「地域おこし協力隊」とは、一定期間地域に居住して、地域ブランドや地場産品の開発・販売・PR等の地域おこしの⽀援や、農林⽔産業への従事、住⺠の⽣活⽀援などの「地域協⼒活動」を⾏う取組です。2024年より、甘楽町より特別に地域おこし協力隊インターン「東洋大生」枠が用意され、活動を行っています。
国際学部 本嶋さん
インバウンド戦略提案「世界に愛される甘楽へ」
私はこれまで海外での留学とインターンシップを通じて、多様な文化や視点を学んできました。高校時代にはフィリピンのマニラで1年間、大学時代にはスペインのビルバオで10ヵ月間留学しました。その後、スペインのNGOで10ヵ月間インターンを行い、フィリピンの日系企業で2ヵ月間勤務しました。これらの経験は、私に異なる文化の理解を深めるとともに、地域の歴史や文化への関心を高めるきっかけとなりました。このような背景から、甘楽町のインターンシップに参加した理由は大きく2つあります。第一に、甘楽町の美しい自然や豊かな歴史に触れたかったことです。第二に、留学を通じて日本の地域文化や歴史についての理解が不足していると感じ、インターンを通じてそれを学びたいという思いからです。
甘楽町のインターンシップでは、地域に深く入り込み、甘楽町の日常を体験しました。お祭りや御神輿への参加を通じて住民と交流し、新屋学童保育での支援や対話を行いました。また、歌声喫茶での多世代交流や農家訪問、さらにはキウイの剪定作業や町内PR用の動画撮影、観光資源の調査(古墳巡りや瓦ギャラリー)にも携わりました。これらの活動を通じて、地域の人々との絆が深まり、町の魅力を感じることができました。この体験から甘楽町をより多くの人が訪れる観光地にしていきたいという思いが生まれました。
現在、甘楽町の課題として、インバウンド需要を引き上げることが挙げられます。2024年時点で群馬県の延べ宿泊数は43万人ですが、甘楽町の観光資源(こんにゃくパーク、美しい自然や歴史など)を活かし、もっとインバウンドの需要を高められる可能性があります。特に「コト消費」にシフトし、既存のリソースをパッケージ化することで、消費額を倍増させることが目標です。現状、甘楽町での1人あたりの消費額は6.3万円ですが、これを12.6万円に引き上げることが目標です。例えば、高崎、富岡、甘楽を組み合わせて、自然や歴史、おもてなしの部分を甘楽町が担当する形で観光プログラムを提案することができます。農家との交流を通じてBBQ体験や、秋畑での天体観測、楽山園でのお茶会などを取り入れることで、地域の魅力を引き出しながら観光消費を促進できます。また、欧米豪層の観光客は、平均宿泊費が全国平均の約1.5倍以上であるため、古民家での宿泊や体験プログラムを提供することで、12.6万円の消費額を達成する可能性が十分にあります。甘楽町の強みである楽山園や養蚕の歴史、おもてなしを活かし、「独占感」や「ストーリー」を付加することで、観光客にとって価値のある体験を提供できるでしょう。
さらに、町のインバウンド需要を高めるためには、「甘楽の人々」を観光資源として活用することが重要です。地域の学生をボランティアとして起用し、英語対応の案内を行うことで、外国人観光客の受け入れ体制を整え、町全体で「おもてなし」を準備することが可能です。SNSの反響を活用するため、地域の学生が外国人留学生と連携してSNSで情報発信を行い、町外への認知拡大を狙います。具体的な施策としては、夏季に実施する実証実験モニターツアーが挙げられます。留学生を招待し、彼らのフィードバックを元に「最強の甘楽プラン」を構築します。このプロジェクトでは、古民家での宿泊体験や、農業体験を通じて、どのような体験に対してどれくらいの対価を支払う意欲があるかをヒアリングし、価格設定やサービス内容を調整していきます。また、地元学生が英語で観光案内を行い、SNSで発信することによって、町外の人々への認知度を高めることを目指します。
最終的には、「甘楽インバウンド受け入れマニュアル」や「外国人向け推奨観光プラン」を作成し、観光地としての発展を目指します。このような活動を通じて、甘楽町のインバウンド需要を高め、地域経済に貢献することができると確信しています。このように、地域資源を活用しつつ、実証実験を通じて需要を検証し、インバウンドの受け入れ体制を整えていくことが「世界に愛される甘楽」へと近づく第一歩となると考えています。
福祉社会デザイン学部 佐々木さん
―甘楽町の魅力を伝えたい―インターンから始まる地域発信
私が甘楽町地域おこし協力隊インターンに参加したきっかけは、2024年に甘楽町で開催されたキウイフルーツの収穫体験で甘楽町の人の温かさに触れて、もっと甘楽町を知りたいと思ったことでした。また、大学では地域活動のボランティアに積極的に参加しており、「地域おこし」にも興味を持ち、色々な地域を見てみたいという思いもあり、今回参加しました。
2026年3月4日から3週間、甘楽町地域おこし協力隊インターンとして地域の方々と様々な活動を行いました。最初の週末には笹森稲荷神社春季例大祭へ参加し、神輿を担いで町内を回ったり、家の前では神輿を上げたり、途中で神輿を回すパフォーマンスを行うなどして祭りを盛り上げました。地元の方々の祭りへの熱い思いや地域のコミュニティとしての祭りの存在意義を実感しました。3月9日~13日は福島小学校の放課後子ども教室・学童で子ども支援活動に参加しました。様々なレクリエーションを企画し、子どもたちの声を取り入れた遊びを実施するなど個々に合わせた柔軟な対応を心掛けました。3月9日には「げつのみ」という地域のイベントに参加しました。地元の洋品店で開催され、誰でもウェルカムな空間でいつ来ても、いつ帰っても良いとのことで、色々な人が色々な場所から集まっていました。多世代の交流の場となっており、美味しい料理や飲み物に囲まれ、とても楽しい時間を過ごしました。その他の活動としては、地域と障がいのある人との交流の場となっているプレパレ「歌声喫茶」への参加、キウイフルーツや菊の農作業体験、放課後等デイサービスで障がいがある子ども達との交流、楽器という共通の趣味を通して紹介していただいた地元の方との交流など、甘楽町で多くの方々との出会いがありました。
休日には甘楽町の飲食店や観光スポットを訪問し、数々の甘楽町の魅力を発見しました。その魅力を多くの人に知ってもらいたいとの思いから、Tiktokは新たにアカウントを作成し、2026年3月15日から現在までで総再生数1万再生を超えました。甘楽町の認知度を上げることで、町が抱えている課題、具体的には人材不足や長期で関わっていく人が少ないなどの問題を解決していく糸口につながるのではないかと考えています。まずは大学内で甘楽町の食材を使った料理教室の開催、甘楽町での日帰りプチボランティア体験など、参加のハードルが低いイベントを企画してみたいと思っています。
経済学部 笠原さん
甘楽町での学びと気づき 〜子ども支援と地域交流の体験〜
私は甘楽町で2週間のインターンに参加し、地域の子育て支援や町づくりに関わる様々な活動を経験しました。学童保育支援では、新屋小学校、福島小学校、小幡小学校の3つの学童にそれぞれ1日ずつ訪問し、遊びや学習のサポートを行いました。また、夏祭り運営の支援として、8月14日の甘楽町商工会夏まつりでは設営やこどもくじの手伝い、8月17日の下平夏祭りでは設営と屋台の売り子の手伝いをしました。さらに、地域おこし協力隊や有機農家、地元事業者の方々へのインタビューを通じて、仕事のやりがいや困難、地域の変化への対応について学ぶことができました。
これらの経験を通して、甘楽町には若い支援員が不足しているという課題を強く感じました。学童は広く冷房も完備で安心して子どもを預けられますが、通常開所日が14時からであるため、若者の勤務が難しい現状があります。そこで、高校生や大学生のアルバイトを募集することで、子どもと年齢が近く親しみやすい支援が可能になり、将来の教員や支援員を目指すきっかけにもなります。また、地域のルールや情報の共有不足も課題であるため、「集落の教科書」を作成し、先人のインタビューや頼れる場所を掲載することが有効と考えます。
私たちインターン生にできることとしては、子育て支援情報をわかりやすくまとめてSNSで発信することや、体験ツアーを通じて地域の先人と触れ合い、疑問点を解消しながら住民との交流を深めることが挙げられます。今回のインターンを通して、多くの方と出会い、自然豊かで温かい甘楽町の魅力を実感しました。また、元気な子どもたちと活動する中で、健やかに過ごせる環境づくりへの思いがより一層強くなりました。
福祉社会デザイン学部 野田さん
地域と学生をつなぐ甘楽町インターン活動の記録
私は甘楽町で2週間のインターンに参加し、地域活動やインタビューを通して町の魅力や課題を学びました。活動内容としては、商工会の夏祭り、天引地区のお祭り、そして「何もしない合宿」に参加し、住民との交流や運営のサポートを行いました。また、地域おこし協力隊や農家、個人店の方々へのインタビューを通して、仕事のやりがいや地域の課題を深く知ることができました。具体的には、kanrano saunaの齋藤さん、富田製麺の菊池さん、キウイ農家の依田さん、地域おこし協力隊の柴山さんや庄司さん、菓子工房こまつやの山本さんなど、多様な方々から貴重な話を伺いました。
私たちの強みは、大学という大きなコミュニティや他大学・連携機関を通じた情報拡散力、そしてインターン経験者としての視点です。地域の情報発信においては、単なるキャッチコピーではなく、甘楽町に実際に来て、住んで、共感してもらえる「リアル」を届けることが重要です。
また、今後のインターン生や地域おこし協力隊への提案として、移住者の本音を知るインタビューを行い、地域の生活や課題を深く伝えることで、町と参加者双方の理解を高めることができます。さらに、インターン受け入れ体制の見直しやスケジュールの事前告知、広報に参加者の声を反映させることで、学生の目的と町の意向をマッチングし、活動に集中できる環境を整えることができ、より質の高い活動につなげることができます。
総合情報学部 重久さん
甘楽町での地域体験と提案 〜インターンから見えた課題と改善策〜
私は将来、地方公務員として地域創生に携わりたいと考え、甘楽町で2週間のインターンに参加しました。目的は、様々な市町村の暮らしの実情を知り、地域おこし協力隊という制度の活動を理解し、実際に地域を盛り上げる体験をすることでした。
活動内容としては、学童保育支援、夏祭り運営、地域おこし協力隊や農家・個人店の方へのインタビューを行いました。学童では新屋小でのバルーンアート、福島小での自己紹介、小幡小での準備体操を通して子どもたちと交流しました。祭りでは商工会の子どもくじや盆踊り、屋台の手伝いを経験しました。また、柴山さん(地域おこし協力隊)、中野さん(農家)、山本さん(こまつや)などから地域活動のやりがいや課題を伺いました。
活動を通して見えた課題は四つです。まず、インターン活動に連続性がなく、以前のインターン生との交流や引継ぎが少ないこと。次に、地域おこし協力隊との関わりが浅く、より深い体験ができないこと。さらに、インターンから協力隊へのステップアップの前例が少なく、制度のイメージがつきにくいこと。最後に、インターンシップ自体の知名度が低く、大学以外への周知が不足していることです。
これらを解決するため、「地域おこし協力隊インターン生弟子入り制度」を提案します。インターン生が特定の協力隊員に弟子入りし、1対1で5日間ほど独自のプログラムを行う制度です。これにより、連続性のある活動が可能となり、協力隊との深い関わりや親密な関係を築けます。また、協力隊の活動を近くで体験することで将来の進路のイメージがつきやすくなり、インターン生の活動が地域に直接貢献することで制度の知名度向上にもつながると考えます。
国際学部 高瀬さん
人との縁が創り出してくれた甘楽町との関わりと地域おこしへの想い
2024年の2⽉に初めて地域おこし協⼒隊インターンとして⽢楽町に訪れました。この期間では、新屋学童・放課後⼦ども教室のサポート、「美味しいものマップ」の情報更新業務、笹森稲荷の例⼤祭の神輿担ぎを主に⾏いました。その他にも、インターンの受け⼊れを担当していた⽢楽町地域魅⼒化特命室の⾼⽥健⼆室⻑の紹介で、⽢楽町の産業を担う多くの⽅々との交流を重ねてきました。その中で、地域おこしの⼀つのキーポイントとして「⼈との繋がり」の重要性を感じました。
私がその後⽢楽町に何度も来るようになったきっかけは有機農業農家の依⽥さんとの出会いです。依⽥さんはご⾼齢ながら今なお⽢楽町の有機農業を⽀えている第⼀⼈者で、私がもともと農業に関⼼があったことから、地域おこし協⼒隊の⾼さんを通じて知り合い、⼀緒に農作業をさせていただくことになりました。そこで⽢楽町の有機農業の現状、若い担い⼿の必要性を話していただき、⾃分が思っていたよりも農業界隈が深刻な状況にあることを知りました。それ以降私は定期的に⽢楽町に通っては、依⽥さんのもとで農作業をお⼿伝いしています。また、依⽥さんを通じて有機農業研究会の皆様とも交流を重ね、2024年の11/4には学⽣を対象にした有機農業研究会と共同の農業体験イベントを企画、実⾏しました。
私がこれまでに何度も⽢楽町に帰ってきたきっかけは、⼈との縁が創り出してくれたものです。⼈との縁は、地域活性化に必要不可⽋な他、⼈間の成⻑にも⼤きな役割を果たしていると私は考えます。様々な⼈々との交流を通じて、挑戦することの⼤切さ、⾝の回りの今を守ることの重要性を学び、⾃⾝の成⻑に繋がりました。私にとってこのインターンは⼈⽣の転換点でした。私と同じく⼈⽣の岐路に⽴つ学⽣たちにも、この想いを感じてほしい、地域活性化に奮闘する⽢楽町という素晴らしい町を知ってほしい。彼らと同じ⽴場として、町と学⽣の橋渡しができるのであれば、何よりも幸せなことです。
募集情報詳細はボランティア支援室学内情報ページへ ※閲覧には学内アカウントが必要です