「スポーツの現代的課題」プロジェクトの第9回研究会を開催

「スポーツの現代的課題」プロジェクトの第9回研究会を開催しました


現代社会総合研究所「スポーツの現代的課題」プロジェクト 第9回研究会

2017年12月19日(火)17時00分~19時00分

於 東洋大学白山キャンパス 8号館中2階 第2会議室

 

報告1  「スポーツ法の現状」

報告者  清水宏 (東洋大学法学部教授)

スポーツと法との関わりについて、スポーツ基本法、憲法(教育権、プライバシー、国籍・性別等の平等、職業選択)・民法(不法行為、債務不履行、コーチング契約)、更には、紛争解決方法の問題点などが指摘された。


報告2   「スポーツと体罰」
報告者  宮原均 (東洋大学法学部教授)

わが国におけるスポーツと体罰の問題を、法令、裁判例、学説を紹介しながら論じた。体罰は、法令上は明治憲法下から絶対的に禁止されていたが、それにもかかわらず殴打等の体罰の問題が多発していること。その一方で、体罰にあたらない有形力の行使という概念が立てられ、議論は錯綜している。更に、アメリカの議論の紹介も行った。アメリカでは伝統的に体罰は許され、過度・不合理な体罰のみが禁止されている。日米ではスタートの位置が正反対であるが、一定の有形力の行使が肯定されるという点では共通している。課題は、財産上の不利益とは異なって身体の安全を侵害された場合には事後的な救済では不十分であり、事前の防止が必要となり、そのために手続上の権利・義務の議論が必要であると提案している。