<考え方>
(1)点Pは上面に膨らむ(原点O中心、半径√3の球面)のみではなく、立方体(箱S)の斜め横にもはみ出ます。
平面z=±x,z=±yが境界となります。
立方体の体積は自明です。上部(z≧1)についても、x,yに対称性はありますが、z軸に垂直な断面の面積は難しいので、x軸に垂直な方向の断面を考える方が無難でしょうか。
以下、z≧1の部分の体積を考えます。
上方向には、4面それぞれに45°ずつ「はみ出し」ます。「はみ出し(4か所)」部分をHとします。
①半径√3の球体のz≧1の部分の体積を積分で計算します。この体積は、求めたい上部の体積より、「はみ出し」部分の体積Hだけ大きくなります。
②x軸に垂直な方向での断面をー1≦x≦1の範囲で考えます。半径√(3-x^2)の扇型の面積をー1≦x≦1で積分したものから、立方体との共通部分である三角柱の体積を引くと求まります。この体積は、4か所の「はみ出し部分」の内、2か所を含んでいませんので、求めたい上部の体積より、H/2だけ小さくなります。
①―②を計算すると、3H/2の値が求まるので、Hを求めることができます。
最後に①からHを引くと、求めたいZ≧1の体積を計算することができます。
(2)点Nは、(1)の点Pと同様に動きます。さらにN(ONの先端)から、点PをSに気を付けながら動かすことになります。
x=t(―1≦x≦1)の断面を考えます。Nが立方体の上辺にいるときに、(半径)NP、中心角135°の扇型の分だけ「はみ出す」ことができます。(この部分が、(1)のVと(2)のWの差になります。)あとは、断面積を積分します。
(1)左側(2)右側
(1)上側(2)下側
並べてみると、違いが少しわかりやすい。
予備校の先生の解説を参考にしました。
(1)の体積は、球の体積から立方体の体積を引いて、6で割ると求まります。球体、見えなかった。すごいですね。中学生の問題でした。
立方体(穴あき),球体(フタなし),球体(穴あきフタ),長さが√3の線分OP(青)
※立方体は、中心まで穴をあけています。
立方体は球体(フタなし)の中に、ちょうどはまります。
球体(フタ)をして、穴に、長さが√3の線分OPを通しました。