2025年の3月から10月末までの7ヶ月間、カナダのGuelph大学にて在外研究を実施しました。私にとって、初の長期海外滞在であり、留学したこともなかったので(高校時代にサマーホームステイの経験があるのみ)、行く前から不安と期待で子どものように眠れないほど楽しみでした。
Guelphは、カナダで最も大きい都市のToronto から車で1時間ほどの小さな大学の街です。別名、Royal City とも呼ばれ、豊かな自然と小さいながら便利な都市の機能、そして治安の良さから、常にカナダの住みたい街ランキングの上位に位置しているそうです。(1日1便ですが!)VIA鉄道を利用し、アメリカのミシガン州の手前まで行くことも可能です。
Guelph大学では、Niel先生を介して、カナダ農業経済学会長のBrady Deaton先生に受け入れて頂き、多くの知見と研究刺激、また人脈を築くことができました。先住民の食料アクセス問題、社会的弱者と経済格差を踏まえたタンパク質選好のモデル化について、議論を重ねることができました。またTongzhe先生からは行動経済学、実際の社会実験による研究方法について学び、環境評価の手法枠組みを拡大する理論的示唆を得ました。Guelph大学は学食が非常に充実していて、ビュッフェ形式で好きなものを選ぶシステムや自分の好きな具材と麺、ソースを選び、焼いてもらう鉄板焼きなど、大変美味しかったです。学内のカフェではproteinを増量することも可能で、タンパク質を多く摂取するトレンドはカナダでも同様です。
カナダの皆さんは業務時間に全集中して仕事し、5時以降は完全にプライベート時間と切り分けて生活している方が多い様子でした。家庭を大事にし、合理的に考える姿勢、寛容な考え方、丁寧な暮らし方など研究以外でもたくさんの人生のヒントをもらったと感じています。今後もカナダをはじめ、積極的に海外の研究者と交流し、良い研究を良いジャーナルに成果発表していこうと思っています。