<考え方>
曲面Sは点Aを頂点とする底面の半径が1、高さが1の円錐の側面です。
点Pを固定すると線分PQの通過領域は、点Pを頂点とする母線の長さが2の円錐の側面となります。点Pの座標を(s,t,u)とおくと、PQの中点Mのz座標は u/2 となり、Mは中心(s,t,u/2)、半径 √(4-u^2)/2 をの円周(周のみ。内部は含まない。)を描きます。
平面 z=u/2 におけるKの断面は、円周をz軸のまわりに回転させてできるドーナツとなります。(z=u/2におけるKの断面は、Pのz座標が u の場合のMの存在範囲となります。)
※円の内側にz軸が入る場合もありますが、回転させているのは、(円ではなく)円周だけなので、結果、内側に穴の空いたドーナツができあがります。
ドーナツの外円と内円の半径を求めて、断面積を計算し、z軸方向に積分してKの体積を求めます。
<制作>
余談ですが、1ヶ月ほど悩みました。
・まず、問題が難しい。
・何を制作すれば面白いか。
円錐を2つ制作しても面白くないだろう。立体Kはどんな形になるのか。外側しか見えないのは、面白くない。
Kの断面を作り、内側の立体も見えるようにしてみよう。(全体の比率として、Kの高さは小さくなるので、あまり細かくはできないが。)
試行錯誤した結果、実際に制作してみると、外側に比べ、内側は意外に変化のある曲面になっていることがわかりました。
Kは 1/2≦z≦1 の範囲に存在し、平面 z=3/5(ドーナツの内側の半径が0になるところ。),z=3/4(Pのz座標を 3/2 にとったところ。)で、立体を分割してみました。厚みを大きめに制作したので、重なり部分がずれています。
Kを3つに分割
(z=3/5,z=3/4)
重ねるとKになります。
S(上傘),PQの通過領域(z≧1/2)とK,PQの通過領域(z≦1/2)
S,K,PQの組み立て