12時30分~ 受付開始
13時30分~ 開会
総合司会
青木 辰司 / シンポジウム企画委員長 東洋大学社会学部教授
開会の辞
松園 俊志 / 東洋大学国際地域学部教授
東洋大学長開会メッセージ代読
青木 辰司
13時45分~ 基調講演
環境学教育への総合的アプローチ
山谷 修作 / 東洋大学経済学部教授
質疑応答
14時45分~ 休憩
14時55分~ パネルディスカッション
総合大学としての特性を活かした環境教育の展望
コーディネーター
青木 辰司 / 東洋大学現代社会総合研究所 企画委員長・東洋大学社会学部教授
パネリスト
山谷 修作 / 東洋大学経済学部教授
松園 俊志 / 東洋大学国際地域学部教授
長津 一史 / 東洋大学社会学部准教授
コメンテーター
澤谷 精 / NPO法人環境ネットワーク・文京理事長
16時55分~ 閉会の辞
山下 りえ子 / 東洋大学法学部教授
17時00分~ 閉会
環境学教育への総合的アプローチ
山谷 修作
環境教育はこれまで、主に小・中学校、高校において、国や自治体の支援のもとに教育プログラムに取り入れられてきました。高等教育機関としての大学については、各学部・大学院研究科の一般教育科目や専門科目として環境関連の科目が配置されているものの、体系的な環境教育から取り残されてきた、との感は否めません。大学においても、主体的に環境保全に参加する人材の育成をめざして、環境教育に積極的に取り組むことが求められています。総合大学の強みを活かして、各分野の専門知を結集し、環境問題の解決に向けた実践的な「環境学教育」のビジョンとプログラムを構築することが待たれます。東洋大学における環境学教育の取り組みや課題、展望について問題提起したいと思います。
青木 辰司
東洋大学の各学部においては、学部カリキュラム改定を経て多様な環境教育の展開を遂げています。地球環境問題から地域環境問題までの多元的な位相に対して、学際的な研究のアプローチがなされ、その成果が教育課程にどのように活かされているのか、Thinkglobally, act Locally と標榜されるように、地球レベルでの環境問題認識の「知」を豊かに創造する中で、多元的な科学的認識を活かしながら、現場の問題認識とその解決に向けて実践的な活動を展開するために、大学 は何をすべきか。
こうした問題意識の基に、多様な視点から議論を深め、環境教育に関する確かなプラットフォームの形成を目指してダイナミックな議論を創出したいと思います。
大学院における環境学教育の立ち上げ―「環境学研究コース」で何を学ぶか―
山谷 修作
環境問題はますます複雑化、グローバル化し、科学的知見の裏付けなしには論じられなくなってきました。一方、国や自治体の環境政策においては、環境税や排出量取引、ごみ有料化など経済分析になじむ手法の重要性が増しています。2009年度から大学院経済学研究科経済学専攻に立ち上げる「環境学研究コース」は、環境の「科学と経済学の統合プログラム」により、環境学の潮流変化に対応します。新たに開設するコースのねらいや教育体制、人材育成方針を紹介するとともに、報告者が唱える「見える化」の環境学にも触れたいと思います。
「環境学研究コース」の教育プログラム、担当教授のプロフィール、メッセージ、シラバスについては、「大学院ホームページ」→「経済学研究科」→「経済学専攻」→「環境学研究コース」→「教員紹介」でご覧ください。
国際地域学部の環境教育の現状と課題
松園 俊志
現在我々が直面しているグローバルな環境問題の内、地球温暖化の主要原因は、先進国のCO2の大量な排出と蓄積の歴史にある。産業革命以降のエネルギー転換は、先進国社会の快適性と便宜性に貢献してきた。ブルントラント・レポート以降、南北格差を克服するためサスティナブル・ディベロップメント(持続可能な開発)が地球規模で必要であるとの理念が先進諸国には受け入れられてきている。環境問題と経済的自立を両立させるために国際地域学部の環境教育もその役割を果たせるコンテンツが重要となる。
紙の臨地教育と地域間連携――地球環境に関する経験知の理解に向けて
長津 一史
社会学部では、グローバルな視野とフィールドワークに基づく具体の知識を接合し、現代の社会・文化現象を総合的に理解することを教育方針のひとつとしている。この方針のもと、社会文化システム学科を中心に、平成20年度から研究教育プロジェクト「紙の総合学習を通じた地域間連携――文京区を基点とする実践的臨地教育を目指して」を組織し、臨地教育の充実をはかっている。本報告では、同プロジェクトが紙を手がかりに地域と地球環境をいかに考え、実践しようとしているのか、その構想と取り組みを説明する。