ナメクジの見分け方(簡易版)
日本でよく見られるナメクジ4種とマダラコウラナメクジの見分け方(簡易版) *写真・文章の無断転載禁止
ナメクジの体の色や模様は、同種であっても異なっていたり、加齢とともに変化します。
そのため、ナメクジの種を正しく同定するためには、発達した生殖器の形を見ることがとても重要です。
しかし、解剖まで行うことは多くの方にとって容易ではありません。
そこで、ここではとても大雑把にですが、「見つけたナメクジはこれからも知れない」と推測するために、日本でよく見られる4種と
マダラコウラナメクジの特徴について紹介します。
質問1 体の前3分の1くらいのところに継ぎ目(図の赤い点線部分)がありますか?
Yes→質問2へ、No→質問3へ進んでください。
質問2 動いていない状態で10cm以上の大きさですか?
Yes→1)へ、No→2、3の可能性が高いですが、1の幼体の可能性もあり少々判別は難しくなります。
1)マダラコウラナメクジ (学名:Limax maximus)
体長は大きいもので這っているときの長さが20cmにもなる。背面の模様はヒョウ柄。
全体的に茶色。粘液に少し黄色っぽい色がつくこともある。外来種。コウラナメクジ科。
2) チャコウラナメクジ (学名: Ambigolimax valentianus(旧学名 Lehamannia valentiana))
体長は這っている時で7cm程度。背面に2、3本の線を持つものが多いが、
点線状で線がはっきりしない個体も多い。粘液は透明。年をとると体色が黄色っぽく見える
ことが多い。現在、日本の民家の周りで一番多く見られる種。ヨーロッパ原産の外来種。
日本には1950年代に移入したと考えられている。コウラナメクジ科。
3)ノハラナメクジ (学名: Deroceras laeve)
体長は這っている時で2cm程度と小型。全体的に灰色~茶色で目立った模様は無い。※大きさを訂正しました(2022/12/23)
大触覚が灰色~黒色。外来種。コウラナメクジ科。
質問3 大きさは10cmくらいありますか?
Yes→質問4へ No→まだ若く背面の模様からでは4か5(または他の近い種)かを判断することは難し状況です。
質問4 全体に灰色ぽく、頭から尻尾にかけ2本の線がありますか?
Yes→4 No→5
4)ナメクジ (学名:Meghimatium bilineata)
体長は這っている時で10cm程度。全体的に灰色。
体の両脇に黒い線がある。若い個体では1本しか見えないこともある。
在来種と考えられている。
5) ヤマナメクジ (学名: Meghimatium fruhstorferi)
体長は大きいもので、這っているときの長さは20cm近くなることもある。
体色は茶色~灰色。体の側面に頭部から尾部にかけ線があり、背中の中心部にも線と複雑な模様がある。
若い個体では4のナメクジとの見分けはつきにくい。
注意)上記の分類方法はかなり大雑把なものです。ナメクジの背面の模様や大きさ、色は加齢とともに変化し、多彩であるため、
これらの情報は目安と考えてください。また、日本には上記5種以外のナメクジも生息しています。