2025年8月28日:「素材」に1件追加、1件更新しました。
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以下の諸々は、シナリオや素材作成の際の一つの基準として参考にしてください。
領主側の所属する「スンルーモ」と先住民の子孫が中心となる「ルーンルーモ」は、表立って関わる事は避けているもののお互いに同じ目標を掲げた同志のようなものです。特に末端はその傾向が強く、お互いの領域を侵さないように気を使っている様です。
例えば、アンブロシアでは基本的に賭け事は(トラブルの種になるため)ご法度ですが、暗黙の了解のもとで運営されている賭場そのものは存在します。
こういったアンダーグラウンドに属するものは「ルーンルーモ」派閥の管理する場所にあり、領主側で許可は出来ないがかといって無理に取締もしない……といった非干渉の約束によって可能になっており、表では見かけない物や商売などを扱っている事が多いです。(ただし、犯罪に関わるような事態ともなれば非干渉の約束は反故にされ摘発されても文句は言えません)
末端同士の関わりはなくとも、トップ同士ともなれば(そう頻繁ではないものの)情報の共有は行っており、いざとなれば連携や協力も辞さないなど、わりと柔軟な対応でこの関係を続けているようです。
その全ては、このアマルナ地方に暮らす全ての人々の安定した生活と平穏の為であり、表舞台では「スンルーモ」が誠実に活動を行い、その裏では「ルーンルーモ」がひっそりと暗躍し続けているのです。
アマルナ地方には昔から2つの派閥があります。
片方は、旧時代から現代に到るまでこのアマルナ地方に古くから暮らす先住の民を中心とした派閥「ルーンルーモ」。片方は、ここ三百年ほど前に内陸側からやってきて、このアンブロシア含む周辺地域を一大観光地まで発展させた貴族等を中心とする「スンルーモ」。
かつて、スンルーモの代表でありアマルナ地方の統治を任された貴族ドノヴァン卿は、とても傲慢で傍若無人の限りを尽くし、自らの利益のために先住民を虐げ追い出し、多くの民から不当な搾取を行うなど、非常に嫌われるタイプの領主だった様です。
彼の統治時代は暗黒時代とも呼ばれており、この頃に貴族たちに反発する先住の民を中心に立ち上げられたのが「ルーンルーモ」という民間の互助組織です。義賊団の様な立ち位置の組織で、暗黒時代は様々な場所で暗躍しながら人々を守っていました。(後に彼らは、貴族たちの中でも腐敗に染まっていなかった一人の人物……現在の領主の先祖トスカーナ卿と手を組み、ドノヴァン卿の罪と行いを糾弾し領主の座から引きずり下ろす事に成功します)
現在でも「ルーンルーモ」はマフィアという形でこのアマルナ地方に存在します。
もっとも、基本的には法を犯したりする犯罪に走る組織ではなく、有事には行政側との連携も普通に行うなど民間互助組織である事には変わりません。「スンルーモ」との関係も(時に意見がぶつかる事もありますが)このアマルナ地方の民を守るという同じ目的を持つ同志として、対等の関係を築いています。
とはいえ、「ルーンルーモ」は行政側ではあまり表立って関わる事の難しい裏の存在(盗賊ギルドや賭博関係などはその最たるものです)に対する対応を行うなど、今でも裏で暗躍する組織である事は変わりません。「スンルーモ」は表の社会を、「ルーンルーモ」は裏の社会を守ることで、アマルナ地方の平穏は保たれているのです。
その関係上、彼らの縄張りを無作法に荒らすような存在は当然ながら粛清対象となる事は想像に容易いでしょう。そういった依頼が、何らかの形で冒険者に舞い込むこともあるかもしれません。
ちなみに、現在の「ルーンルーモ」の代表者は『星の会(ステーラ・クンヴェーノ)』会長のイザベラという女性だそうです。
アマルナ地方を統治するのは、とある貴族の女領主です。観光業と漁業で大きく発展しているこの土地を治める為に、基本的には公務に追われており表に出てくる事はありません。何らかの行政機関から冒険者への依頼(例えば、街道の魔物退治や開拓団を派遣する際の護衛など)があるとしても、彼女本人ではなくその部下の誰かから、という形になるかと思います。
ちなみに、まだ先代から代替わりしてそう長くはないのですが、貴族ながら民と多く関わる事を愛し、人柄をよく知る地元の人々に親しまれている豪快な女傑であるのだとか。まだ先代が元気だった頃は、漁船に自ら乗り込んで漁に出たり、危険な生物が発生した際に真っ先に先陣に立って戦ったりしたという逸話もあるのだそうです。
アマルナ地方は海に広く面している事もあり、漁業が非常に盛んです。地方全体には無数の漁師たちが暮らしていますが、彼らを統括しているのが「アマルナ漁業協同組合(通称アマルナ漁協)」になります。
このアマルナ漁協は、
漁業権や水産資源の管理
販売のための流通ルートの提供
所属員の漁師生活の補助
新米漁師育成のための手助け
などといった様々な事柄をおこなっており、この地域全体の漁業活動を支えています。
この漁協への所属は個人からは勿論、複数人のチームや、大人数での団体などでも可能で、漁師たちは各々の形でアマルナ漁協に所属しながら、日々の漁師活動に勤しんでいるというわけです。
このアマルナ漁協所属団体の中でも特に有名なのが、アマルナ湾固有種の漁業権を与えられている漁師団『ステルセルチョ』です。百人程度が所属しているアマルナ地方最大の漁師団であり、この団に入るには相応の経験と漁業実績、そして何より周囲を納得させるだけの信頼実績が必要だと言われています。
彼らの漁は主に夜が多く、月の光の下で輝く魚たちを勇壮に追う姿から「星追い(ステルセルチョ)」という名がついたのだとか。その美しくも勇ましい漁を遠方から眺めるツアーも、稀にアンブロシアで受け付けられているという噂があります。
もっとも、星魚をはじめとしたアマルナ湾固有種の身体に生える結晶は、魔力を秘めた特殊なものです。それを狙って魔物なども稀に現れる事があるため、漁そのものもとても危険な事が多く、場合によっては冒険者に護衛を雇う場合もあるそうです。(もっとも、船酔いするような冒険者ではお話にならないのですが)
それなりに大きな都市を要するこのアマルナ地方では、大体の組織がアンブロシアに拠点を構えている様です。
以下はそれらの組織の一例になります。
冒険者宿(冒険者ギルドとの連携をしている宿で、街中に複数存在します。外から来た冒険者などでも、一時拠点としてどこかの宿に登録さえすれば依頼を受けることは可能なようです)
盗賊ギルド(交易都市リューンにあるものと大体は同じです。アンブロシアの裏を支配するマフィアとも関わりがあるらしく、ちゃんと筋を通さないと大変なことになるとか何とか……)
聖北教会(交易都市リューンにあるものと大体は同じですが、この街の教会は穏健派に属するものらしく、この土地固有の風習や文化、民間信仰などもおおらかに受け入れている様です)
闘技場(海沿いの古代遺跡を活用したコロシアムでの闘技大会は、観光の目玉の一つとされています。何とコロシアムそのものの変形機構がまだ生きているらしく、海の水を引き込む事で簡易的な水上戦なども出来るのだとか)
賢者の塔(交易都市リューンにあるものと大体は同じです。扱う技能も同じものは当然ありますが、水の多い環境もあってか水属性の魔術などの開発と研鑽に余念がありません)
精霊宮(交易都市リューンにあるものと大体は同じです。ただ、海に近い環境もあってか水に属する精霊との交流が盛んなようです)
勿論、これらの組織以外にも、何らかの組織は普通にあるかもしれません。
アマルナ地方に存在していた前文明を研究する専門機関です。この土地の遺跡を調査する場合は、基本的にこの機関からの依頼を受けて挑むか、事前に申請して調査資格を得ておく必要があります。(この機関からの依頼を受けるとPT単位で自動的に仮の許可は出ますが、失敗すると取り消されてしまうので要注意)
自分で遺跡をどんどん探検していくタイプの研究者もいるようですが、大体は戦闘力などもあまりない為、調査中の護衛や安全確保のための人員を冒険者ギルド経由で依頼する事が多い関係上、冒険者との関わりは自然と多くなる組織です。
メイリア調査団程に組織の資金は潤沢ではないらしく、依頼料そのものはあまり高額ではありませんが、依頼を請け負ってくれた冒険者への衣食住の補助などを含めた福利厚生はしっかりと確保してくれる関係上、わりと美味しい依頼主と言えるかもしれません。また、危険手当などは交渉さえすればそれなりに出してくれるようです。