2025年8月28日:「素材」に1件追加、1件更新しました。
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以下の諸々は、シナリオや素材作成の際の一つの基準として参考にしてください。
一つ前の質問において「満月の民」の遺跡は現状あまり見つかっていないと言いました。これは、アマルナ地方全体(それは海中も陸上も含めた話です)での話です。また、見つかっていても公には明かされていない場合もあります。これは特に、歴史的に重要な遺跡(何らかの祭祀場だったり当時の文明の様子が窺えるような研究資料とされる様なものなど)などが該当します。
では、一般人は「満月の民」の遺跡を見られないのか?……というとそれは間違いです。実は、このアマルナ地方の中心地でもあるアンブロシアそのものが、古代の居住区画の端のほうに該当する巨大な遺跡の一部だからです。
かつて、アマルナ地方はもっと海側に陸地が存在していたようです。しかし、大規模な地殻変動などによる環境の変化によって、地盤沈下や海面上昇などが発生した形跡が残っています。
その証拠に、幾つもの遺跡が本来の形を失いバラバラになっていたり、歪な形に変形していたり、土台からずり落ちてしまったりなどしているものが海中にはたくさんあるのだそうです。
アンブロシアもまたその影響は大きく受けており、本来は海側にまで広がる広大な都市の外郭部分が地殻変動による遺跡の分断で取り残された形になっています。もっとも、そういった崩壊を経てなお、頑強な作りだった遺跡の大部分は今も住居や店舗、施設などに流用できるほどにしっかりした作りをしていて、当時の技術力が垣間見えると研究者も感心する程なのだとか。
また、住居区画の遺跡などはそのほぼすべてを研究者が調査し尽くしてしまっている事もあり、空いている区画は、領主の許可を得る事で住居や店舗などのような施設としての運用が可能となっています。
ただし、研究がほぼ終わっているとはいえ大切な文化財でもあるので、必要最低限以外の改造などは行わない等様々な制約を守ると契約した上で、利用料(人が生活し適切な管理を行う事で劣化や崩壊を防ぐ目的もあるため、そう高くは無いようです)を行政側に払う事で誰でも借りることが可能だったりします。
このアマルナ地方には無数の遺跡が存在します。しかしその内訳はかなり特殊で、王族的立場にあった「満月の民」のものは1%にも満たないほどに少なく、それ以外の分家的立場であった「月の民(半月の民や、三日月の民など)」達の遺跡が非常に多いです。
古い伝承によれば、本家筋である満月の民はこの土地のどこかで最も大事な遺跡群と共に隠遁し、残された分家筋の者たちがこの地に残された……とも言われており、その結果がこの遺跡の偏り具合に現れているのではないかというのが現在の研究者達の中で噂されている説なんだとか。
数少ない「満月の民」の遺跡の場所は、保全のためもあって領主命令により極秘とされ、基本的に冒険者や通常の研究者が関わる機会があるアマルナ地方の遺跡は分家筋のものばかりとなります。
この分家筋、各々が自分たちの都市国家の個性を伸ばすため異国の文化を積極的に取り入れるというスタイルが流行っていたらしく、遺跡によって雰囲気がガラリと変わると言われています。
また、それにともない遺跡の名前なども、取り込んだ文化の影響を受けてかバラバラであり同じ地方にある遺跡だというのに統一感がないのが特徴なのだそうです。(なので、「フ・ルーイ遺跡」とかいうギャグみたいな名前でも問題はありません。もっとも、他版権にモロに関係する名前や公共良俗に反する様な名前ならばNGですが)
この土地の前文明は、海の満ち引きと深く関係のある月を神として崇めていました。月の神子の血筋に連なる満月の民が王としてアマルナ地方全体を統治し、その分家筋が様々な月の名を関する民(三日月の民、半月の民などなど)として都市国家を運営して王に仕えました。
少々特殊なのは、この分家筋はお互いに協力し合って繁栄しつつも、様々な国や地方からの文化や技術を取り入れ、個性的な遺跡を残している事です。特に海中遺跡の多くはこの分家筋のものが殆どなので、同じ遺跡と言っても素材こそ石造りが多いですが雰囲気そのものはかなり異なるかもしれません。(逆に、地上の白亜の遺跡は満月の民とされる本家筋のものが多いようです)
ただ、どれほど形状が異なっている遺跡であっても、どこかに月のマークが刻印されているので同じ前文明のものだとわかりやすいようです。
また、研究途中の話ではありますが、中には星海ゲートの様なものを使って異界との交流があった形跡のある遺跡も見つかったことがあるそうですが……現時点で安定運用が出来そうなものは残っていない様です。
地上の遺跡は特にアンブロシア付近に多く存在するようです。
それは当然で、アンブロシアという街そのものが前文明の遺跡を流用して発展してきた都市だからです。その関係上、街中では様々な場所に遺跡がリフォームされた形で活用されている姿を見ることが可能でしょう。(遺跡といえども現在の建築物より頑丈に作られているので、公共機関や宿泊施設に使われている事が多いようです)
中には、観光客向けに観覧料を払って中を見ることの出来る遺跡などもあるようで、そのどれもが専門の機関によって安全確認されたものとなっています。勿論、街中以外でも様々な場所に遺跡は点在していますが、アンブロシアから離れると数がかなり減る様です。
逆に、海中の遺跡はかなり広い範囲に数多く点在しているようで、アマルナ湾全域に及ぶようです。
あまりに数が多い事もあってその全貌は明らかにはなっていません。未だに調査を進めている真っ最中であり、機構そのものが生きている遺跡も多い関係上、冒険者が必要とされる事も多くなるようです。アマルナ湾の外海にも幾らかは遺跡はあるようですが、数は湾内程には多くはありません。
海中遺跡の中でも既に機能を停止しており調査が済んでいるものの中には、観光名所として一部だけ一般公開されているものもあるようです。
完全に調査が完了したもの以外の遺跡は、まだ機構が普通に動いていて「生きている」と称されるものも多く、決して安全とは言い切れません。勿論、中にはただの住居跡のようなもので無害な遺跡もあるでしょうが、そういったものは朽ち果てている事がほとんどです。(特に地上の遺跡はこの傾向が強いようです)
生きた遺跡の中には、何らかの防衛機構が残っていることも少なくない為、研究員もよほど慣れた者以外は冒険者を雇うなどして遺跡を調査している事が多い様です。
また、海中遺跡はどういう原理か劣化が少ないものが多く、生きた遺跡が多い傾向があります。中には地形の変動などに巻き込まれて変な形になっている遺跡(入口が空側に向いたまま沈んでいる、など)も少なくないとか。内部まで海水に満たされているものもあれば、逆に何らかの機構で呼吸できる環境が保たれているものもあるなど、一筋縄ではいかない遺跡が多いようです。
このアマルナ地方にかつて繁栄した前文明は、高度な石材加工技術をもっていたらしく、その建築物は下手な建物よりよほど頑丈な作りとなっています。中には何らかの魔術的な保護が為されているものも多く、簡単には壊せないものや劣化に非常に強い遺跡なども存在しています。
特に使われる率の高い石材は大理石で、一般人の住処のようなものから何らかの施設らしきものまでこれを活用した遺跡が多いようですが、稀に重要施設などは黒曜石(クレート山脈の一角にあるヴァルメーガ火山近辺が産地として有名)などで造られている事があり、危険度も高い様です。