【ラウンドアップについて】
ラウンドアップとは,放牧した3オ牛を狩集め烙印を押し,囲いで肥育する収穫のお祭りに端を発しております。アルコール依存症者が自分自身でこの不治の病気を認め受け入れ,飲酒を止めて生きる実りの喜びを分かち合うことは,まさに『収穫のお祭り』でもあります。
AAラウンドアップは我々アルコール依存症者にとって回復のための宿泊研修で,行政機関,専門分野の方々のご理解とご協力を頂き, 10数年前より定期的に全国で開催され,我々アルコール依存症者の回復にとても重要な経験の場所となっております。
現在でも社会的通念として,アルコール依存症者は「意思が弱い」とか「人間性が欠如している」等々いろいろな点で根深い偏見が見受けられます。また我々アルコール依存症者も飲酒することへの願望? (病気の深さ)と偏見から自身の現状と体質(最初のいっぱいを口にすると途中で飲酒を止めることができず周りの人たちを巻き込んでしまう)を病気と認めることが出来ずに苦しんで来ました。
このような私たちにとって3日間に渡るラウンドアップという宿泊研修は,様々な回復段階にあるアルコール依存症者と出会いミーティングやイベント(催し)を通じて深い交流がなされ其の中で病気の自認を深め,病識を持ち,生きる勇気と力を維持することを経験で学ぶ《回復の場》として開催され経験の分かち合いによって現在に至っております。
なかでも現在飲酒で苦しんでいる人たちの一人でも多くの方にラウンドアップ参加を契機に『アルコール依存症』という病気から開放される喜びを「分かち合う」ことを一番の願いとし,またそのことは我々にとっても回復に大きく役立つ経験の場ともなっているのです。
ラウンド・アップについて
ラウンド・アップと呼ばれるアルコール中毒者の回復のための研修集会は、北米において敬十年前がら広く行なわれており、地域の行政機関、療養施設等と結びついて高い効果を上げており、本年も全米各州で敬百ヶ所に亘って開がれる裏になっております。日本でも昭知50年4月がら春と秋、年二回開催されております。
ラウンド・アップとは、放牧した三歳牛を狩り集め烙印を押し、囲いで肥育する収穫のお祭りの名です。この西部劇に良く出て来るお祭りの名前を引き継いだのは、新しいアルコール中毒者つまり自分の病気を認めていない、認めたがらない中毒者が、自分の病気を自認する、医師の言に依れば病識を持つことを目的とするからです。新しい人から言えば、自分がこの冶ることのない病気であると自認することは、文字通り自ら烙印を押すことでしょうし、新しい人を連れて来たメンバーにとっては、正に収穫のお祭りである訳です。
アルコール中毒者は、人間関係を失い、人を信ずる力が非常に弱くなっている病気であると言われております。仲間はずれにされたと感じ、周囲に対し、深い不信の念を持っています。
このアルコール中毒者が、世間で良く思われていない、意志の弱さを表明する様な病気と言われているアルコール中毒者であると認めることは容易なことではありません。中毒者に対する偏見は中毒者が最も強く持っているとも言われております。そして中毒者であると認めることが、この病気からの回復の第一歩であり、同時に中途まで冶療が進んだとも言えるのです。ラウンド・アップでは回復の様々な段階、その中毒源から難れて7年、5年、3年、1年、6ヶ月、3ヶ月、1ヶ月ヌ昨日止めたばがりと言う各段階にある中毒者が集まりますので、新しい中毒者は、この各段階の中毒者との深い交流が、ミーティング、レクレーション、雑談、等を通じて行えます。夜を徹して語り明かす事さえ珍しい事ではありません。
この過程の中で、”酒を飲まないでいれば、あの様になるのか、それならやって見よう”と言う回復への意欲を起こすのです。
この病気の場合、何故か回復の意欲を持たなければ、病識は持てない様です。
大人数の回復している中毒者と会い、二・三日寝食を共にすることで、相手の日常生活の一部を見ることで、相手の言っていることを信じる、そして全人格的認識を可能にするのでしょう。
目で見、耳で聞き、体で感じ、そして信じるということでもありましょう。
相手を信じた時、その人の言うことの中に自分の体験との同一性を認識し得るのです。
”私と同じことをして来た”これもヌ病識に役立つ経験です。
この様な訳で,私逹はラウンド・アップは中毒者の治療の重要なイベントとして考え、医師,看護スタッフ等様々な治療機関の方々、福祉のワーカーの方々の協力を得て実行しその効果を上げて参りました。
この様な効果は中毒者の家族の場合も十分に上げて参りました。
ラウンド・アップ(ROUNDUP)のプログラムは、この目的を達成する為に、様々なバラエティに富んだものにしてあります。
私共の意とするところを御賢察の上、何卒御協力を下さいます様、御願い申上げます。
2002年2月吉日
AA関東甲信越地域委員会
春季ラウンドアップ実行委員会