Research Tips
How to use Openchrom
Openchromの使い方の備忘録。Openchrom ver. 1.5.0 (Lablicate Edition) 用。Openchromのダウンロードはこちらから。
参考サイトhttps://spectrometrylab.wordpress.com/2016/11/30/file-based-identification-nist-db-alternative/https://spectrometrylab.wordpress.com/2016/11/30/peak-detection-first-derivative/
無料のMass spectra libraryをOpenchromで使えるようにする
MassBankのGithubのページからMassBank_NIST.msp(もしかしたらMassBank_RIKEN.mspもいける?)をダウンロードし、任意の場所に保存
Openchromを開き、環境設定 → A)Chromatography/Spectrometry → Identifier → Identifier (MSD) → File Identifierを開く
Load mass spectrum librariesの欄でブラウズし、1.でダウンロードしたデータベースを選択
Number of Targetsの欄で、ライブラリサーチで出力する候補の分子の数を決められそう。残りのパラメータはとりあえずデフォルトの値のままにし、Apply(あるいはApply and Close)のボタンを押す
解析方法(GC-MSの場合)
事前準備
環境設定 → A)Chromatography/Spectrometry → Peak Detector → First Derivative Peak Detector → MSDを選択。
Threshold levelをMedium、Minimum S/N ratioを2.0に設定し、ApplyもしくはApply and Closeのボタンを押す。
基本操作
起動して最初に出てくる画面にて、Data Analysisを選択。
Data Explorerタブからファイルにアクセスできるので、開きたい測定データをダブルクリックすると、Openchrom画面上にクロマトグラムが表示される。
クロマトグラフ上でドラッグすると選択範囲が表示され、手を離すと選択範囲が拡大される。クロマトグラフ上で右クリックし、Reset chart (1:1)を選ぶと最初の全体図に戻る。
Peak detection
・Automatic detection
Agilent technologies社などが採用している拡張子(.D)などで保存されているGC-MSの測定データ(サンプルごとにフォルダに分かれている)を開く。
メニューバーのChromatogram → Peak Detectors → First Derivative(あるいは"Chromatogram editor"タブに表示されたクロマトグラム上で右クリックしてPeak Detector → First Derivative)を実行すると、自動でクロマト上でピークを検出する。ピークの上に逆三角形のマークが表示される。
・Manual detection
上記のやり方で検出できなかったピークがある場合、まずはChromatogram editorタブのクロマトグラム上で対象のピークを拡大表示する。
ツールバー上の"Peaks"のボタンを押すと、ボタンの右下に赤丸がついて画面の一部のタブが切り替わり、"Peak detector"タブが出現する。
このタブ内の上の方にいくつかボタンがあるが、それぞれ「どのようにピークを選択するか」を選べるようになっている。ピークのベースラインを自分で引く方法でピークを選択する場合、"Modus (Baseline)"ボタンを押す(もしくはキーボードで"d"キーを押す)と選択可能になる。
Windowsの場合はControlキー、Macの場合はCommandキーを押しながらマウスをドラッグすると、新たにベースラインが引ける。
最後にタブ内の右上にある"Add the manually detected peak"ボタンを押すと、Chromatogram editorタブのクロマトグラム上でピークの上に逆三角形マークが表示される。
Noise filtering
"Chromatogram editor"タブに表示されたクロマトグラム上で右クリックしてChromatograph filter → Denoising filter → Use specific options → Ion to remove in all casesにて、除去したいイオンの質量を書き込むと、そのイオンを除いたTICを再描画してくれる。
Calculate peak area
Chromatogram editorタブのクロマトグラム上で右クリックしてPeak Integrator → Peak Integrator Trapezoid を実行すると、ピーク面積を測定。
ツールバー上の"Peaks"のボタンを押すと、ボタンの右下に赤丸がついて画面の一部のタブが切り替わり、"Peak/Scan list"タブが出現する。これに「RTとピーク開始・終了時間・高さ・面積・面積の全体を占める割合などが載った表」が表示される。
"Peak/Scan list"の表で、任意のピーク(行)を選択すると、クロマトグラム上で対応するピーク上の逆三角形マークの色が濃くなるので、これを、目印にピークを残すか否かを判断する。解析対象外のピークを除く場合は、Peak/Scan listの行を右クリックし、Peaks/Scan → Peak/Scan (Delete identifications)を選ぶと、確認のダイアログが出てくるので、OKを押すとリストから外すことができる。
Library search
クロマトグラムを右クリックし、Peak Identifier → Library File (MS)を選択すると、検索時の設定をSystemで設定した値を使うか、カスタムするか選べとダイアログが表示されるが、カスタムせずにFinishボタンを押すと、クロマトグラム上で自動検出された全ピークについてライブラリサーチが実行される。特定のピークのみライブラリサーチを行う場合は、ダブルクリックでピークを選択した後、右クリックでScan Identifier → Library File (MS)を選択する。
Targetsタブに現在選択中のピークの化合物候補一覧が表示され、Comparison Scanタブに現在選択中のピークのマススペクトルとライブラリにあるマススペクトルが比較表示され、Moleculeタブで構造式が表示される。デフォルトでは、ツールバー上のPeaksボタンが赤丸表示のときにPeak/Scan listとMoleculeタブが表示されるが、Peaksボタンに赤丸が無いときはこれらは表示されず、代わりにTargesタブが表示されている。ただ、ツールバー上の"Select view"ボタンを押せば、表示させるタブを変更することができる。
Targetsタブで候補物質の名前のある行にチェックを入れる(一番左にチェックを入れるマスがある)と、クロマトグラムのピークの上にある化合物名も自動で変わる。さらに、Peak/Scan listの表の上のEnable/disenable to edit the tableを押すと表の編集可能/ロックが切り替わるため、編集可能(Enable)にしてからName列のセルを選択すると、化合物名も自動で変更される(なぜか手動で変更できない。バグ?)。
Save data
Peak/Scan listを右クリックして、Select All を選んだ後、Export Table Selection → Copy to Clipboardを選択し、Microsoft Excelなど表計算アプリにペーストすると、ピークのRT、面積、化合物名などを含んだ一覧のエクセルファイルを作成できる。
クロマトグラムを右クリック→ Chromatogram Export → PDF Chromatogramを選択すると、(縦軸と横軸のラベルと値のみがついた)クロマトグラムをPDFで保存できる。Openchrom上でラベルされた化合物名などは含まれないので、あとで照合する必要あり。
解析内容をまるごと(クロマトグラフ、ピーク検出結果、ピーク面積、化合物名など)保存するときは、メニューバーのFile → Save All を選び、保存先・ファイル名を指定して保存(注:"Save"を選んでしまうと選択中のウィンドウに含まれる情報しか保存されないらしい)。Save Asで「別名で保存」できる。