本酸化ストレス学会関東支部会の大会長を仰せつかりました昭和大学薬学部の板部です。本支部会は2024年11月15日(金)に、東京都品川区にあります昭和大学上條記念館で開催いたします。交通の便も良く、新幹線の品川駅からのアクセスも良い場所にありますので、多くの先生方、学生の皆さんのご参加をお待ちしております。
この支部会は、研究内容を発表し、最新の情報に触れることは勿論ですが、リラックスした雰囲気で研究者同士が直接話し合いネットワークを広げていく格好の機会になると思います。是非、皆さんに楽しんでいただける会になるように努めてまいります。
今回の大会メインテーマを「酸化ストレス研究を楽しもう」とさせて頂きました。酸化ストレス学会は医療、製薬、食品栄養、香粧品などに関わる様々な分野の研究者が集まり、酸化ストレスに関する多角的な情報を交換し、互いの研究を発展させ合う場となっています。そうした多様性のある話題提供と議論の中から、新たな着眼点も生まれてくると思います。いつもの自分の研究テーマとは少し違う背景の話題にも気楽に触れてみることで、きっと酸化ストレス研究の幅が広がっていくことを期待して、この言葉を選びました。
この関東支部会では、多くの若手の研究者の方々に口頭で講演する機会を提供したいと考えています。一般演題は、原則として口頭発表での講演とします。ただし、演題数によっては、時間の調整、あるいは昨年度のようにフラッシュトーク+ポスターのような対応をさせて戴くかもしれません。また、学生・院生の発表の中から、優秀発表を選び表彰いたします。多くの若手の方々のご参加を期待しています。
本大会の特別講演は,アマゾンウェブサービスジャパンの水島洋博士にお願いいたしました。近年、AIが急速な発展を見せ、大量のデータを自在に扱うデータサイエンスも様々な分野で広がってきています。今後はデジタル社会の中で研究を進めていくことが不可避となる趨勢です。デジタル社会においてどのような研究マインドを持つべきか、薬学出身ながら情報分野の先端をいく仕事に携わる水島博士にご講演していただきます。
教育講演は、酸化ストレスによるタンパク質変性について広範なご研究をされてきた内田浩二先生(東京大院農)をお招きして、ご講演頂きます。生体内で酸化が起こったことを検出するのは、かつては大変に困難な作業でしたが、酸化修飾体に対する抗体を用いることで、酸化物の高感度な検出と酸化修飾構造の化学的解析も可能になりました。抗酸化物抗体のパイオニアに、こうした研究の流れと今後の可能性について解説して頂く予定です。
また、今回特別に招待講演を企画し、今年5月に日本酸化ストレス学会の新たに理事長に就任された赤池孝章先生(東北大院医)にご講演をお願いいたしました。赤池先生のご研究の進展をご紹介いただくとともに、酸化ストレス学会の今後の方向性についてもお話頂けるものと思います。
今回も前回の支部会に倣い、基礎分野と臨床分野をカバーする2つのテーマでミニシンポジウムを企画しました。
今回、日本酸化ストレス学会関東支部会を開催できるのは大変光栄なことで、大変ありがたく思います。準備の至らない点も多々あると思いますが、どうかご寛恕ください。是非活発な会となりますことと、酸化ストレス研究に加わっている皆さんの研究がさらに発展しますことを願っています。
多くの皆様のご参加を心よりお待ちしております。