2016/08/24 - UX関連イベント「CNET Japan Marketers' Conference 2016」に行ってきました。

投稿日: 2016/08/23 16:03:31

8/24(火)開催のCNET Japan Marketers' Conference 2016に行ってきました。本来はマーケティング系のイベントではありますが、今年のテーマは「あらゆる接点で通用するユーザーエクスペリエンス創造手法」ということでしたので参加しました。

最初のセッションはパナソニック東京オリンピックパラリンピック推進本部の原口氏とUXコンサルファーム株式会社ルグランの泉氏による、羽田空港の情報ユニバーサルデザイン高度化の共同実験の紹介でした。紹介された開発プロセスはUXデザインとしては典型的な、観察調査→カスタマージャーニーマップによる現状記述→"オポチュニティ"明確化→技術提案、という流れで教科書通りだという印象ですが、空港は多様な利用者が利用する公共施設であり典型的な利用者像を絞り込めない難しさがあったということです。また、他の空港の旅行者支援システムの分析も行っており、成田空港のシステムは歩きスマホを誘発してしまう、仁川空港のシステムは現在位置を特定できない、等の欠点があり、パナソニックの新システムはそれらの課題を解決しているそうです。

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二番目のセッションは株式会社フロムスクラッチの三浦氏によるMA(マーケティングオートメーション)導入における課題についての話で、「MA導入の前に複数のシステムが収集している顧客行動ログの統合が必要」「いきなり複雑な配信パターンをプログラムしようとするのは無謀」「顧客に送付するコンテンツも重要」という指摘ののち、自社サービスの紹介をしていました。

三番目のセッションはパネルディスカッションで「ユーザーエクスペリエンスを向上させる手法とは」というテーマだったのですが、話の半分は経営側の心構えや組織論で、「経営者がUXを経営課題だと認識することが必要」「UX重視が企業文化として定着するには、トップダウンだけでなく旗振り役の中間層の存在も重要」「客に会う機会を増やすのがUXの重要性を認識する早道」という結論でした。

豪華な登壇者で話も面白い内容であったのにもかかわらず、このイベントの参加者は30人程度でした。なるほど世の経営者達はUXを経営課題と認識していないのだなという印象が残りました。また懇親会が中止になってしまい、羽田空港の話を深く訊こうと思っていたのにできませんでした。話は面白かったのにやや残念なイベントでした。

(森山)