課題研究発表

国語教育学を見つめ直し展望する


国語科実践研究は何を、どのような枠組みで語るべきなのか

2021.10.17/9:30-12:30

テーマ

 国語科授業の開発や向上を使命とする国語教育学にとって、実践研究は欠かすことのできない研究領域であると考えます。その方法や目的をめぐっては、これまで本学会でも繰り返し議論されてきましたし、これからも議論され続けるべき問題です。

 実践研究をめぐる学会内外の近年の動向として、①心理学において授業を対象とした研究が盛んになっていること、②研究者と実践者の共同による開発的な研究が見られること、③教職大学院の創設に伴い実践者自身による実践研究が増えていること、などが挙げられます。こうした状況に鑑みたとき、私たちは、国語教育学の実践研究として、実践をどのような「枠組み」で捉えるべきなのかを改めて認識する必要があるように思います。その枠組みのあり様や焦点化の仕方によって、実践研究の手法も選び取られていくからです。また、実践研究のそれぞれの手法・立場だからこそ語れるもの/語れないものは「何か」を共有する必要があるように思います。そうすることによって初めて、それぞれの実践研究の強みと弱みを自覚し、多様な角度から知見を蓄積していくことができると考えるからです。

 今回の課題研究のテーマ「国語科実践研究は何を、どのような枠組みで語るべきなのか」は、こうした狙いのもとに設定・企画されました。当日は、登壇者それぞれの実践研究経験にもとづき、以上の問題について議論していきます。


登壇者

古賀洋一(島根県立大学)

八田幸恵(大阪教育大学)

土居正博(神奈川県川崎市立はるひ野小学校)

コーディネーター

住田勝(大阪教育大学)