カナダは世界で初めて多文化主義政策を導入した国であり、人種やLGBTQ+などの多様性を重んじる国家です。文化の多様性を反映し食も多様性に富んでいます。食の多様性の中で、食材の生産方法の多様性とアクセスのしやすさについて、調査しています。
今回、ゲルフ市(カナダのオンタリオ州、トロント近郊の町、人口約14万人)にあるファーマーズマーケットを訪問しました。小さな町のゲルフですが、毎週土曜に開催されるこの市場には約2500人が訪れる人気の場所です。1827年創業と歴史も古く、近隣の農家にとっては直接販売できる場所であり、住民にとっては新鮮な農産物を街中で購入できる場所です。交流も楽しみの1つで、美味しく手軽なとうもろこしのレンチン方法を教えてもらいました。(皮ごとレンジでチンして、根元を3センチほど切り落とし、頭の部分を持って押し出します。熱いので軍手などが必須ですが、つるりと出てきて、ひげを取らずに簡単です。皮がラップの代わりになります。)
農産物、畜産物、加工品、揚げたてドーナッツ、餃子、生春巻きなども売られていました。さて、その中には、(非常に厳格な)有機農産物を販売しているお店、グルテンフリーのクッキーのお店、マクロビオティックのお店もあります。
価格は高めですが、アクセスしやすい場所で新鮮な食材を購入できるのは魅力です。選択肢の多様性が確保されていること(オーガニックではない農作物も販売されています)が重要だと考えています。さらに、興味深いのは、オーガニックと手軽さの双方を兼ね備えた商品が販売されていることです。袋詰めのサラダ用野菜は、このままサラダとして使えますが、オーガニックなのです。オーガニックを好んで食べる人々は、手間暇かけて、丁寧に料理をして、、、という印象が強いですが、それでは消費の拡大につながりにくいと我々は考えています。簡便志向(手軽にすぐ食べることができる)と環境志向の両立は、このような商品をいかに増やしていくかが鍵となり、オーガニックの販売拡大につながると捉えています。
ゲルフ市HP
https://guelph.ca/living/recreation/rec-facilities/farmers-market/