大塔中学校校区は、東西約22㎞、南北約18㎞に広がり、総面積は219.06平方キロメートル(大阪市とほぼ同じ)と広大な校区ではあるが、過疎化による児童生徒の減少により、平成5年4月1日、鮎川中学校・富里中学校・三川中学校が統合して本校が設立された。
鮎川地区には鮎川小学校と大塔中学校が隣接している。三川地区には三川小学校があったが、平成27年度より鮎川小学校と統合した。また、富里地区には富里小学校があったが、平成29年度末を以て鮎川小学校に統合され、平成30年度からは1小学校、1中学校となった。富里地区、三川地区の生徒はともにスクールバスで通学している。
本校のある鮎川地区は、富田川の中流域に位置し、田辺市街地から15㎞ほど山間に入ったところにある。かつては林業・農業地帯であったが、現在は田辺市中心街までの道路状況が改善されたことから、田辺市、上富田町、白浜町などの近隣地域に勤める人々の住宅地域となっている。公営住宅等も多く近隣地域に比べると人口の減少は目立たなかったが、近年、生徒数は減少傾向にある。富里・三川の両地区では過疎化等によって人口の減少が続いている。今年度、富里地区では、3名、三川地区では、2名の生徒がスクールバスで通学している。
校区の大部分は山林である。豊かな自然が残されており、なかでも最奥部にある大塔山系には、特別天然記念物のニホンカモシカなど貴重な動植物が生息している。
本年度は、三川・富里・鮎川地区から56名の生徒が通学しており、生徒の性格は素直で純朴であり優しく、男女を問わず仲がよく、集団としてのまとまりもよい。一方、就学援助の受給率が25%を超え、経済的に恵まれない家庭も多い。生徒の課題としては、自律的な学習の弱さ、指示待ちの姿勢が見られることがあげられる。
旧大塔村時代より、地域連携教育や小中一貫教育を推進してきた背景もあり、保護者及び地域住民は学校教育に協力的であり、PTA作業や体育祭等の行事への参加は積極的である。この姿勢は良き伝統として、平成30年度からスタートした大塔地域学社融合推進協議会(大塔CS)の活動に発展的に受け継がれている。しかし、公営住宅の居住率が高く、共稼ぎの家庭や一人親家庭の増加に伴い、平日に行われる参観日等の出席率は低くなる傾向にある。また、昼間はほとんどの成人が田辺市など近郊に働きに出ているため、大きな災害が発生したときなど、本校生徒の地域での活動も期待される。このような地域の現状を十分踏まえ、地域に根ざした教育活動を展開する必要がある。
地域の中で生徒が自主的に活動し、地域への貢献を通して、自尊感情や自律的な生活力を養うことが本校の中心的なテーマであると考える。新学習指導要領の精神を生かし、新たな教育活動を展開する良い機会と前向きにとらえ、学校教育活動の充実を目指したい。
教育目標【スクールプラン】の見える化
毎月のあゆみ