「黄帝内経による養生」
未病を治す
現代を思うと、多くの人々は様々な「病」を発してから、気付き治療にあたる、ということ です。
最近の世の中を見ると多くが健康不安を抱え、病疾患にかかることを恐れています。
中国最古の医学書、黄帝内経にある有名な言葉「未病」の概念です。
「聖人は既病を治すのではなく、未病を治す」
長き歴史を有する予防医学の考え方と実践方法は、究極の心身活性化方法であり、
今後は、より重要視される時代が訪れることになるでしょう。
春 泰:立春 手少陽三焦経 双手托天 欠陰初気
壮:啓蟄 手陽明大腸経 燕飛勢(内旋)
夬:清明 手太陽小腸経 仰身勢 少陰二気
夏 乾:立夏 手欠陰心包経 燕飛勢(外旋)
媾:芒種 手少陰心経 摸魚勢 少陽三気
遁:小暑 手太陰肺経 集気站椿
秋 否:立秋 足少陰胆経 頭転功 単盤 太陰四気
観:白露 足陽明胃経 打弓勢 自然盤 和帯脈を刺激
剥:寒露 足太陽膀胱経 仰呼 陽明五気
冬 坤:立冬 足欠陰肝経 燕飛勢(叉歩)
復:大雪 足少陰腎経 勢
臨:小寒 足太陰脾経 通天採気 太陰終気
春
泰:立春 小往き 大来る。内が陽で外が陰。内が君子で外が小人。君子の道が日々の生長し、小人の道が日々に消衰していく。
天と地 上下が相い交わり通じ和して、その志を同じくする。
壮:啓蟄 壮は”壮ん”の意。陽気が長じて来る月にあたれば二月の時候。壮んな頃は調子に乗り過ぎる傾向があるが貞正を保つ。
夬:清明 夬は”決去””決断””決闘”の意を持つ。月は三月の時候、五陽が一陰を決去する、君子が小人を決去、排斥を行える。王庭朝廷においてその罪を揚言し、公然とその非を鳴らすべきであり、誠意をもって衆人に呼びかけることができる。しかしながら、事が重要なだけに、危険も大いにあるので慎重に慎重さを持つべきである。小人たちを治めるには、必ず自分自身の領域を図り、私事よりも公におよぼす影響をよくよく考え、心構えが必要である。武力を用いてことにあたることはよくない。徳をもって次第に相手を反省後悔させて和するのが本来の方法であるが、そのようであれば進んで事を行っても良い。
夏
乾:立夏 純陽の時候。天のはたらきが健やかでやむことはない。君子の望みは大いに通り、貞正を保ち行う。
媾:芒種 媾は邂逅の意、出偶い。一陰はじめて生じるが、五陽には向かない。不貞には注意が必要である。
遁:小暑 遁は退避、隠遁の遁。二陰が強くなり、月にあたれば六月の時候。人事では小人が長じて来て、大人は小事を貞正に行うのは可能だが、
大なることは向く時候ではないが、天下の為に努力は行うべきである。
秋
否:立秋 否は否塞。ふさがって通じぬこと、陰陽が相通じず。上下の意思が疎通がない状態、
ゆえに人道の正常な状況ではなくなり君子はいかに貞正を保っても良いことがない、大が上に登って去り、小も下にさがり陰陽相和する機会がなくなる。
観:白露 観は示す、または仰ぎ見るの意。厳粛敬虔の心持をもって物事にあたる誠意誠信が内に充ちあふれていれば、すべては整然として厳粛に執り行われれば人々は恭敬として、それらを仰ぎ見て誠信は上下に感化する。
剥:寒露 剥は剥がれる、剥落の意を持つ。五陰が生長して一陽が残されるのみである。人事では、小人が勢いが盛んになり、
君子を迫害するようなことも起こる。君子としては進んで道を進むようなことは向かない。
冬
坤:立冬 純陰。天において地であり、牝馬のように従順、貞正の姿勢が良い、人の先に立とうとすれば迷い、道を失うようなことも起こるが、人の後に従うように心がければ、頼るべき主人が出て来て安心できる。要はいかなる場合でも従い貞正が肝要である。
復:大雪 復はかえる、戻る。一陽来復、月にあたれば十一月冬至の時候。ここからはじめて陽気が増す、そして次第に成長がはじまる。同志は再び来たり加わる。陰が消息し、陽気の成長に従い事をすすめるのによい。
臨:小寒 臨は人に挑むの道。河岸が水沢に隣接するようである。貞正であることが良い。
春季養形法
春、陽光が強くなり、明媚な景観を感じられる。
空気は清らかに新しくなり 暖かい風は面を払う。
花は咲き 万物が新生勃発する時候。 養生の道。
「嘘:xu」字功
夏季養形法
夏季は農暦で立夏から立秋の前日までを謂う。
三ヶ月を包括すれば、立夏、小満、芒種、夏至、小暑、大暑である。
天と地が交わり、万物の華、果実が育つ。夜に臥し 早く起きるのが良い。
天の力は剛強で厭う心地も出てきやすい。日を用いて干すのは良い。
「怒り」の情緒が現れやすい、落ち着いた心地が大切である。
夏をうまく活かせるかどうかで一年が決まる。養長之道を知るのによい。
「呵:he」字功
秋季養形法
秋の三ヶ月は平らかではあるが、時に天気は急変する。
地の気は未だ明るさがある。早寝早起きが良い。安寧な情志が大事である。
暖かさは季節が進む毎に弱まり、神気は収斂していく。
肺を清らかに保ちながら養収を考える。
「口四:si」字功
冬季養形法
冬の三ヶ月は閉蔵の時である。水は凍り、地は堅くなる。
陽射しはだんだんと力を収めていく。早寝遅起きが良い。
日光を待ち、私意よりは自然の流れを重視する。
寒気を避け、暖気を求める。皮膚の養生が大事であり、
「意守」を用いて過ごすのが養蔵の道である。
方法を誤ると腎を痛め、春に影響が出る。
「吹:chui」字功
健身気功 動作名称
八段錦
一段 両手托天理三焦 リャンショウ トゥオティエンリーサンジャオ
両手を持って天を支えながら 三焦の気の理を整える
二段 左右開弓似射雕 ズオヨウカイゴン シーシェディアオ
左右へ弓を開き 鷲を射るように似る
三段 調理脾胃須単挙 ディアオリーピィーウェイ シューダンジュィ
脾胃の気の流れの理を調えるために片手を挙げる
四段 五労七傷往後焦 ウーラオチーシャン ワンホゥジィアオ
五臓の疲労:五労と喜怒悲憂恐驚思の七つの損傷を
受けずに良好さを保つためにも後ろへ意識を向ける
五段 揺頭擺尾去心火 ヤオトゥバイウェイ チュィシンフゥオ
頭部から尾椎までを揺り動かし心火:心臓の邪気を消す
六段 両手攀足固腎腰 リャンショウパンズー グーシェンヤオ
両手で足にふれ腎気の要す腰回りを強化する
七段 攅拳怒目増気力 ジュアンチュエンドゥームゥゾンチーリー
握り拳を打ち出し 目を怒らせることで気力が増す
八段 背後七顛百消 ベィホウチーディエン バイビンシャオ
背後の七点に意識・気を向けることで百病が消える
五禽戯
予備式 起勢調息
「虎戯」 虎挙 虎撲
「鹿戯」 鹿抵 鹿奔
「熊戯」 熊運 熊晃
「猿戯」 猿提 猿摘
「鳥戯」 鳥伸 鳥飛
収勢 引気帰元
馬王堆導引術
動作順序
起勢 預備式 (燕息)
第一式 挽弓 (振手 挽弓)
第二式 引背 (引背痛 痛明)
第三式 鳬浴 (鳬浴 堂狼)
第四式 龍登
第五式 鳥伸
第六式 引腹 (引腹中 飛燕)
第七式 鴟視 (踢腳)
第八式 引腰 (引腰痛)
第九式 雁飛 (引頭風)
第十式 鶴舞 (鶴譚)
第十一式 仰呼
第十二式 折陰
収勢