千原台高校の活動

千原台高校では、総合的な探究の時間の授業において「千原桜を世界的観光資源に」というテーマのもと、地域の宝である「千原桜」をより多くの人たちに知ってもらうための活動をしています。

千原台高校の探究活動の記録

・千原桜の原木の石碑を見学

 城西小学校の近くにある千原桜の原木の石碑を見学しました。原木は大正14年に道路改修の犠牲とはなったものの、当時を偲んで石碑が建てられており、私たちは最初の活動としてその石碑を見学しました。ここからが千原台高校の千原桜PR活動がスタートしました。

・千原桜ミニ講演会

講演会で教えていただいたこと

・千原桜は育てるのが大変難しいこと  

・自然災害等で数が減ってきてること

・市場価格が高いこと

・熊本市内に200~300本ほどあること

・幹がソメイヨシノより美しいこと   など

 2020年7月に千原桜保存会より講師をお招きして千原桜のミニ講演会を実施しました。私たちが調べて知ったこと以外にも知らないことがあり、千原桜についてより深く知ることができ、とても良い時間となりました。質疑応答の時間には私たちの疑問にしっかり答えてくださり、とても勉強になりました。

・課題の原因と整理

 これまで得た知識や情報をもとに、千原桜が「熊本市西区の観光資源になっていない」という課題について、原因や理由を「ロジックツリー」の手法を用いて考えました。すると、さまざまな原因が見えてきました。


課題の原因として

・千原桜の知名度が低い

・宣伝活動ができていない

・千原桜の魅力が伝わっていない

・西区への観光客が少ない      など

上の課題の原因を受け、千原桜を地域の観光資源にするために私たち自身で考えた取り組みの案として挙がったのは、

「千原桜の植樹活動」

「千原桜に関連したイベント」

「千原桜の広報活動」

「千原桜に関連した商品開発」   など

この中から、①コロナ禍でできること、②私たち自身の力で進めていけるもの、③本当にやりたいこと の3つの観点から、具体的な取り組みを絞り込み、6つのグループを作りました!

・6つのグループに分かれて活動開始

 千原桜の課題解決のために6つのグループに分かれて活動を開始しました。

「商品開発班」班

 千原桜をモチーフにした生菓子の商品開発に取り組む班。外国人観光客にも千原桜の魅力が伝わるような和菓子の商品の開発に努めています。

「ポスター制作」班

 千原桜に関連したイベントのポスターや商品のPOPづくりに取り組む班。千原桜の魅力が伝わるような写真素材を集めたり、キャッチコピーを考えたりしながら、他の班の活動をサポートする班です。

「千原桜名所マップ」班

 千原桜の名所を紹介する電子マップ制作に取り組む班。千原桜専用のガイドマップはこれまでなかったのでオリジナルで制作に取り組んでいます。

「SNSによる広報活動」班

 今の時代といったらこれ!千原桜に関する情報を、SNSで発信する班です。ツイッター、インスタグラムは特に若者の目に留まりやすく、たくさんの人に見てもらえるため積極的に情報発信に取り組んでいます。

「イベント企画」班

 千原桜に関するイベントの企画・運営する班です。コロナウィルス感染拡大に伴い活動が制限されているため、まずは校内の生徒に千原桜を知ってもらうための活動に着手しています。

「ホームページ作成」班

 このホームページを作成・管理している班です。千原桜専用のホームページを作成し、私たちの活動も含めて、千原桜の魅力や千原桜に情熱を注ぐ人たちの姿や思いを伝えられるホームページにしていきたいと考えています。SNSより詳しい情報を提供していく予定です。


以上、6つの班に分かれて千原桜のPR活動をしています。経験がとぼしく、難しい内容ですが、課題解決のために一生懸命活動に取り組んでいます。


・千原桜の木製のプレート作り

 千原台生にも千原桜を知らない人が多いので、イベント企画班が中心となって木製プレート作成に取り組みました。グループメンバー全員が思い思いにデザインを考えて、切り出した木片に、そのデザインを写し色をつけて校内の千原桜にかけました。千原台高校の校内にはたくさんの千原桜があるので私たちが作ったプレートを頼り探してみてください。

木の板を切る

ガスバーナーで焼く

(腐食防止のため)

デザインをもとに色付け

色々なプレートが完成

千原桜にかける

・映像づくりやデザインの出前講座

 2020年11月に崇城大学芸術学部から甲野准教授を講師としてお招きして、映像づくりやデザインに関する出前講座をしていただきました。さまざまなデザインや動画を見せていただき、見る側の心を掴むポイントがわかりました。今回学んだことをもとに千原桜の広報活動に活かしていきたいと思いました。

          出前講座の様子

・城西校区まちづくり委員会出前講座

 2020年12月に城西校区まちづくり委員会の観光部会から代表の渡辺様をお招きして、校区のまちづくりや観光部会で計画中の千原桜探訪コースについてお話を聞かせていただきました。また私たちからは、今までの活動を発表させていただきました。千原桜を通してこの地域を盛り上げていきたいという共通の目標であったため大変喜んでいただきました。これから積極的に協力しあっていきたいと考えています。

・写真撮影出前講座

 2021年3月にプロカメラマンの荒木様をゲストティーチャーとしてお招きして写真撮影に関する出前講座がありました。メンバーの中から商品開発班、ポスター班、SNS班の3つのグループが参加しました。商品撮影や風景撮影、人物撮影などテーマごとに撮影時のポイントや構図などを教えていただきました。また、実際の商品を使って写真撮影会があり、自作したレフ板を使って商品を美しく撮影する方法など具体的に教えていただきました。ここで教えていただいたおかげで、千原桜生菓子の宣伝用商品撮影に活かせました。

・ガーデンテーブル製作

 イベント企画のメンバー2人が2021年3月28日に実施された千原桜探訪コースに合わせてガーデンテーブルを製作しました。

 このテーブルは、地域の方々や本校の生徒がゆっくり花見のできるスペースとして、また保存会の方々の作業中の休憩所として気軽に使ってもらえるようにと考えたものです。中学校の授業以来の木工作業に挑戦した2人でしたが、「予想より上手く出来たし、評判も良かったのでつくって良かったです。」と自分たちも納得できる出来だったようです。

・千原桜生菓子の商品開発

 商品開発班が企画したのは「千原桜」をモチーフにした生菓子です。外国人観光客にもアピールできる商品として和菓子(生菓子)の開発に取り組みました。商品開発のメンバーがまず行ったのは生菓子を知ることでした。既存の商品の試食会を行い、季節感や花の容姿を生菓子で表現する方法などを学びました。次に原案を考え、粘土をつかって生菓子のデザインを具体的に考えました。また協力していただける業者を見つけるのに苦労しましたが、縁あってお菓子の香梅様にご協力いただけることになり、商品開発が本格的に動き出しました。

 和菓子職人の方に来校いただき、生菓子づくりを指導してもらった上で、千原桜の魅力をどう表現するかを考え、試作品をつくってもらい、検討を数回重ね、左写真のような千原桜生菓子がようやくできあがりました。

 また、生菓子ができあがってからは、販売に向けパッケージのサイズや色を決めたり、かけ紙をデザインする機会もいただき、販売する商品が完成していきました。

 千原桜生菓子は2021年3月28日に行われた「城西校区よかとこ案内 千原桜探訪コース」の日に、コース参加者向けに販売しました。また、このときの様子がNHKの「クマロク」という番組のビデオレターのコーナーで放送されました。

生菓子試食会

粘土で生菓子デザイン案を製作

お菓子の香梅の和菓子職人の方の指導を受けながら生菓子づくりを体験

千原桜の写真を見ながら、細かなデザイン等の変更を繰り返した

複数の試作品からより千原桜らしさを表現している商品を選定

千原桜探訪コースの参加者に向け、千原桜生菓子を販売

・千原桜写真展

 2021年5月下旬にイベント企画のメンバーが一年生にも千原桜について知ってもらいたいという目的で、校内で千原桜の写真展を行いました。

 写真展後に一年生に行ったアンケートによると、約36%の生徒に見にきてもらいました。これをきっかけに千原桜に興味を持つ人が増えたので良かったです。

「第30回熊本県高等学校生徒商業研究発表会」に参加し、なんと3位 入賞!!

 7月28日、熊本県民交流会館パレアで開催された「第30回熊本県高等学校生徒商業研究発表大会」に参加しました。地域の宝である千原桜を多くの人に知ってもらうために、高校生の私たちがこれまで行ってきた活動を発表させていただきました。結果は3位でした!他校の発表も素敵なものが多く、すばらしい成果をあげている活動もあり、とても刺激を受ける貴重な1日となりました。この結果が得られたのも、活動を応援してくださった多くの方々のおかげだと感謝しております。そしてこれを励みに、これからもこの活動を続けていきたいと考えています。