今年度の県教研は紙上開催となりましたが、本校は提案発表をしました。
下にPDFファイルを貼り付けます。
概要ではありますが、本校の実践の目的を、紙面が許す範囲で論理的に説明しました。
以前から休校時にリモート朝礼は実施していましたが、今後は朝礼だけではなく授業も実施できるように準備していこうと思います。
授業を行うためには、基本的な授業の構成を考えることはもちろんですが、授業の受け方のルール作りや評価方法、時間割の作り方など課題がたくさんあります。
さらに、接続環境やイヤホンマイクの確認など、通信と機器の状態を確認して改善することも必要です。
本校では9月はじめから約一カ月かけて準備を進めます。
企画会議
授業の基本形を作って職員に周知する
個々の職員が授業構想を立てる
生徒にオンライン授業の説明をし、授業の受け方のルールを指導する。
学校内でオンライン授業を試行する。
生徒を帰宅させて1時間程度のオンライン授業を実施する。
生徒と教師を帰宅させ、自宅to自宅のオンライン授業を1時間程度実施する。
このようなステップを考えています。
Googleのサイトで、世界の大学(マサチューセッツ工科大学・カーネギーメロン大学)・日本の大学(慶応義塾大学・岡山大学)・私立高校中学校等と並んで、中山間地域の小規模公立中学校である頓原中学校が、「注目の事例」として紹介されています。(世界45事例の中の1つ)ぜひご覧ください。
いろいろな学校の校長先生や先生方、それから市町村の教育長さんと話をする中で、必ず驚いておっしゃるのが、
「頓原中学校はタブレットを持ち帰らせておられるのですか!?」
ということです。
これに対して私は、
「はい。持ち帰り前提で始めました。」とお答えしています。また、加えて、
「持ち帰るか持ち帰らないかということに関して議論もしていないし、迷いもしていません。持ち帰らなければ意味がないからです。」と言います。
本校に一人一台のタブレットPCが来たのは去年の6月。先生方には最初から、「配ったらすぐに持ち帰らせるように。」と伝えていましたので、先生方はそのようなスケジュールで実践なさいました。ですから子供たちは最初から持ち帰って活用を始めました。
よくある例は、『しばらくは持ち帰らないで学校の中だけで使って、様子を見て持ち帰らせるかどうかを考えましょう。』というのです。これはダメ。
多分、ずっと様子を見ることになるからです。なぜなら、リスクやデメリットを「妄想」するのが、教師はとても得意ですから。
配ったらすぐに持ち帰らせる。そのための準備をしてから配布する。
これ以外の選択肢はありません。
持ち帰らせないなら配らないほうがいい。
これらのことについて私の個人サイト(下)の左3段目「ICT活用のキーワード」「日常化」の中などで述べていますのでご参照ください。
タブレットを持ち帰らせないで行うICT教育はまさに旧様式の学習観に基づくICT教育で、30年~40年も前の教育といってもいいと思います。学習とか資質・能力ベースなどということについての理解が足らないのではないでしょうか。
「機器を購入したから時々義務的に使わなくてはいけない」とか、「別に使わなくてもできるけどとりあえず使ってみる」というようなICT教育では、使っても使わなくても教育効果に大差はありません。
ICTなどの現代のテクノロジーは、うまく使えば子供たちの能力を大きく成長させます。旧態依然とした感覚で行われる「なんちゃってICT教育」は、子供たちの成長機会を奪ってしまうことになるでしょう。教育関係者として、そのことにちゃんと責任を感じるべきだと思います。
2021年6月21日の、副町長・教育委員会視察に合わせて作ったプレゼンテーションをmp4に変換しました。(最新版です)
2020年11月5日の、飯南町議会教育経済常任委員会視察に合わせて作ったプレゼンテーションをmp4動画に変換しました。
ICT教育の研究を始めて25年が過ぎました。その中でたくさんの実践と研究を見てきましたが、一つだけ確実に言えることは、ICTの活用は「日常化」しなければほとんど効果はないということ。逆に、「日常化」ができてる場合は、教師側の想定外の連鎖的プラス効果があるということです。このことは、国内外の成果から言えるだけでなく、私自身の実践経験にからも実感できることです。そして、今、技術の進歩によって、「日常化」は容易に実現できるようになりました。
頓原中学校では、主としてG suite for educationを使い、classroomを媒介としたICT活用教育の日常化を進めています。頓原中学校が考える「日常化」とは具体的にどういうことかというと、
授業と家庭学習のシームレスなつながり
ということです。つまり、個人持ちのタブレットとG suiteのようなグループウェアによって、学校でも家庭でも(どこでも)、学習者中心の学習環境を立ち上げられるようにするということです。一人の時は一人で、仲間とつながる時はつながって、学校では先生やクラスメイトと協働で、いつでもどこでも、学習者の意欲と物理的環境に「学習環境」が最適化されるというのが「日常化」の目指すとことです。
ICTの日常化に必要なことは二つあると思います。
一つ目は、技術的バックボーン。技術の中にはさらに4つ。①タブレットなどの個人用端末、②グループウェアなどのアプリケーション、③クラウド、④高速回線です。
二つ目は、教師の授業観・学習観の変容です。知識を詰め込むタイプの教授・授業から、学習者中心の「主体的学び」にシフトすることが必須です。それは、ひいては、教師の役割の変容・教師観の変容にもつながるものだと思います。
以上のようなねらいを持って、頓原中学校はICT教育を推進しています。
学校のICT教育推進の根拠は、国を挙げて推進しているGIGAスクール構想です。
GIGAスクール構想については、ほとんど周知されていないと思いますので、頓原中学校ではサイト内に特設ページを設けて情報提供します。
GIGAスクール構想の概要がわかるものです。
Society5.0を生きる子供たちにとってはICT活用教育が必須
令和時代のスタンダードがICT教育
一人一台端末
高速大容量通信ネットワーク
クラウド活用
これらのことがGIGAスクール構想の理念です。
そして、このような理念の教育は、諸外国ではすでに数十年前から始められており、日本は「後進国」になっています。
以下が、GIGAスクール構想実現のロードマップですが、これは新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて、R2年度末までに完了するように改訂されています。
適切な通信ネットワークの利用
パブリッククラウドに基づくクラウドコンピューティングを利用した動画や音声データのやり取りがスムーズに可能になること
・・・高速大容量回線を前提とする(基準は1Gbps)
クラウドコンピューティングの利用を前提としたセキュリティポリシーの改訂