組織運用:長期に渡って運用可能な基礎作り
約款制定:ルールの明文化
端末設定:アプリとシステムの構築
制限管理:リスクマネジメント
01:ICT推進委員会を組織します
02:ルール制定を行い明文化します
03:何をどう使用するか算段しデバッグを行います
04:危険領域を回避します
〈01:ICT推進委員会を組織します〉
ICTを進めるにあたって中心となるICT推進委員会を作ります。
現在、GIGAスクール構想を渋々行っている学校の失敗事例が表面化しております。
本来、中心となる組織を作り、そこで様々なトライ&エラ―を行った上で、教員全体へ、そして生徒へ伝播する事でICTを進めていきます。これを一部の教員へ丸投げする事で、無理やり進めようとした場合、端末は片隅に追いやられ使用しない可能性が高まります。
例えば教職員の机の上には、紙とペン、そしてパソコンがあります。パソコンだけでも効率が悪く、そのサポートとして紙とペンがあります。これが紙とペンだけであれば致命的に効率が悪くなります。自らはそれを分かっており、紙とペンとパソコンを使っているにも関わらず、生徒に対しては、紙とペンのみで学業を進めようとする姿勢が維持されております。
即ち、新たな試みとして学業領域にデジタル端末を持ち込む事を快く思っていない先生が多く、抵抗はかなり強めです。しかし、教員の業務量と近年求められている内容から、デジタルによる効率化は、待った無しの状況に至っております。
この抵抗強めの風潮を打破し、前に進める事がICT推進委員会の役割です。
〈02:ルール制定を行い明文化します〉
ルール制定委員を作り、ルールを明文化します。
何をして良いのか悪いのか明文化します。万事全てを対象にする事は出来ませんが、基本的な事、コンプライアンスに関わる事を明文化します。
例えばGPSについて。殆どの端末にGPSが付いており、端末の紛失時には確実に使用します。その為、端末の紛失時にはGPS等のシステムを使用し、端末を探す旨に署名頂く必要があります。
ICT推進委員会参加の先生を中心に組み立てていきます。
〈03:何をどう使用するか算段しデバッグを行います〉
システム委員を作り、使用するアプリ・システムを決めます。
使用するアプリを選定し、そのデバッグを行います。費用、稼働、データ量、安定性、効率性、ログイン、継続性などから導入するアプリを決定します。
例えばPDFを使用したいと考えた場合、実はPDFを編集する多くのアプリは有料です。この有料アプリ導入を決定した場合、運用の中心となる可能性があがります。しかしPDFを中心にICTを進めた場合、業務効率の改善は殆ど果たせません。
デバッグの段階でポテンシャルが低い事を捉え、採用を止める必要がありますが、デバッグしないと気付かない内容でもあります。
〈04:危険領域を回避します〉
悪意に対する備えを行います。
1日に100万個生まれると言われるマルウェア(日本ではウィルスと呼ばれます)に対して備えを行います。MDMやフィルタリングで最も危険なルートを封鎖します。
プロに本気で狙われると、どうしようもありまえせんが、一般的な備えは行う事をお勧めします。
以下は悪意のある人が実際に行う手法です。
【W・・・・・k】をインストールした端末を用意します。フリーエリアと同じ名称にして、SSIDでテザリングをONにします。接続した端末は、入力した全ての情報が抜かれます。この情報を元に次の悪意へ進みます。
予防方法は、外部のWi-Fiには繋がない事。
気付く方法は、フリーWi-Fiとは違う速度のWi-Fiに接続されている事に気付く事ですが、通常は不可能です。またはWi-Fiを使わない事ですが、SIMが無い限りこれも無理です。またMDMが無い場合、次の悪意に対する防衛力が致命的に足りません。
稀にコーヒーショップで、カップ片手にパソコンでネットを開いている姿を見ますが・・・あり得ません。